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富士フイルム、小型軽量ミラーレスカメラ「X-T20」

X-Trans CMOS IIIセンサーを採用 タッチ操作が可能に 4K動画も

18-55mmレンズキット(フジノンレンズ XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS)

富士フイルム株式会社は、Xマウントのミラーレスカメラ「FUJIFILM X-T20」を2月下旬に発売する。価格はオープン。店頭予想価格は、ボディ単体が税別10万5,000円前後、18-55mmレンズキット(フジノンレンズ XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS)が税別14万円前後の見込み。カラーは、シルバーとブラックの2色をラインナップする。

本製品は、2015年6月に発売した「FUJIFILM X-T10」の後継機モデル。手に馴染むグリップ形状とボディデザインを踏襲しつつ、天面にはシャッタースピードダイヤル、ドライブダイヤル、露出補正ダイヤルを配置。ドライブダイヤルに「動画」ポジションを追加したことで、瞬時に静止画撮影から動画撮影モードへの切り替えが可能となった。

また、露出補正ダイヤルに「C」ポジションを追加し、最大±5段の露出補正に対応。写真撮影の基本性能を向上させている。

撮像素子には、2016年9月に発売した「FUJIFILM X-T2」と同様のAPS-Cサイズ相当の「X-Trans CMOS III」センサー(ローパスフィルターレス)を採用。有効2,430万画素で、通常感度はISO200〜12800(拡張でISO100/25600/51200)。従来機のX-T10では、約1,630万画素、通常最高感度はISO6400だった。

最高連写速度は8コマ/秒。連続記録枚数は、83枚(JPEG)。X-T10は、最高連写速度は8コマ/秒と同等だが、連続記録枚数は、8枚(JPEG)だった。

液晶モニターには、静電式タッチパネルディスプレイ(約104万ドット)を採用。X-T10では対応していなかったタッチパネル式となっているほか、約92万ドットから約104ドットと解像度がアップしている。

直観的なタッチ操作との組合せで、ハイアングルからローアングルまでのさまざまな画角での撮影に対応した。また、「オートモード切換レバー」を「AUTO」ポジションへ切換えることで、シーンに合わせて最適な撮影条件をカメラが自動で設定する「アドバンストSRオート」となり、簡単に高画質な写真が撮影できるという。

多彩な色調表現が可能なフィルムシミュレーションには、「ACROS」モードを新たに追加。また、「強」「弱」の2段階で設定でき、フィルム写真が持つ独特の粒状感を再現できる「グレイン・エフェクト」機能を搭載した。

像面位相差AFエリアの拡大とアルゴリズムの見直しにより、最速0.06秒高速AFを実現。さらに、ライブビュー撮影5.0コマ/秒の高速連写、起動時間0.4秒、シャッタータイムラグ0.050秒、撮影間隔0.25秒を実現している。

AF測距点は、従来モデルの49点から91点(最大325点)までに大幅に拡大しており、全画面の約40%(画面中央部49点)を像面位相差AFエリアとすることで、高速・高精度な位相差AFをより多くのシーンで活用できるようになった。

被写体の動きに応じて調整された5つのプリセットから、被写体の種類や動きに最適な設定を選択できる「AF-C カスタム設定」機能を搭載する。AFアルゴリズムを5つの被写体の動きに合わせ、それぞれ高精度に改良することでAF-C設定時の動体追従性能が大幅に強化された。

さらに、被写体に応じて、高精度なピント合わせが要求される際に有効な「シングルポイント」モード、動いている被写体の決定的瞬間を捉える「ゾーン」モード、「ワイド/トラッキング」モードも選択可能。「ゾーン」モードでは、全91点のフォーカスエリアから任意の位置に3×3、5×5、7×7のフォーカスエリアを選択できる。特に、フォーカスエリアの中心を画面中央に選択すると全てのフォーカスエリアサイズにおいて位相差AFが使用できるようになり、より高速なピント合わせが可能になるという。また、「ワイド/トラッキング」モードでは、全91点(最大325点)のフォーカスエリアから複数のエリアを自動で選択してピント合わせが行われる。動きの予測できない被写体や動く被写体を複数撮影したい際に有効だという。

従来のフルHD動画撮影に加え、Xシリーズの特徴であるフィルムシミュレーションを活かした4K動画撮影(100Mbps、連続最大約10分まで)に対応。HDMIモニター出力や外部マイク入力にも対応しており、本格的な動画撮影が行える。この他、フルHD(36Mbps、連続最大約15分まで)、HD(18Mbps、連続最大約30分まで)の動画撮影が可能。

記録メディアは、SDXC(UHS-I対応)/SDHC/SDカード。

バッテリーは、リチウムイオン電池「NP-W126S」。撮影可能枚数は、約350枚(XF35mm F1.4R使用時、LCD表示ON)。

外形寸法は、118.4×82.8×41.4mm(最薄部31.9mm)。重量は、本体のみで約333g、バッテリー、メモリカード込みで約383g。

シルバー
ブラック

飯塚直

(いいづか なお)パソコン誌&カメラ誌を中心に編集・執筆活動を行なうフリーランスエディター。DTP誌出身ということもあり、商業用途で使われる大判プリンタから家庭用のインクジェット複合機までの幅広いプリンタ群、スキャナ、デジタルカメラなどのイメージング機器を得意とする。