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モノクロ+カラーのデュアルカメラを採用 HUWEI nova 3

4つのカメラを搭載 AIによるシーン認識も

10月2日、ファーウェイ・ジャパンは新たなスマートフォン「HUAWEI nova 3」を発表。カメラ機能を強化しながらも、若者や女性層をターゲットに比較的価格を抑えているのが特徴だ。上位モデルのHUAWEI P20と同じく、カラーとモノクロのデュアルカメラ構成。

本体カラーはアイリスパープル、ブラックの2色。販売は同社直販サイトや家電量販店に加え、多くのMVNO経由でも販売される。価格は5万4,800円(税抜)。発売は10月5日となっている。

メインカメラ(アウトカメラ)にはモノクロセンサー(約2,400万画素)とカラーセンサー(約1,600万画素)を独立して搭載したデュアルカメラ構成。P20ではそれぞれ約2,000万画素(モノクロ)と約1,200万画素(カラー)のセンサーを搭載していたので、画素数自体は向上している。モノクロセンサーは受光感度が高く、カラーセンサーと組み合わせることで、より高画質化を狙える。

ただし、レンズの明るさはP20がカラーF1.8、モノクロF1.6なのに対し、nova 3はどちらもF1.8とやや暗い。加えてライカとしての画像処理や画作り、レンズの設計があるため、P20の方が総合的には画質は上だろうし、ファーウェイ側の認識もそのようだ。

それでも、受光感度がカラーセンサーに比べて300%のモノクロセンサーを併用することで、感度やダイナミックレンジ、精細さの面で有利になる、というのがメリットだ。

SoCにはKirin 970を搭載。これはP20に搭載されているものと同じ最新のもので、メモリ4GB、ストレージ128GBと十分。さらにKirin 970にはNPU(Neural Network Processing Unit)が搭載されており、AI処理がより高速化されている。

これを活かしたシーン認識が大きな特徴で、メインカメラの場合はP20の19種類より多い22種類のシーンを認識し、最適な設定で撮影してくれる。水平線などを認識すると自動でデジタル水準器を表示するAIアシストといった機能も備えているが、P20に搭載されている手持ちで4秒の長秒時撮影を可能にするAI手ブレ補正はnova 3にはないようだ。

シーン認識では猫と犬の区別もできるという。

P20に対して優れているのはインカメラだろう。P20にはなかったデュアルカメラを採用。200万画素のカメラは測距用のため、直接画質への影響はないが、人物の認識などで効果を発揮しそうだ。

また、インカメラでもAIが動作して8種類のシーンを認識する点も有利。AIセルフィー機能として、人の顔に露出を合わせつつ、背景の花や緑などの色を鮮やかに表現することでより自然な補正が可能。さらに色かぶりも防いでくれるという。人の顔に対して疑似的なライティング効果を適用する、3Dライティング機能も搭載する。顔の輪郭をより正確に認識できるようになった点もポイント。

ビューティーモードも搭載しており、より自然な印象で人の顔を補正する。特に人の肌は50以上の国で5,000人以上を研究して色味を設定しているとのことで、このあたりも自然な肌色の表現に繋がっているようだ。肌の明るさや質感の変更も可能で、人肌研究の成果によって自然な補正になるという。

インカメラにはリアルタイム処理のHDR Pro機能も搭載し、逆光などで人物と背景の輝度差が大きくても、適切な露出で撮影してくれる。P20に比べて、HDR ProやAIセルフィーといったインカメラ機能がnova 3には多いので、セルフィーを多用するような若者や女性にとっては十分選択肢になるだろう。

人の顔と背景の明るさを最適に設定してくれるHDR Pro機能も利用できる。

発表会でも、カメラ機能はまずインカメラから紹介されており、どちらかというとインカメラをより強く打ち出しているようだ。

発表会では、インカメラの2,400万画素が2×1.5mのポスターに印刷できる「ポスター級セルフィー撮影」と表現されていたが、さすがに大げさだろう。スライドには「72ppiで計算」とあるが、この大きさのポスターで72dpiはちょっと解像度が足りない。

ディスプレイはアスペクト比19.5:9という縦長の約6.3インチ液晶(FHD+)を搭載。画面上部に切り欠き(ノッチ)があるが、端末の端までディスプレイが広がるフルビューディスプレイを採用している。

3,750mAhの大容量バッテリーやUSB Type-Cによる急速充電、対応ゲームの動作がより快適になるGPU Turbo、同じWi-Fiネットワーク内のHUAWEI製端末で音楽を同期して再生できるHUAWEI Party Modeなどの機能も搭載する。

DSDV(デュアルSIM/デュアルVoLTE)に対応し、今後のアップデートでau VoLTEにも対応するなど、ネットワーク面も充実している。

小山安博

某インターネット媒体の編集者からライターに転身。無節操な興味に従ってデジカメ、ケータイ、音楽プレーヤー、コンピュータセキュリティなどといったジャンルをつまみ食い。軽くて小さいものにむやみに愛情を感じるタイプ。デジカメ、音楽プレーヤー、PC……たいてい何か新しいものを欲しがっている。