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日本カメラ博物館、特別展「写真機今昔物語」を開催

カメラと写真表現の移り変わり

特別展のコーナー

日本カメラ博物館は、特別展「写真機今昔物語 ~カメラの発達と写真表現~」を4月28日から9月6日まで開催する。

所在地は東京都千代田区一番町25番地 JCII一番町ビル 地下1階。入館料は一般300円、中学生以下無料。開館時間は10時〜17時。休館日は毎週月曜(祝日の場合は翌日。5月10日までは休まず開館)。

写真を記録する感光材料とカメラの発達と、それに伴う写真表現の移り変わりを解説する趣旨の特別展。本稿では4月27日に行われたプレスプレビューの模様と、展示の一部を紹介する。

日本カメラ博物館運営委員の市川泰憲氏は同展の開催にあたり、カメラを展示しているイメージが強い日本カメラ博物館だが、今回の特別展では関連する書籍や写真も一緒に展示しているとアピールした。

写真機今昔物語 ~カメラの発達と写真表現~
日本カメラ博物館運営委員の市川泰憲氏
展示は1839年のダゲレオタイプカメラから始まる
ドイツ製と推定される八切判スタジオカメラ(1875年)

特別展の見どころとして、銀板写真や湿板写真技術について紹介した19世紀後半の写真術資料を挙げた。中を読むことはできないが、表紙を眺めていても歴史の重みが伝わってくる。

初期の写真術資料
カメラ、感光材料、写真を時代ごとに展示

現代の写真技術に関しては、エルマノックス(独エルネマン)がF2の大口径レンズでキャンディッドフォトを実現したように、高感度による撮影領域拡大がいまだ続いている点や、鳩による写真伝送がドローンの無人撮影にまで可能性を広げている点に触れた。

エルマノックス(1924年。同展の展示品、以下同)
ロールフィルムカメラの一例

カメラ機材は、例えば報道写真に用いられるカメラが、クラップカメラ、スピグラ(スピードグラフィック。米グラフレックス)、6×6判、35mmカメラ、デジタルカメラと変化していく様子が見られる。

ペースメーカー スピードグラフィック(1947年)
LIFE誌にまつわる写真とカメラ
撮影後に箱ごと現像に出す「ザ・コダック」(奥。1888年)と、同様のシステムで現在まで続く富士フイルムの「写ルンです」(手前。1986年)

また、かつてフィリップ・ハルスマンが人々のジャンプする姿を写しとめたのが、最近では女子高生が撮った“マカンコウサッポウ”と呼ばれる写真が広く流行したように、カメラ技術の助けで誰でもジャンプ写真が撮れるようになった。これもまた、カメラの発達により写真表現の可能性が広がった例だと市川氏は述べた。

同展では、会期中に「夏休み親子向けワークショップ」など、カメラや写真に親しめるようなイベントも予定しているという。併催される写真展の情報は、記事末の関連記事を参照いただきたい。

カメラを構造で分類したコーナー
特別展の図録を販売している。900円

(本誌:鈴木誠)