熱田護の「500GP-Plus」
第8回:1996年 クルサード選手と片山右京選手
2020年11月1日 09:00
イタリアグランプリ、最終コーナーのパラボリカ撮影台からの撮影。毎回にように通うこのポジションは僕のお気に入り。俯瞰目から時速200kmくらいの猛烈なスピードで駆け抜けていくF1マシン。気合いなしにはやってられないその迫力。マシンに負けてたまるか! という気持ちで挑む1時間半、レンズを左から右にビュンビュンと振りまくります。翌日は決まって筋肉痛に悩まされます。それでもやめられません。
モナコグランプリで流し撮りに挑んだ1枚。下に写っている白いブレは高級クルーザー、上に見える青と赤のブレは観客席のスタンド。白と赤が映えるマルボロカラーのマシンは、こうしたシーンでも絵になってくれます。
ポルトガルのテスト。テスト撮影の大きな目的の1つは、綺麗な夕陽の時間帯に撮影ができることです。太陽の位置を確認してから、マシンの向きを確認、どのように貴重な夕陽を当てるのかがポイントになります。この日は斜め左からの陽を浴びて、エンジンカバーとタイヤが光って浮かび上がるように工夫しました。
1996年から2004年までマクラーレンで活躍したデビッド・クルサード選手の彼女。こんなに素敵な彼女を射止めることができるのだから、F1ドライバーって、いいですね。
1996年の第3戦、アルゼンチングランプリ。いまから考えると綺麗なサーキットだったなあと思います。リアウイングの前にある、ミドルウイング。この後ろ姿が好きでした!
1996年、唯一の日本人ドライバーとしてエントリーしている片山右京選手。注目度は依然として高く、その期待に応えようとする姿に胸が熱くなり、次こそは、次こそはと……。健闘するも前年に続いて、残念ながらノーポイントになってしまいました。ハンガリーグランプリの7位が最高位でした。
シーズン前のイギリス、サンタ・ポッドでのテスト。メインスポンサーだったNOKIAの撤退やシャーシがかみ合わないこと、マシンのセット変更やトラブルで、休憩の時間が多く、雑談に花が咲きます。まずは一休みといった感じの1コマです。
イギリスグランプリの前に、雑誌の企画で片山右京選手に密着取材したときの1枚です。朝ごはんは、ご飯と味噌汁。まだまだ、雑誌も売れていて取材費を捻出できたから、読者の皆さんが知りたいということを具体的に取材することができました。それを読んでさらにF1を分かってもらってファンになってもらう、ということができていた時代ですね。それを、いま憂いても仕方ないことなんですけど……。
マジックアワーに染まる天空を照らし出すエンジンカウル。明日のデッドヒートを目前に、この日はゆっくりとした時間が流れていきます。