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ニコンから小型軽量なAPS-Cミラーレスカメラ「Z 50」登場

上級者のサブカメラとしても 写真家が速報(実写あり)

10月10日、ニコンから「Z 50」が発表された。本機は、その名の通りニコンのミラーレスカメラ「Z」シリーズのニューモデルとなる。Z 7、Z 6がニコン初のフルサイズミラーレスカメラとして2018年に登場し大きな話題となったが、Z 50はニコン初の“DXフォーマット”ミラーレスカメラとなっている。

位置づけとしてはZ 7/6の弟分となるZ 50は、APS-Cセンサー採用機らしく小型軽量を強く意識したモデルとなっており、フルサイズセンサー搭載カメラのサブ機としても十分使える高い基本性能をもちながらも、初めてのレンズ交換式カメラとしての入門機的な要素を備えるなど、幅広いユーザーに受け入れやすい機種となっている。

発売は11月下旬の予定で、詳しい日時は未定。ボディ単体とNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRのレンズキット、これにNIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VRがつくダブルズームレンズキットでの展開となる。価格はいずれもオープン。店頭予想価格は、ボディのみが税込11万9,900円。レンズキットは税込13万9,810円、ダブルズームレンズキットは税込16万9,840円。

基本性能

Z 50はその名が示すとおりマウントには「Z」マウントを採用している。Zマウントレンズは昨年の発売以降順調にその本数を増やし現在6本のレンズがラインアップされているが、それらのレンズはもちろんすべてZ 50にそのまま使用することができる。

またマウントアダプターFTZを装着すれば多くのFマウントのニッコールレンズがFX用、DX用を問わず使用できる。センサーは有効約2,088万画素CMOSセンサーを搭載。2,088万画素といえばD500やD7500と同じ画素数だが、Z 50は像面位相差AFを採用した新型センサーとなる。

フォーカスポイントは209点。AF範囲は撮像範囲の水平約87%、垂直約85%の面積をカバーし、像面位相差AFとコントラストAFのハイブリッド動作で、画面全域で高速で高精度なAFを可能にしている。

映像処理エンジンは最新のEXPEED 6を搭載し静止画、動画ともに高速で高画質な画像処理を実現している。ISO感度はISO100〜51200。拡張感度は最高ISO 204800。高速連続撮影は約11コマ/秒(14ビットRAW時:約9コマ秒)。

シャッターはメカニカルで最高1/4,000秒。

動画はDX機として初めてDXフォーマットの画角そのままで記録できるノンクロップの4K UHD/30Pに対応した。なお、D500やD7500も4K UHD/30Pには対応するもののDXベースの撮影範囲はフルHDまでだった。

外観

外観はZ 7/6と瓜二つ。DX機だからといってグリップを小さくするようなことなくしっかりと握り込みやすい形状を作り込んでいるあたりがニコンらしい。似ているとはいっても重量はかなり軽く、ボディ単体で450g(バッテリー、メモリーカード含む)だ。

前面
背面
左側面
右側面
天面
底面

フルサイズZシリーズと見比べた時に外見上の大きな違いとなるのは、カメラ天面の表示パネルがなくなり、モードダイヤルが右側に移動してきている点くらいだろう。

ボディ背面はボタンが少なくスッキリとした見た目。AFエリア移動がスムーズになるサブセレクターがない点はやや残念。再生ボタンがボディ右側に配置されたことは、右手だけでの操作に集中しやすくうれしい変更点だ。

またZ 50はタッチパネルを採用しているが、画像の拡大/縮小などをタッチで操作できるようにしたユニークな操作系も新規採用された。背面モニター右側のスペースに上から拡大、縮小/ヘルプ、ディスプレイのボタンが配置されていて、チルトモニターを使用した際にもボタンが押しやすいようにとの工夫のようだ。

タッチメニューを含めタッチ操作は反応が良く使いやすいが、ファインダーを覗いた状態ではタッチメニューのボタン位置が分かりにくいので少し慣れが必要かもしれない。

背面のチルト式モニターはニコンで初めて下側180度開閉式を採用してセルフィーに対応する。パネルは3.2型の104万ドットでタッチパネル対応。

180度開いた状態になるとセルフィーモードとなりシャッターボタン以外のボタンはキャンセルされ操作はタッチパネルでの操作が主体となる。また、開くとセルフタイマーが自動的にオンになりシャッターのタイミングがつかみやすい工夫もなされているなど、一般ユースも想定したZ 50らしい仕様といえる。

Z 50にはZ 7/6にはない内蔵ストロボが搭載されている。こうした点も一般ユースを想定した仕様だろう。

ファインダーは0.39型XGA OLED、約236万ドット。倍率は1.02倍でD500の1.0倍とほぼ変わらない。Z 7/6よりも表示サイズは少し小さいが画面四隅が常時視界に入っていないと安心できない私にとってはZ 50のほうが好みかもしれない。

グリップ横にはZ 7/6と同じくFn1、Fn2ボタンが採用されている。撮影中にも押しやすいボタンなのでよく使う機能を登録して活用したい。参考までに、私はFn2はデフォルトの「フォーカスモード/AFエリアモード」。Fn1には一眼レフカメラと似た操作系にするために「プレビュー」を登録している。

バッテリーは新型のEL-EN25を採用。小型ながら1,120mAhの容量を持つ。バッテリーひとつでファインダー時約280コマ、モニター時320コマ撮影できる。また記録メディアはSDカードのシングルスロットで、バッテリー室と同室。残念ながらUHS-II対応ではない。

