当世プロサービス事情

SIGMA PROFESSIONAL SERVICE(SPS)

SIGMA PROFESSIONAL SERVICE(SPS)を担当する株式会社シグマ・マーケティング部の桑山輝明さん(左)、カスタマーサポート部の森田佳江子さん。

シグマにプロサービスがある、と言っても半信半疑の人もいるだろう。それもそのはず、プロサービスを開始してまだ1年ほどしか経っていないこと、プロサービスという性格上、大々的に一般に告知していないことなどから、広く認知されるに至っていないからである。プロサービスの名称は「SIGMA PROFESSIONAL SERVICE」(以下SPS)。そのサービスの内容や今後の展開など株式会社シグマ・マーケティング部の桑山輝明さん、カスタマーサポート部の森田佳江子さんにお聞きした。

歴史と組織

SPSの設立は2017年7月。シグマはArtシリーズに属する大口径の単焦点レンズやフォビオンセンサー搭載のミラーレスおよびコンパクトデジタルカメラが広く人気だが、これらのプロユーザーが多くなりつつあった時期と重なる。「メーカーのサポートがないのは不安」というプロユーザーの声に応える形でプロサービスをスタートした。形式的にはカスタマーサポートの一部門ということになるが、様々な生の声が得られるためマーケティング部も関与するとのことである。なお、SPSのサービスは今のところ日本国内のみ有効としている。

川崎市にあるシグマ本社。都心部にプロサービスの窓口も含む拠点を現在検討中とのこと。

修理・点検など

現在のところSPSの窓口は川崎市にあるシグマ本社のみであり、ここで機材の相談や修理の受付を行うが、直接窓口に足を運べない会員への相談などは電話もしくはメールで行っている。機材の修理および点検の申し込みは電話やメール以外に会員専用のページからも行える。その際、窓口に持ち込むか、宅配便で配送、あるいは宅配便の引き取りサービスの選択ができる。メールヘの返答はレスポンスのよい対応ができるよう担当者間で共有しているという。

さらに修理および点検の場合、代替品を希望される会員には、先に製品を送り、受け取り後に同社に修理品を送り返すようにしてもらっているとこのと。返却も同様で、先に会員に修理完了品を送り、受け取り後に代替品を会員が送り返すようにしてもらっている。これは「なるべく機材のない時間を少なくするための工夫」とのことだ。

また、代替品の送料はすべて同社が負担するという、会員にとって負担が極めて少ないサービスである。 ちなみに修理代は通常の価格の40%引き、イメージセンサーの清掃に関しては無料である。

また、購入検討する会員向けに試用機材を貸し出しする「試用機材貸し出しサービス」を近い将来開始する予定だという。さらに会員向け優待販売も SPSのサービスのひとつ。直接問い合わせが必要で、割引率などはモデルによって異なるが、「使っていただく機会を増やすのもプロサービスの役割のひとつ」と同社では考えているので、イベントや内覧会の開催なども検討しているようだ。

SIGMA PROFESSIONAL SERVICE(SPS)公式ページ

入会条件・費用

会員になる条件と しては、 シグマ製のカメラまたはレンズをあわせて3機種以上所有し、撮影業務を生業としていること。また、成果物として撮影者名がクレジットに入った雑誌など2つ以上を提出する。なお、日本写真家協会や日本広告写真家協会な どの職業写真家団体に所属している会員は、成果物の提出は免除される。そのほかとしては免許証のコピーと団体会員であればその会員証のコピーも提出する。入会申し込み用紙は、同社ホームページからダウンロードが可能。

情報提供

会員にはメ ールにて随時情報を提供するとのこと。内容としては、新製品の案内や、新ファームウェアの公開情報など。会員向けのイベントや内覧会などの情報も発信していく予定。

会員証・プロストラップ・オリジナルグッズなど

会員には、現在仮会員証が発行されているが、まもなく本会員証が、配布される予定。サイズはクレジットカードと同じ。プロストラップやオリジナルグッズのようなものは現在ないが、こちらも今後会員の声を参考にしながら展開していく予定とのこと。

SIGMA PROFESSIONAL SERVICE(SPS)

入会費

2,000円(税別)

年会費

6,000円(税別)

主な入会条件

シグマ製のカメラおよび レンズをあわせて3台(本)以上所有すること、写真を生業とするカメラマンであること

主なサービス内容

登録機材の無料点検
修理料金の割引(通常価格より40%引き)
修理期間中の代替機貸出(すべての送料はSPSが負担)
購入検討機材の「試用機材貸し出しサービス」 (近日開始予定)
機材の優待販売
各種情報の提供

大浦タケシ

(おおうら・たけし)1965年宮崎県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、二輪雑誌編集部、デザイン企画会社を経てフリーに。コマーシャル撮影の現場でデジタルカメラに接した経験を活かし主に写真雑誌等の記事を執筆する。プライベートでは写真を見ることも好きでギャラリー巡りは大切な日課となっている。カメラグランプリ選考委員。