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コシナ、Xマウント用フォクトレンダー第1弾「NOKTON 35mm F1.2」を8月に発売。税込約8.5万円
2021年7月15日 15:16
電子接点を搭載しX-Pro3のパララックス補正などに対応
最大径59.6×全長39.8mm・重量196gながら、絞り開放F1.2を実現したMF単焦点レンズ。APS-Cのイメージサークルをカバーしている。
本レンズは電子接点を備えており、撮影距離の連動表示などに対応。電気通信については富士フイルムからの情報開示を受けて開発したとしており、ボディ内手ブレ補正機構を有する機種との組み合わせや、OVFとEVFを切り替えて使用できるX-Pro系ボディ(本稿執筆時点ではX-Pro3のみの対応)で光学ファインダーで使用した際のパララックス補正にも対応しているという。
同社フォクトレンダーブランドの電子接点つきレンズは、これまでマイクロフォーサーズ用とEマウント用が発売されているが、富士フイルムXマウント用は本製品が初。焦点距離に35mmが選ばれた背景について、同社はVMマウント(Mマウント互換)のNOKTON classic 35mm F1.4(現行製品はII型で発売は2019年6月。コーティングの違いによりMCとSCの2モデルがある)をXマウントボディに装着して楽しむユーザーが多数存在することがわかったためと説明している。開発にあたっては、マウントアダプターの厚みを含めて35mm F1.4を装着した際のサイズ感で、F1.2の明るさとフォクトレンダーらしさを残しながらもXマウントボディにマッチするデザインを目指したという。
“8枚玉”のスタイル
レンズ構成は6群8枚(うち1枚は異常部分分散ガラス)。レンズエレメントを絞りを挟んで対照配置したダブルガウス型の構成とし、また全てのレンズを球面で構成した“8枚玉”(ライカのMマウント用交換レンズ「ズミクロン35mm F2(第1世代モデル)」の俗称)のスタイルにより、F1.2の開放絞りと相まって、なめらかで大きなボケ味と絞り開放からの安定した描写力を備えた製品だとしている。
“8枚玉”を彷彿とさせる製品としては、同社Mマウント互換の「NOKTON Classic 35mm F1.4 VM」(2008年2月発売)がレンズ構成や描写の面で話題を呼んだが、同社担当者によれば本Xマウント用レンズも、これに近いという。
絞り羽根は12枚。1/3ステップのクリックを備えている。
最短撮影距離は0.3m。フィルター径は46mm。ネジ込み式のレンズフードが付属する。
電気通信対応ボディで使用する際の注意点
なお、本製品は電子接点による電気通信に対応しているものの、対応機種が限られている点に注意してほしいとしており、電気通信に対応するボディに装着する場合は、2項目の表示設定を変更することを推奨している。
変更を呼びかけている設定内容は、[1]絞り値の表示をT値からF値に設定し、[2]被写界深度表示をフィルム基準に変更してほしい、というもの。どちらもボディ側での設定となる。これらは電気通信を活用して使用する場合の注意事項だが、電気通信に対応しないボディでもレンズなしレリーズを有効にすることでも使用できるとしている。
ちなみに、絞り値の表示にT値を用いているXマウントレンズとしては、富士フイルムの映像撮影用レンズシリーズMKシリーズがある(XF56mmF1.2 R APDもT値が併記されているがF値での表示・運用となる)。
電気通信対応ボディ(2021年6月同社調べ)
X-H1:バージョン1.10以上
X-T4:バージョン1.00以上
X-T3:バージョン1.00以上
X-T2:バージョン4.10以上
X-T30:バージョン1.00以上
X-S10:バージョン1.00以上
X-Pro3:バージョン1.00以上
X-E4:バージョン1.00以上
電気通信非対応ボディ(2021年6月同社調べ)
X-T系:T1、T10、T100、T200
X-Pro系:Pro1、Pro2
X-E系:E1、E2、E3
X-M系:M1
X-A系:A1、A2、A3、A5、A7