外部接続端子は、マイク(ステレオミニプラグ)、USB(Micro-B)、HDMI(Type D)だ。

沈胴式でコンパクトなキットレンズ

キットレンズはNIKKOR Z DX 16-50mmF3.5-6.3 VRとNIKKOR Z DX 50-250mmF4.5-6.3 VR。レンズ名から分かる通りレンズ側に手ブレ補正機構を搭載しており、Z 50はボディ内VRは非搭載だ。

Z 7/6がボディ内VRを採用しており、フルサイズ用のZレンズがレンズ内手ブレ補正機構(VR)を搭載していないため、それらのレンズを装着した際には手ブレ補正がない状態となるのは残念なポイントだが、ボディの軽量化を考えると仕方がないともいえる。

その代わりと言ってはなんだがキットのレンズは極めて小型軽量だ。標準ズームの16-50mmF3.5-6.3 VRはなんと135グラムしかなく、ボディと合わせても585gしかない。Z 7 /6のボディ単体675gよりも軽いのだ。

NIKKOR Z DX 50-250mmF4.5-6.3 VRは405g。また2本ともZレンズによく見る沈胴タイプを採用しており、収納時のサイズが非常に小さくなるのが特徴だ。

NIKKOR Z DX 16-50mmF3.5-6.3 VR(収納時)
NIKKOR Z DX 16-50mmF3.5-6.3 VRを16mmまで繰り出した状態
NIKKOR Z DX 16-50mmF3.5-6.3 VRを50mmまで繰り出した状態
NIKKOR Z DX 50-250mmF4.5-6.3 VR(収納時)
NIKKOR Z DX 50-250mmF4.5-6.3 VRを50mmまで繰り出した状態
NIKKOR Z DX 50-250mmF4.5-6.3 VRの250mm

コンパクトにZの魅力が凝縮されたDXミラーレス

今回、Z 50試用の機会を得たので、実際の操作感を交えてファーストインプレッションをお伝えしてきた。ここで気になる実写作例をいくつか見ていただきたい。

ヒガンバナの細長いオシベの美しいラインを描いた。NIKKOR Z DX 16-50mmF3.5-6.3 VRの16mmの最短撮影距離付近で撮影。16mm域では25cmまで近づけるのでワイドマクロ的な撮影も楽しめる。Z 50は約2,088万画素で最近のAPS-C機種としては控えめな画素数だが、適度なシャープ感で立体感がいい。

ニコンZ 50+NIKKOR Z DX 16-50mmF3.5-6.3 VR / 16mm(24mm相当) / 絞り優先AE(F3.5・1/100秒・+0.7EV) / ISO 100

薄暗い森の手前に咲くヒガンバナ。NIKKOR Z DX 50-250mmF4.5-6.3 VRは35mm判換算で375mmとなる望遠ズームレンズだが、405gの軽量性で非常に持ち歩きしやすい。望遠域ではカメラ内の機構ブレが怖いところだが電子先幕シャッターを使うことでいっさいブレずに撮影できた。

ニコンZ 50+NIKKOR Z DX 50-250mmF4.5-6.3 VR / 98mm(147mm相当) / 絞り優先AE(F5.0・1/100秒・-2.3EV) / ISO 100

Z 50は「Z」シリーズらしいシンプルで使いやすいデザインとDXフォーマットらしいミニマムなサイズ感が特徴のカメラに仕上がっている。実写のインプレッションは後日お伝えするが、第一印象としては使い勝手がより軽快になったZ 6で、レンズは2本ともかなり良い印象を得た。

高い基本性能と携行性のバランスの良さは、レンズ交換式カメラ入門者のみならず上級者のサブカメラとしても非常に魅力的な機種となるだろう。

主な仕様

撮像素子

有効約2,088万画素(ニコンDXフォーマット)

ファインダー

EVF(0.39型XGA OLED)
表示:約236万ドット、倍率:約1.02倍(50mmレンズ使用時)、アイポイント:19.5mm(接眼レンズ中央から)

シャッター

メカシャッター:1/4,000秒〜30秒、バルブ

連写

約5コマ/秒(拡張時:約11コマ/秒)

測光範囲

−4〜17EV

ISO感度

ISO 100-51200(拡張:ISO 204800相当)

AF

ハイブリッドAF(フォーカスポイント数:209点)

撮影可能枚数

ファインダーのみ:約280コマ
背面モニターのみ:約320コマ
動画記録時:約75分

動画記録

4K UHD(30p、25p、24p)
最長記録:29分59秒、動画ファイル形式:MOV、MP4

内蔵フラッシュ

ガイドナンバー7相当(ISO 100・m時、充電時間約3秒)

アクセサリーシュー

ホットシュー(ISO 518規格)

外部端子

USB:Micro-B
HDMI:Type D
ステレオミニジャック:3.5mm径

無線

Wi-Fi:IEEE802.11b/g/n/a/ac
Bluetooth:Ver.4.2

電源

EN-EL25

外形寸法

約126.5×93.5×60mm

質量

約450g(バッテリー、SDカード含む)、約395g(本体のみ)

今浦友喜

1986年埼玉県生まれ。風景写真家。雑誌『風景写真』の編集を経てフリーランスになる。日本各地の自然風景、生き物の姿を精力的に撮影。雑誌への執筆や写真講師として活動している。