当世プロサービス事情

PENTAX RICOH Service Professional(PRSP)

PRSPを担当するリコーイメージング株式会社カスタマーコミュニケーション部の狩野学さん(左)と、同じく原清文さん。

リコーとペンタックス、2つのカメラブランドを展開するリコーイメージング。今年に入りプロサービスのリニューアルが図られた。それにより名称も「PENTAX SERVICE PROFESSIONAL」(以下PSP)から「PENTAX RICOH Service Professional」(以下PRSP)に変更されている。新しいプロサービスの内容や今後の展開などリコーイメージング株式会社カスタマーコミュニケーション部の原清文さんと、同じく狩野学さんにお聞きした。

歴史と組織

PRSPがスタートしたのは2018年4月。それまで同社のプロサービスはペンタックスとの合併以前からあるPSPであった。ちなみにPSPは1997年に開設。それ以前ペンタックスには「プロ作家相談室」というプロサービスがあり、PSPはそれを発展させたものと言ってよい。当時ペンタックスには中判フィルム一眼レフカメラの67シリーズと645シリーズ、35mmフィルム一眼レフカメラのLXなどラインナップしていた。

時代がデジタルとなってもPSPは継続してきたが、先のリコーイメージングとの合併により状況が変化。リコーブランドとしてデジタルのGRシリーズやTHETAシリーズがあり、それらを仕事に使うプロユーザーの存在も無視できない状態となってきたのである。

ちなみに、PSPでは入会資格としてカメラとレンズの最小保有台数が決まっていたが、PRSPでは台数の制限がないなど、リコーブランドのプロユーザーでも入りやすいものとしている。

PENTAX RICOH Service Professional(PRSP)の公式ページ

修理・点検など

PRSP専用窓口というものはないが、リコーイメージングスクエア新宿、同大阪および板橋の修理サービスセンターで直接のサービスを行っている。もちろん遠方の会員の場合は電話やメールによる相談も可能だ。

なお、リコーイメージングスクエア新宿には、PRSPの担当として販売のほか開発に関わった係員が常駐するため、専門的な相談にのってくれる(電話やメールもリコーイメージングスクエア新宿で対応)。これはひとつには、販売部門と開発部門が一体になることで、今後の製品づくりにフィードバックできるからとのこと。PRSPを立ち上げた理由のひとつに、つくって売るだけでなく、ユーザーと対話し意見を聞く機会を積極的に設けたいというものがあり、そのためこのような手厚い体制になっている。

修理点検は宅配便による受付も可能とするほか、修理時の代替機は無料で提供される。また、修理代に関しては全製品通常価格の50%引き。PSP時代は30%引きだったので、大きくサービスは向上している。さらに試用目的の機材貸出やイメージセンサー清掃についても無料としている。なお、PRSPは現在のところ国内のみのサービスとしている。

PRSPの専用窓口というものは現在ないが、リコーイメージングスクエア新宿内に担当者は常駐するので、相談などはこちらに出向くとよい。

入会条件・費用

PRSP会員になる条件としては、リコーおよびペンタックスのユーザーで満20歳以上、写真撮影をメインの仕事としていることとなる。紹介者は必要ないが、基本的に面談を行ったうえで入会の可否が決定する。また、THETAシリーズなどのユーザーのなかには広告収入などを得ているYouTuberやSNSでのインフルエンサーもいるかと思うが、そのようなカメラマンが入会を希望する場合、現在のところ要相談とのことだ。入会申し込み用紙は、同社ホームページからダウンロードできる。

情報提供

現在のところ定期的なメールマガジンはないが、新製品の発表やファームアップなどは積極的に情報も発信していく予定。また、会員向けのイベントや内覧会なども今後行う可能性は高いとのこと。

会員証・プロストラップ・オリジナルグッズなど

会員証は現在製作中。会員番号や氏名の印字が終了次第配布していく予定となる。サイズはクレジットカードと同じ。プロストラップは現在つくってないが、他のオリジナルグッズも含め前向きに検討していきたいとしている。

PENTAX SERVICE PROFESSIONAL

入会費

3,000円(税別)

年会費

8,000円(税別)

主な入会条件

満20歳以上で、写真撮影を生業としていること
プロカメラマンであることを証明できるものを提示(プロ写真団体の会員証、略歴など印刷された出版物など)

主なサービス内容

修理料金の割引(通常価格より50%引き)
修理期間中の代替機貸出
購入検討機材の試用貸出
センサー清掃(無料)

各種情報の提供

リコーイメージングスクエア銀座有料写真展が無料
ペンタックスリコーファミリークラブ誌(年4回)の配布

大浦タケシ

(おおうら・たけし)1965年宮崎県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、二輪雑誌編集部、デザイン企画会社を経てフリーに。コマーシャル撮影の現場でデジタルカメラに接した経験を活かし主に写真雑誌等の記事を執筆する。プライベートでは写真を見ることも好きでギャラリー巡りは大切な日課となっている。カメラグランプリ選考委員。