編集後記

2021年11月5日

鈴木誠
この鏡筒デザインを尊重して45mm F2.8Pっぽくしたいのですが、ちょうどいいフードがないので、ひと工夫してHN-3を付けています。HN-2より深いですが、広角端でもケラれませんでした。

最近、メガネに興味を持って調べています。私は強めの近視なので常時メガネ(コンタクトは未経験)なのですが、どうしても「よく見えなくなってきたから買う」といった具合で、楽しい買い物ではありませんでした。しかしメガネも立派なレンズですから、カメラのレンズと同じぐらいにはこだわってもよいのではないかと。例えば、何年も使っているメガネレンズは、ヤケを起こして透過率や色に不安が出てきます。いわゆる“アトムレンズ”でもない限り、レンズの黄変は嬉しいものではありません。

それで新しくメガネを1本作ってみたところ、数年前に買ったメガネに比べて、街や夜の点光源が眩しいぐらいに明るく、つまりヌケが良いのです(レンズメーカーは前と同じ)。眼鏡店で聞いたところ、近年のメガネレンズの進化ポイントは主にコーティングらしいので、経年変化を差し引いてもその進化を体感できているのかもしれません。これならば、おしゃれ目当てで2年に1本ずつぐらい新しいメガネを買ったとして、本来のメガネの機能としても好都合だなあと気づいたのでした。時間がかかりました。

・ニコン新社屋ビルの建設計画(11月4日)
10月28日に発表されたフラッグシップ機「Z 9」が歓迎される中、活況を印象づける絶妙なタイミングでの発表でした。“ゆかりの地”という繋がりでは、ライカカメラ社が本社をウェッツラーのライツパークに移した2014年を思い出します。試作機「ウル・ライカ」が“1914年誕生・現存1台”ということになったのも、その頃だったと記憶しています。

ライツパークは完全に新しい場所に作られましたが、大井製作所の新本社はニコンの中心的施設があった場所として、ひときわ感慨深いのでは。何らかの記念碑が建ったり、床にかつての建物をモチーフにした「E」の形があしらわれるとか、そういうことを考えてしまうのは“カメラおじさん”の証かもしれません。ともあれ、完成の暁にはZ fcを提げて訪れたいです。