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米州市場でミラーレス需要が活発化。出荷金額が昨対比で455%

世界全体の出荷金額は昨年同月の2倍超に CIPAの3月統計より

デジタルカメラ【Worldwide】出荷数量月間推移 出典:一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)

一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)は4月23日、2021年3月のデジタルカメラ生産出荷実績(同工業会統計)を公開した。世界全体で、前月に引き続き出荷台数および金額が回復傾向を維持。昨年は年始から5月にかけて下降しつづけていたが、今年は出荷数量月間推移(出典:一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA))のグラフでも例年と似た傾向を示している。その影響か、台数/金額は昨年同月と比較しても大きな回復を見せた。

概況

3月のデジタルカメラ総出荷台数は83万6台、金額は462億6,847万7,000円を記録した。昨年同月比で、台数が138.9%、金額が212.6%と大幅な回復傾向を見せた。また、金額についてはコロナ禍以前の2019年3月(450億8,598万9,000円)も上回る結果となった。

その中でもとくにミラーレスカメラの好調が目立った。台数は31万8,300台(前月比139.1%)、金額は312億4,552万9,000円(前月比134.0%)を記録。また、昨年同月比でも台数205.3%、金額285.5%と大幅に伸長した。

一眼レフカメラも前月から増加。台数が22万4,640台(前月比113.3%)、金額が83億9,702万9,000円(前月比110.6%)だった。レンズ一体型カメラは、台数が28万7,066台(前月比116.5%)、金額は66億2,591万9,000円(前月比137.6%)を記録した。

国内の状況

国内向け市場でも好調な結果となった。デジタルカメラ全体の出荷台数は10万7,364台、金額が44億5,542万7,000円を記録。2月の記録(台数8万6,944台、金額36億6,833万3,000円)と比較して台数が123.5%、金額が121.5%だった。昨年同月と比較すると台数が85.5%だったものの、金額は123.0%と伸びを見せた。

とくにレンズ一体型カメラが前月から大きく伸長。台数が7万9,135台(前月比128.8%)、金額は14億1,626万2,000円(前月比136.1%)を記録した。

ミラーレスカメラも好調。台数が2万2,051台(前月比122.1%)、金額が26億6,051万円(前月比121.0%)。昨年同月比では金額が181.5%という結果だった。

一眼レフカメラのみ、前月を下回る結果となった。台数は6,178台(前月比83.2%)、金額が3億7,865万5,000円(前月比88.1%)だった。

国外の状況

国外向け市場のデジタルカメラ出荷台数は72万2,642台(前月比123.2%)、金額は418億1,305万円(前月比130.4%)だった。こちらも昨年同月から大きく伸長し、台数が153.1%、金額が230.5%を記録した。

地域別にみていくと、とくに米州向け市場で特徴的な動きがあった。ミラーレスカメラの台数が8万2,689台(前月比122.8%)、金額は82億9,740万3,000円(前月比121.1%)を記録。昨年同月比では台数が301.1%、金額においては455.1%と大幅に伸長した。

欧州向け市場では、2月に引き続き一眼レフカメラの台数(10万1,021台)がミラーレスカメラ(8万8,273台)を上回った。これは世界的に見て、欧州向け市場のみの傾向となっている。なお、金額についてはミラーレスカメラ(68億608万5,000円)が、一眼レフカメラ(32億4,257万8,000円)を大きく上回っている。

本誌:宮本義朗