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EIZO、HDR映像編集に対応・スリム化した27型モニター

USB Type-C・10bit入力になった「ColorEdge CG279X」

EIZO株式会社は、27型カラーマネージメント液晶ディスプレイ「ColorEdge CG279X」を2018年11月2日に発売する。価格はオープン。直販価格は税込23万1,984円。

本製品は、映像制作やプロフェッショナルフォト、プリプレスなど、ワークフローを通じて厳密な色管理が求められる法人のクリエイティブワークを対象とした製品で、2013年11月22日に発売された「ColorEdge CG277」の後継モデル。

筐体デザインを刷新することで大幅なスリム化と軽量化を実現しており、従来機種に比べて下部ベゼル幅は約46%スリム化、重さは約19%軽量化している。

そのほかの変更点として、コントラスト比が1000:1から1300:1に向上。色再現も8bit(約1,677万色)から10bit(約10億色)入力対応に変更されている。また、電源を入れてから輝度、色度、階調特性が安定するまでの時間も、7分から3分に短縮した。

画像表示において特定の色をRGB立体上で個別に調整できる「3D-LUT」などの基本機能は従来機から踏襲している。

新機能として、映像制作用のHDR表示に対応した。配信・映画制作向けの「PQ方式」と放送向けの「Hybrid Log Gamma方式」の両方のHDR入出力特性(ガンマ)に対応。

さらに映画や放送の国際規格に準じる専用カラーモードとして、デジタルシネマ規格である「DCI」や、4K/8K放送の色基準となる「BT.2020」などを標準搭載することで、幅広いコンテンツの編集・プレビュー確認が容易に行えるという。

測定精度を向上させた新型内蔵キャリブレーションセンサーを搭載し、経過時間による表示のズレを高い精度で補正できるほか、AI(人工知能)を活用した表示安定化機能により、階調・色度・輝度などに対して適切な補正を行い、正確な表示を維持できるという。

また、ColorEdgeシリーズとして初めてUSB Type-C端子を搭載しており、USB Type-C対応のPCと接続する場合、ケーブル1本で映像、USB信号が伝送できるようになった。そのほか、DVI、HDMI、DisplayPortを各1系統搭載している。

ソフトウェア面では、同時にリリースした専用カラーマネージメントソフトウェア「ColorNavigator 7」に対応。用途に合わせて適切な目標値に手間なく正確にキャリブレーションが可能。

可動域の広い新スタンドと、マグネット取付け方式で組み立てが不要になった遮光フードが付属する。

ディスプレイを右回り90度に縦回転させたピボット表示も可能。表示方向の回転は出力側の機器で設定する。

主なスペック

パネルは27型2,560×1,440ドットのIPS(アンチグレア)。バックライトは広色域LED。視野角は水平/垂直178度。輝度は350cd/平方m。応答速度は13ms。色域はAdobe RGBカバー率99%、DCI-P3カバー率98%。

外形寸法は638×415.9〜570.9×265mm、重量は約10.3kg(スタンド込み。横表示時)。VESA規格の取り付けにも対応する。

飯塚直

(いいづか なお)パソコン誌&カメラ誌を中心に編集・執筆活動を行なうフリーランスエディター。DTP誌出身ということもあり、商業用途で使われる大判プリンタから家庭用のインクジェット複合機までの幅広いプリンタ群、スキャナ、デジタルカメラなどのイメージング機器を得意とする。