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ライカダブルレンズ搭載SIMロックフリースマホ「Mate 10 Pro」発表会レポート
AI演算用NPUが撮影シーンを分析、絶妙なバランスで判断・表現
2017年11月29日 11:08
ファーウェイ・ジャパンは、SIMロックフリースマートフォン「Mate 10 Pro」を12月1日に発売する。価格はMate 10 Proが税別8万9,800円、Mate 10 liteが税別4万2,800円。
Mate 10 Proは、メインカメラとしてLeicaブランドのF1.6ダブルレンズカメラを搭載したほか、IP67等級相当の耐水・防塵性能を有する。また、SoCにはファーウェイ独自のチップセット「Kirin 970」を採用している。
Kirin 970には、ローカルでAIによる演算に特化した「NPU」(Neural-network Processing Unit)が組み込まれており、システムのリソースを効率よく配分することで、アプリのレスポンスや電力消費効率の向上に寄与する。撮影機能においては特に、リアルタイムの被写体認識と自動撮影設定に活用されるという。ニューラルネットワークは、ヒトの脳神経回路網を模した機械学習の一分野。
被写体認識の機械学習には、1億枚以上の画像を使用したとしている。なお、AIによる被写体認識や自動設定機能は、シャッタースピードやホワイトバランス、ISO感度などを手動設定できる「PROモード」では無効になる。また、各被写体を認識してカメラ設定を変更するにあたって、具体的にどのような設定変更がそれぞれ行なわれるのかは非公開だという。
11月28日に開催された発表会では、プロフォトグラファー/ビデオグラファーの久高将也さんが登壇し、Mate 10 Proで静止画を撮影した場合の所感を語った。
久高さんは、AIによる被写体認識性能について言及。自動補正によって、マニュアルでの設定が難しいシーンでも、適切に補正されることを高く評価している。
「例えば明暗差のあるシーンで、普通なら黒つぶれしてしまうようなシャドー部分を起こしつつ、空の青さを残す、といったことをやってのけます。こういうシーンは、従来ならマニュアルで設定を変えて対応していたので驚きました。AIがカメラの見ている風景を絶妙なバランスで判断してくれる。ぼくならこう撮るだろう、という絵になっているんです。撮る側は特に意識をせずに、プロのアシストを受けているかのような写真が撮れてしまうのが凄いです。実際に使ってみて、初めてその凄さがわかりました」
「カメラが『夕日の風景である』と判断し、夕日が美しくなるように露出を調整して、奥の山並みの黒を締めながら、水面に映る夕日の赤を強調してくれています」
「この山道は露出が難しいシーンです。奥が明るくて、手前が暗い。それでいて空も見えている。従来のオートなら手前だけ異様に明るくなってしまうところですが、Mate 10 Proでは、実際にぼくが『撮りたい』と思うようなバランスに自動で調整してくれています」
「料理の写真ですね。この写真を撮ったレストランは照明を抑え気味で、決して良い光源の状態ではなかったのですが、試しに撮ってみると、ブレを抑えつつも、適切な明るさと色合いで写してくれました。シャッタースピードで言えば1/4秒とか1/8秒とか、そのくらいのはずですが、ほとんどブレていません」
「夜景を手持ちで撮ってみました。ブレもないし、水面に映る色もよく再現されていますね。スライドだとわからないのですが、他社製スマートフォンのカメラだと、暗部に結構ノイズが乗ってしまっているんですが、Mate 10 Proの写真ではそれより状態のよい、きれいな黒で写っています。これはF1.6というライカレンズの明るさも効いているはずです」
「写真を撮るときに"考えずに済む"ことのメリットは、シャッターチャンスを逃さないことです。スマートフォンでこれができることによって、場合によっては一眼レフカメラやミラーレスカメラよりも良い写真が撮れる可能性がかなり高くなったと思います」