当世プロサービス事情
FUJIFILM Professional Service（FPS）
2018年8月16日 07:00
FUJIFILM Professional Service（以下FPS）は、富士フイルムのデジタルカメラ、GFXシリーズまたはXシリーズを使うプロのために設けられた会員サービスだ。
関東地方で窓口があるのは、東京・丸の内のFUJIFILM Imaging Plaza内。ここは4月28日、GFX/Xシリーズのブランド発信拠点として開設された施設だ。これまで都内になかった点検設備を備えるなど、GFX/XのプロサービスであるFPSが拠点を構えるのにふさわしい場といえる。
FPSの現状やコンセプトなどを、富士フイルムイメージングシステムズ株式会社の木内格志さんに聞いた。
歴史と組織
FPSが開設されたのは2016年4月と意外に最近だ。X-Pro2、X-T2といった機種が発売された年であり、プロフォトグラファーへのXシリーズの浸透が顕著になりつつあった時期にあたる。
日本国内だけの会員組織で、海外では現地の販売会社がそれぞれ同様のサービスを組織している。いまのところ海外のプロサービスとの連携はなく、FPS会員が海外のプロサポート窓口に赴いても、日本と同じサービスが受けられるわけではない。
修理・点検など
アフターサービスに重点を置いたとのことで、修理割引や代替機の貸出はもちろん、特筆すべきは、「Xメンテナンスプロ」と呼ばれる点検サービスを、年1回無料で受けられることだ。
「Xメンテナンスプロ」は、アマチュア向けの点検サービス「Xメンテナンス」の強化版。「Xメンテナンス」がセンサー清掃、外装清掃、動作点検といった一般的な作業に留まるのに対し、「Xメンテナンスプロ」では、シャッター回数点検、AE露出精度点検、レベル（水平）点検、光学性能点検（レンズの場合）など、追加で8項目の高度な点検が提供される。1回あたり3,000円（Xシリーズ）で提供されているこのサービスを、FPS会員は年1回、無料で受けられるのだ。
こうした点検作業が発生すると、従来は修理専門のセクションに点検機材を送付していた。しかしFUJIFILM Imaging Plazaが立ち上がった6月からは、都内での即日点検が可能になった。つまり、持ち込んだ当日での点検完了も期待できる。
代替機や貸出機材についても十分な数を揃えたとし、アポなしでふらっと立ち寄ったとしても、対応してもらえる可能性が高いのはありがたい。
修理代金の割引率は50％。修理期間中における代替機の貸出ももちろんある。とにかく「プロの仕事の支障がないように」がテーマとのことだ。
修理・点検の受付はFUJIFILM Imaging Plazaの他に、東京、名古屋、大阪、福岡の各サービスステーションでも受け付けている。中でも名古屋サービスステーションは、今年6月2日に開設されたばかり。業界的に拠点が縮小される傾向にありながら、地方のプロフォトグラファーには心強いだろう。
条件・費用など
会員になる条件としては、GFX/Xシリーズ機材の所有に加えて、「撮影業務を主たる生業としていること」とある。ただし本業はOKで副業はNGなのか、あるいは（自営業ではなく）企業・団体に属していてもOKなのか……といった複雑な諸条件については、面談の上で判断が下されるとのこと。
最近の会員動向としては、動画に携わる新入会員が増えてきたという。また、報道分野の会員も増えているとのことだ。
なお入会金が無料なのは、この手のサービスとしては珍しい。
情報提供
会員にはメールで随時情報を提供している。内容は新製品の発表、新しいファームウェアの公開、不具合情報など。新製品発表会に会員を招待したこともあった。
会員証・プロストラップ・オリジナルグッズなど
会員証は他社のプロサービスと同様、クレジットカードサイズのもの。
プロストラップもある。ちょうど新しいストラップに切り替わる予定で、これまでは幅の狭いタイプのストラップをベースにしていたが、今後はGFX 50SやX-H1に同梱される幅広のものをベースにデザインしたという。現在制作中で、会員に順次送られるとのことだ。
FUJIFILM Professional Service（FPS）
入会費
無料
年会費
5,000円（税別）
主な入会条件
Xシリーズボディ1台+レンズ2本以上、またはGFXボディ1台+レンズ1本以上を保有
主なサービス内容
修理料金の割引
修理期間中の代替機貸出
精密点検サービス（年1回）無料
購入検討機材の試用貸出
新製品情報などのメール連絡