編集後記

2020年10月16日

宮澤孝周

X-H1+XF16-55mmF2.8 R LM WR(31.1mm:47mm相当)・マニュアル露出(F11・0.5秒・-1.7EV) ISO 200

X-S10が発表されましたね。筆者は富士フイルムのXシリーズを使用していますが、Pro系やT系(一桁と二桁)の歴代機をとっかえひっかえ使用してきた結果、X-H1におちつきました。大きく重いという点をネックだと捉える意見が多く聞かれますが、X-T4と併用している現在も、X-H1を利用する頻度は変わりません。

では、X-H1をどのような時に使っているのかというと、長時間に及ぶ取材シーンが多い状況です。基本的にXF16-55mmF2.8 R LM WRとの組み合わせで運用していますが、ストラップなしで握っていても持ち疲れがしづらいところがポイントだと思っています。

と、この大型グリップの魅力とX-T4なみのフォーカス性能が得られるというX-S10。豊田さんが新製品レビューで触れているとおり、いまの富士フイルム機の良さが凝縮された、ほんとうに使いやすさが詰まったモデルだと思います。

冒頭の写真は晩夏に滝を撮ったものです。X-H1とXF16-55mmF2.8 R LM WRの組み合わせ。30mmあたりで撮っていますが、シャッタースピードは0.5秒。できるかなと思いながら試してみたのですが、手持ちでもいけたことに、筆者自身が驚いています。これは新しい体験でした。

X-H1の発売は2018年のこと。2020年に登場したX-T4でIBISが小型化したばかりだというのに、さらに小さくなったとのことで、わずかな時間での技術の進歩はすさまじいばかり。手ブレ補正機構は各社も搭載していますが、咄嗟の撮影でも工夫すれば撮れるシーンが広がったのは、やはり近年の大きなトピックではないでしょうか。次はどんな変化が生まれるのか、楽しみです。