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ソニー、5Gミリ波対応+ペリスコープ採用のフラッグシップスマホ「Xperia 1 III」

ソニーは4月14日、スマートフォンXperiaシリーズの最新モデル「Xperia 1 III」を発表した。カラーはフロストブラック、フロストグレー、フロストパープルの3色をラインアップ(グローバル版)。日本を含む国・地域で2021年初夏以降の発売を予定している。取り扱いキャリアおよび価格については、現段階では不明。以下、発表のあったグローバル版に基づき、進化点を整理していきたい。

5Gミリ波に対応。カメラ部も強化

Xperiaシリーズのフラッグシップモデルの位置づけとなる「1」シリーズの3世代目。本モデルでは望遠側のカメラに屈曲光学系を採用し、焦点距離が105mmまで伸びている。またディスプレイ部が4K 120Hz駆動に対応。対応電波帯も5Gのミリ波(Sub6にも対応)となり、同じく5Gミリ波対応のXperia PROの一部性能を超えるモデルとなった。

フロストブラック

リアカメラ部は35mm判換算で超広角の画角を担う16mm F2.2と広角の24mm F1.7、望遠側の70mm F2.3+105mm F2.8の3眼構成となっている。

各カメラ部のセンサーサイズと画素数は16mmが1/2.6型の12MP、24mmは1/1.7型の12MP、70mmおよび105mmが1/2.9型の12MPとなっている。24mmと70および105mmカメラには光学式の手ブレ補正機構も搭載。また各カメラにはいずれもZEISSのT*コーティングが施されている。フロントカメラの画素数は8MP。

また、独立タイプのシャッターボタンは表面積を拡大し、さらに綾目模様の加工も施されており、指のかかり具合が調整されている。

望遠カメラには屈曲光学系を採用

望遠側カメラは70mmと105mmを切り替えて使用する可変式機構を採用。屈曲光学系(ペリスコープ)で望遠側を伸ばしている。望遠側を含め、各カメラにはデュアルPDセンサーが搭載されており、どの焦点距離のカメラを使用しても、リアルタイムトラッキングAFが利用できるようになった。

AF/AE追従撮影性能は最大で20コマ/秒に対応。最大60回/秒のAF/AE演算処理により、同社αシリーズゆずりの動体撮影性能を誇るとしている。コマ速スペック自体はXperia 1 IIと同じながら、各カメラにデュアルPDセンサーが搭載されたことで、使用する焦点距離を選ばずにリアルタイムトラッキングが利用できる。このほか3D iToFセンサーも引き続き搭載している。

また、画像処理アルゴリズムも進化。室内など光量に乏しい環境下での撮影でも連写カット中から複数枚の画像を重ねあわせることでノイズの低減を図る仕組みを採用。これにより露出不足といった失敗を軽減できるとしており、日常撮影シーンでの写真撮影体験に強くなっているという。

また、AI技術を活用した機能として「AI超解像ズーム」を新たに搭載。デジタルズーム時の画質劣化を補正できる機能だと説明している。

基本性能も充実

チップセットはQualcommのSnapdragon 888 5G Mobile Platformを採用。RAMの容量は12GBで、ROMは256GBまたは512GBを用意する。

ディスプレイは4KHDR表示に対応する有機ELを採用。21:9のアスペクト比を継承しており、サイズは6.5型となっている。本モデルではXperia PROと同じく個別にキャリブレーション調整も実施(調整項目は色のみ)して出荷していくという。またディスプレイガラスには強度面と耐スクラッチ性に優れるというCorningのGorilla Glass Victusを採用している。

バッテリー容量は4,500mAh。30W以上の供給に対応するチャージャーを用いた際に約30分で50%の急速充電に対応するほか、3年間使用しても劣化しにくい仕様になっているという。充電はワイヤレスにも対応する。

外部端子は3.5mmオーディオジャックとUSB Type-Cポートのみ。SIMトレイはデュアル。

外装はメタルフレームとフロストガラスを使用。背面パネル部のガラスが非光沢となっている。このほか防水・防塵に対応。耐久性能はIP65/68となっている。

製品発表映像「Join us for an exciting announcement from Xperia – 14.04.21」(YouTube)

本誌:宮澤孝周