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世界のデジカメ出荷、前年比で回復傾向を維持。CIPAの5月統計より
米州ではミラーレス出荷金額が前年同月比10倍超に
2021年7月6日 07:00
一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)は7月1日、2021年5月のデジタルカメラ生産出荷実績(同工業会統計)を公開した。国内向け市場は前月比では出荷台数および金額が大きく減少。世界全体でも前月比でわずかに減少傾向を見せたが、いずれも昨年同月比で見ると台数・金額ともに大きく回復した。世界全体で、デジタルカメラ市場の昨年の苦境がうかがい知れる結果となった。
概況
5月のデジタルカメラ総出荷台数は71万1,362台(前月比94.1%)、金額は421億8,958万1,000円(前月比94.6%)を記録した。3月から2カ月連続で減少を続けているが、昨年同月比で見ると台数が192.4%、金額が231.8%と大きく回復傾向を見せた。
カメラ種別ごとに見ていくと、ミラーレスカメラは台数26万5,121台(前月比98.0%)、金額273億3,798万1,000円(前月比98.1%)を記録。昨年同月比で台数が213.4%、金額は278.3%と飛躍的に回復した。
レンズ一体型カメラは台数が25万1,954台(前月比96.9%)、金額が67億1,974万1,000円(前月比97.6%)を記録。昨年同月比では台数162.3%、金額167.3%だった。
一眼レフカメラは台数が19万4,287台(前月比86.1%)、金額が81億3,185万9,000円(前月比82.5%)だった。前月比で見ると他のカメラ種別と比較して減少幅が大きかったが、昨年同月比では好調で、台数が215.2%、金額が186.3%を記録している。
国内の状況
国内向け市場では、全体および各カメラ種別で前月の数字を大きく割った。デジタルカメラ全体の出荷台数は7万7,849台(前月比60.4%)、金額は29億3,863万3,000円(前月比57.4%)を記録。前月からは減少した一方、昨年同月比では台数が140.6%、金額が171.9%と、世界全体での動きと同様に回復傾向を見せた。
内訳を見ると、ミラーレスカメラの台数が2万2,003台(前月比69.9%)、金額が17億4,662万6,000円(前月比66.9%)を記録。昨年同月比では台数が261.8%、金額が237.7%と大幅な回復を見せた。
一眼レフカメラは台数5,687台(前月比57.3%)、金額が2億8,227万3,000円(前月比38.3%)で、前月比でさらに低調な記録となった。昨年同月比でも台数が100.0%、金額が125.3%だった。
レンズ一体型カメラは台数が5万159台(前月比57.3%)、金額が9億973万4,000円(前月比51.2%)を記録。昨年同月比では、台数・金額ともに121.5%だった。
国外の状況
国外向け市場のデジタルカメラ出荷台数は63万3,513台(前月比101.0%)、金額は392億5,094万8,000円(前月比99.4%)を記録した。前月からはほぼ横ばいとなったが、昨年同月比では台数が201.5%、金額が238.0%で、日本国内向け市場よりも大幅な回復傾向を見せた。
とくに好調だったのが米州向け市場。デジタルカメラ全体の出荷台数は19万6,338台(前月比102.1%)、金額が117億2,944万4,000円(前月比97.4%)を記録。昨年同月比で台数が343.6%。金額が482.5%と大きく回復した。なかでもミラーレスカメラは金額が78億574万3,000円(前月比98.9%)を記録し、昨年同月比で1,227.9%と10倍超の結果となった。
中国向け市場は前月比でも好調で、デジタルカメラ全体の出荷台数は13万847台(前月比118.6%)、金額が118億5,879万5,000円(前月比130.5%)だった。なお、昨年同月比は台数が122.0%、金額が157.1%を記録した。
欧州向け市場ではレンズ一体型カメラが好調だった。台数が8万2,767台(前月比123.8%)、金額が20億3,422万4,000円(前月比118.8%)を記録。また、世界的にミラーレスカメラの需要が増している中、欧州向け市場ではミラーレスカメラと一眼レフカメラの出荷台数が競った状況が続いている。今月の出荷台数は一眼レフカメラ(台数7万5,132台)に軍配が上がった(ミラーレスカメラの台数は5万2,839台)。