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中之島にオープンした「キヤノンプラザ大阪」レポート

梅田から移転 EOS学園の大阪校も

キヤノンプラザ大阪のショールーム

キヤノンの新拠点「キヤノンプラザ大阪」が5月29日にオープンした。ここではショールームおよび先行オープンしていた「EOS学園」大阪校の模様をお伝えする。

キヤノンプラザ大阪は、2017年4月に開業した中之島フェスティバルタワー・ウエスト(大阪府大阪市北区中之島3-2-4)にオープン。1階にショールームやサービスセンター(10時〜18時営業、日曜・祝日休館)、23階にEOS学園およびプロサポート窓口を設けた。

中之島フェスティバルタワー・ウエスト
キヤノンプラザ大阪の入口

キヤノンのパーソナル製品を展示する「キヤノンデジタルハウス」では、カメラで撮影してからプリンターやテレビに出力して楽しむまでの一連を紹介。コンパクトデジタルカメラから一眼レフカメラの最上位機まで、自由に手に取れるようになっている。

ミラーレスカメラのEOS Mシリーズ
一眼レフカメラの試用コーナー。憧れの高級機が並ぶ
鉄道模型の追尾撮影や、小物を使って大口径レンズのボケを生かした試写ができた
交換レンズを試せるコーナー

取材日には、プリンターのある楽しさを体感できる「オリジナルエコバッグ制作体験」が開催。持参した画像をエコバッグにアイロンプリントし、記念品として持ち帰れた。常設のプリント体験コーナーなどと併せ、こうした出力の楽しさを伝えるイベントも随時行っていくという。

持参した写真をパソコンにコピー
DPPで色合いを整えて、PIXUSでTシャツ転写紙にプリント
アイロンで熱転写する。好みで飾り付けも可能
裏紙を剥がすと、オリジナルのエコバッグが完成
本格的なお試しプリントのコーナー
キヤノン製カメラと連携するCS100を使って、テレビで写真を楽しむ提案
フォトブック作成サービス「PhotoJewel」のサンプル展示
水滴に被写体を写しこむ"しずくフォト"を随時体験できるコーナーも

また、キヤノンギャラリー大阪も1階のフロア内にオープン。週替わりで写真展を開催する。

キヤノンギャラリー大阪も同フロアに
6月7日まで岩宮武二写真展「結界の美+かたち」を開催中

館内では、FRONTEOコミュニケーションズの人工知能搭載ロボット「Kibiro」が働いていた。現在の担当業務はショールームの概要説明だが、将来的には来場客との対話でカメラ選びをサポートするなどの可能性も秘めている。

人工知能搭載ロボットのKibiro
現在は、ショールーム奥のセミナースペースが持ち場
壁面にずらり並んだ「EOSシステム誕生30周年」の展示。1987年の「EOS 650」から現行の「EOS 5D Mark IV」まで

23階には「EOS学園」大阪校

東京・名古屋でも開校している「EOS学園」の大阪校が、同じビルの23階に入る。プロサポートの「CPS」(キヤノンプロフェッショナルサービス)と隣接した部屋で、こちらも1階ショールームと同様に梅田から移転してきた。教室数や講座ラインナップといった基本部分はそのまま引き継いだというが、キヤノンプラザ大阪に移転したことで日曜も開講できるようになったのが新たなポイントだ。

EOS学園とはキヤノンの一眼レフカメラユーザーを主な対象とする写真教室で、「キヤノンフォトサークル」の会報誌においてEOSシリーズの使いこなしを紹介していたコーナー「EOS学園」から発展し、1991年に写真教室として正式開校した。それまでは営業終了後のギャラリーにイスを並べるなどして、まさに手作りの雰囲気での講座が行われていたという。現在では、カメラメーカーの運営する写真教室として誰もが知る存在だ。

キヤノンの一眼レフカメラを購入すると、EOS学園の案内用紙が入っている。カメラの基本操作からプリントを楽しむところまで学べるとあって、最初は「初心者のためのEOS使い方講座」(全1回、税別3,000円)から興味を持つユーザーが多いという。また、撮影テーマと講師が決まった「テーマ別講座」(全5回、税別3万円程度)をきっかけに、講師のファンである経験者がピンポイントで受講することも少なくない。リアルな場での講座の魅力には、他の生徒の撮影スタイルや作品講評からも多くを学べる点もある。

EOS学園大阪校の担当者曰く、東京校では多様なテーマ別講座が人気だが、名古屋校や大阪校では7〜9回で完結する「撮影上達講座」(全7回、3万円前後)や「ゼミナール」(全9回、4万円前後)の人気が根強いという。特に大阪校には様々な被写体について1人で指導できる講師が多いそうで、基本の講座に出ているうちに幅広い撮影実習も経験できてしまうのだという。それには、いろいろな撮影スポットに短時間でアクセスできる大阪という地の利もメリットだそうだ。

キヤノンフォトサークルには地域ごとの「キヤノンフォトクラブ」もあり、それぞれのグループで例会や撮影会を開催。撮影旅行に出かけたり、グループ展を開催したりという活動も盛り上がっているという。

教室にはノートパソコンが組み込まれた机が並び、壁際にはキヤノンのプリンターが並ぶ。デジタルカメラ全盛の現在だが、教室の後方にはスライドプロジェクターも用意されており、銀塩写真のことも忘れていない。教室前のスペースにはカメラ専門誌やカタログが用意され、1階のショールームに下りれば写真展や新製品も見られる。キヤノン製品の愛用者にはまさに理想的な環境と言えるだろう。

本誌:鈴木誠