オリンパスZUIKOレンズ 写真家インタビュー

開放F1.2でしっかりした描写 滑らかなボケが立体感を生む…コムロミホさん

M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO

山道を進むと、大志集落を望むこの場所にたどり着く。まるでスイスのような美しい情景だ。開放F1.2ながらも奥に見える家や山肌は正確に解像している
OM-D E-M1 Mark III / M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO / 17mm(34mm相当) / 絞り優先AE(F1.2・1/4,000秒、-0.3EV) / ISO 200 / WB:晴天

オリンパスZUIKOレンズを使う写真家に、作品表現でのポイントや使い勝手をお聞きする本企画。

今回は当サイトでもおなじみのコムロミホさんに、旅先でのスナップの楽しさについてお聞きしました。「M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO」による作品もご本人の解説付きで掲載しています。

コムロミホ
文化服装学院でファッションを学び、ファッションの道へ。撮影現場でカメラに触れるうちにフォトグラフィーを志すことを決意。アシスタントを経て、現在は広告や雑誌で活躍。街スナップをライフワークに旅を続けている。カメラに関する執筆や講師も行う。またYouTubeチャンネル「写真家夫婦上田家」でカメラや写真の情報を配信中。

M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO

写真にのめり込むようになったきっかけは?

写真は私が出会ったワンシーンを形として残せる唯一の方法なので、写真を見返せば、その瞬間の出来事や空気感、臨場感をまた味わうことができます。そして、それをいろんな人と共有できるところが写真の面白いところだと思います。

また写真を通して、さまざまな人と友達になりました。カメラ仲間や被写体になってくれた人、撮影現場で出会った人、カメラを通していろんな人と交流することができます。カメラをやっていなければ、こんなにたくさんの方々と出会えなかったと思います。カメラはわたしにとって、コミュニケーションツールの一つなのです。

現在の主な写真活動は?

海外へ出かけて、旅スナップを撮り歩いていますが、コロナ禍の影響で出来なくなってしまいました。その分、家の近所を撮影してみたり、国内のいろいろなところを回ってみたり、今までカメラを向けなかったような被写体に出会えたり、身近に素晴らしい場所がたくさんあることに気づかされました。国内を快適にまわろうと、キャンピンカーを購入したり、キャンプをしたり、コロナでも写真活動を楽しんでいます。

写真撮影の楽しさ・奥深さとはなんでしょう

同じ被写体でも光やカメラの設定、アングル、構図が変わると、被写体の見え方や写真の伝わり方が変わるところが面白さを感じています。撮影者によって、見え方や捉え方が変わるので、自分なりの解釈をして、被写体をドラマチックに表現しようと心がけています。

五色沼湖沼群の1つである毘沙門沼。手前に咲いている花を前ボケにして奥に見えるボートにピントを合わせた。前ボケを利用することで、写真に奥行きを加えた
OM-D E-M1 Mark III/ M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO / 17mm(34mm相当) / 絞り優先AE(F1.2、1/8,000秒、-0.7EV) / ISO 200 / WB:晴天

スナップにおける単焦点レンズの魅力とは?

一つの焦点距離でしか撮影できないという縛りが、いろんな想像力を膨らませてくれます。頭の中にフレームを描きながら、街を歩き、被写体を見つけてからシャッターを押すまでに、どの距離でどの方向からどの角度で狙おうかを瞬時に考えながらスナップをしています。

ズームレンズは便利ですが、被写体に出会ったときに広角側で撮ろうか望遠側で撮ろうか悩んでしまうと、それだけでシャッタータイミングがずれてしまいます。単焦点レンズを使用するときはフットワークを軽くして、スナップするようにしています。

ボケ表現を取り入れる時に気をつけていることを教えてください

その場の何を伝えたいかによって、ピントの位置を決定するようにしています。主被写体以外をぼかすことによって、伝えたいことがより伝わりやすくなりますし、写真に立体感が出やすくなります。

ただ、私はあまり背景がボケすぎないように心がけています。背景がぼけ過ぎてしまうと、その場の状況がわかりにくい場所になってしまうので、被写体だけでなく、背景の情報が伝わりやすいボケ感が好きです。

「M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO」は開放F値でも被写界深度がある程度深いので、F1.2で撮影しても背景が伝わりやすいので気に入って fいます。

磐梯吾妻スカイラインを抜けると、まるでアリゾナのような広大な絶景である浄土平に到着。F3.5まで絞ると圧倒的な解像感で山肌のディテールを見事に再現
OM-D E-M1 Mark III / M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO / 17mm(34mm相当) / 絞り優先AE(F3.5、1/6,400秒、-0.7EV) / ISO 200 / WB:晴天

オリンパスOM-Dシステムで気に入っているところは?

どんな状況でもコンパクトに撮影できる点が気に入っています。強力な手振れ補正のおかげで、三脚がなくても滝を撮影できたり、防塵・防滴なので、悪天候の中でも安心して撮影することができます。

そして、電子シャッターを使用すれば、1/32,000秒の高速シャッターが可能なので、F1.2と明るいレンズでも安心して使用することができます。

水の流れをぶらして表現するためにシャッター速度は1秒に設定。強力なボディ内手ぶれ補正のおかげで、手持ちでも気軽に長秒撮影にチャレンジできるところがうれしい
OM-D E-M1 Mark III / M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO / 17mm(34mm相当) / シャッター速度AE(F7.1、1秒、-1.0EV) / ISO 200 / WB:曇天

「M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO」の特徴や使い所など教えてください

開放F値からピント面をシャープに表現してくれていて、ボケも滑らかな印象です。そのため、写真に立体感がうまれます。そのため、開放のF1.2で撮影することがほとんどです。

そして、風景や遠景、建物を撮るときはF2.8で使用するようにしています。画像全体をシャープに表現できて、被写体のディテールも細かく、表現することができます。

絞りをF1.2に設定してコスモスにぐっと近づき撮影。近接することでとろけるような美しいボケを引き出せるだけでなく、遠近感がつき、一輪だけを際立たせることができた
OM-D E-M1 Mark III/ M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO /17mm(34mm相当) / 絞り優先AE(F1.2、1/2,500秒、±0.0EV) / ISO 200 / WB:晴天

デジタルカメラマガジン最新号にコムロミホさんが登場!

デジタルカメラマガジン2020年12月号の連載「日本列島ZUIKOLENSの旅」に、コムロミホさんの記事が掲載されています。

47人の写真家が47の都道府県を巡るというこの連載で、コムロさんは故郷の福島県を訪れました。「M.ZUIKO DIGITAL ED 17mm F1.2 PRO」についてのインプレッションやテクニックも紹介しています。

協力:オリンパス株式会社

デジカメ Watch編集部