編集後記

2021年12月10日

宮澤孝周

師走はかけめぐる月。いつからこのような表現が使われるようになったのかはわかりませんが、気がつけば今年ももうあと3週間しかないのだと、今週の「カメラバカにつける薬 in デジカメ Watch」公開に際して実感させられました。

先週はポートレート撮影のロケがあったり等で文字通り駆け回っておりました。そんな折、ハッセルブラッドより、あの限定モデルに触れる機会をいただきました。いま、その感触を伝える記事をまとめているのですが、まさに工芸品という表現がぴったりくるモデルだと感じました。

「907X アニバーサリー エディション キット」です。CFV II 50Cと907X 50C、XCD 3,5/30に加え、コントロールグリップと光学ビューファインダーが同梱されたフルセットであるということもありますが、税込で195万8,000円ものシステムを持ち歩くのは怖さと楽しさが半々くらいの感覚でした。

そもそも世界限定で800個しか生産されないモデルですから、よもや手にする機会があろうとは思っていなかっただけに嬉しい巡り合わせでした。ただ使用していくにつれ、その価格に納得させられていったことも確か。冒頭にも記したように「工芸品」という感想を抱くほど、本モデルには細部にわたってコダワリが詰め込まれていました。このあたりは後日詳細記事にてお伝えできればと考えています。

通常モデルも楽しさの詰まったモデルでしたが、本限定モデルの楽しさ・面白さはまた別のところにあるのだということも見えてきました。そうしたフィーリング面についてもあらためて詳しくお伝えしていければと、現在準備を進めています。

量販店等でも予約がはじまっており、ハッセルブラッドストア東京でも抽選販売が実施されました。ストアへの問い合わせ等も多数寄せられているとのことです。

ところで年末に向けて特別記事の用意も進めています。だからというわけではありませんが、あらためてレビュー記事の在り方を考えています。中庸なレビューは一見公平なように見えて踏み込みが足りないと感じることが往々にしてあります。が、踏み込みが過ぎると、どうしても私見がはいってきて、ともすれば私情に偏ったものになってきます。一方で撮り手の経験や知見があってこそのレビューという側面もありますから、どこにポイントを置くかで内容も大きく様変わりしてきます。ただどのようなアプローチになるにせよ、その製品でこれから何ができるようになるのか、どのような体験をもたらしてくれるのか、ということを伝えようとしているのは共通していると思いますので、各執筆人のそれをしっかりとお伝えしていけるようにということを念頭に考えています。

何はともあれ、年末も目の前。新機種も出揃ってまいりましたので、いっそう楽しんでいただける記事を充実させていくべく奔走している現在です。