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国内向け市場でレンズ一体型カメラが好調。7月のCIPA統計より

世界全体では昨対比の好調がストップか

デジタルカメラ【Worldwide】出荷数量月間推移 出典:一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)

一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)は9月1日、2021年7月のデジタルカメラ生産出荷実績(同工業会統計)を公開した。世界全体で出荷台数・金額ともに減少傾向が続いている。好調をキープしていた昨年同月比でも、今月は低調な結果となった。その中、世界全体の傾向とは対照的に、日本向け市場では出荷台数・金額ともに前月比で大きく回復傾向を見せた。

概況

7月のデジタルカメラ総出荷台数は65万9,427台(前月比97.4%)、金額は337億8,577万4,000円(前月比86.3%)を記録した。3月以降、4カ月連続で出荷台数・金額ともに減少を続けている。2月以降で好調をキープしていた昨年同月比においても、台数100.4%・金額106.2%でほぼ横ばいとなった。

カメラ種別ごとに見ていくと、ミラーレスカメラの台数が24万5,034台(前月比97.6%)、金額が219億1,938万8,000円(前月比84.5%)を記録。前月比では減少したが、昨年同月比では台数が114.1%、金額が113.3%で回復傾向を見せた。

一眼レフカメラは台数13万5,795台(前月比70.9%)、54億7,333万円(前月比76.9%)だった。昨年同月比では台数100.9%、金額が90.5%だった。

前月比で低調だったレンズ交換式カメラに対して、レンズ一体型カメラは好調を示した。台数が27万8,598台(前月比119.0%)、金額が63億9,305万6,000円(前月比104.6%)を記録した。昨年同月比は台数90.7%・金額99.6%だった。

国内の状況

国内向け市場では、デジタルカメラ全体の出荷台数は11万4,980台(前月比150.1%)、金額が41億6,907万6,000円(前月比140.1%)を記録した。世界全体の動きとは反対に、前月比で大きく伸長する結果となった。一方昨年同月比では、台数81.3%・金額80.8%と2割近い減少となり、世界全体での昨対比の好調ぶりにブレーキをかけている。

内訳を見るとレンズ一体型カメラがとくに好調を見せた。台数が7万7,444台(前月比161.8%)、金額が12億7,695万7,000円(前月比139.9%)と大きく伸長している。昨年同月比は台数77.6%・金額71.9%だった。

ミラーレスカメラも好調。台数が3万1,502台(前月比148.5%)、金額が25億4,075万9,000円(前月比151.0%)だった。昨年同月比は台数96.2%・金額85.1%を記録している。

国内向け市場では、一眼レフカメラが唯一低調となった。台数が6,034台(前月比80.3%)、金額が3億5,136万円(前月比92.6%)を記録。昨年同月比も台数68.5%・金額88.7%と減少傾向を見せている。

国外の状況

国外向け市場では、デジタルカメラ全体の出荷台数は54万4,447台(前月比90.7%)、金額は296億1,669万8,000円(前月比81.8%)だった。日本向け市場とは反対に、前月比で大きく減少。しかし、昨年同月比では台数105.7%・金額111.1%と回復傾向を見せている。

前月比で特に低調だったのは欧州向け市場。デジタルカメラ全体の出荷台数は19万7,836台(前月比84.5%)、金額が90億5,991万8,000円(前月比80.0%)を記録した。とくに減少幅が大きかったのは一眼レフカメラで、台数が4万5,050台(前月比55.5%)、金額が16億4,847万4,000円(前月比63.5%)だった。

また、欧州向け市場では一眼レフカメラの出荷台数がミラーレスカメラを上回る状況が続いていたが、今月はミラーレスカメラ(台数6万4,615台)が上回る結果となった。

米州向け市場では、デジタルカメラ全体の出荷台数が17万3,326台(前月比96.8%)、金額が81億7,934万9,000円(前月比80.7%)を記録。世界全体の動きと同様に前月比で低調な結果をみせたが、他の地域よりも昨年同月比の伸びが一番大きく、台数120.3%・金額126.4%と回復傾向を見せており、特に日本向け市場とは対照的な結果となった。

本誌:宮本義朗