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最新の技術が詰め込まれた標準単焦点で大彗星を撮る「SIGMA 50mm F1.2 DG DN | Art」

ソニー α1/SIGMA 50mm F1.2 DG DN|Art/マニュアル露出(F1.2、15秒)/ISO 1000/ソフトフィルター使用/追尾撮影
極めてシャープな星像を結ぶ
はくちょう座を撮影した上記画像の右上一部分を拡大したものです。サジタルコマフレアがほとんど見当たらず、星像が極めてシャープなのが分かります

2023年に発見された、紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)は10月初めごろに最も明るくなり、大彗星になるのではないかと期待されています。一期一会の大彗星に感動したらその姿をぜひ写真に収めましょう。シグマの「50mm F1.2 DG DN | Art」であれば彗星のディテールまでしっかり捉えることができます。(編集部)

沼澤茂美

天体写真家・イラストレーター
新潟郵便貯金会館プラネタリウム勤務の後、天文宇宙関係のイラスト、天体写真の仕事を中心に、長年にわたり内外の天文及び写真雑誌や書籍の執筆、NHK 天文宇宙関連番組の制作や海外取材などを行ってきた。パラマウント映画社「スタートレックDeep Space9」のポスター制作などを担当。また、世界最大規模の星の祭典「胎内星ほしまつり」の企画運営を40年間継続、コロナ禍では3年間の生中継開催を成功させる。村上市天体観測施設「ポーラースター神林」、胎内市立「胎内自然天文館」の建設や監修を行っている。同施設顧問。天体写真はライフワークでもあり、常に最新の技術を模索している。2004年環境大臣賞受賞。著書多数。

※本企画はムック『紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)完全ガイド』より転載・加筆したものです。

星空のあらゆるシーンで魅せてくれるF1.2の圧倒的な明るさと画質

2024年4月にリリースされた50mm F1.2 DG DN | Artは、最新の設計技術を取り入れたミラーレス専用設計の大口径標準レンズです。12群17枚ものレンズ構成で、非球面レンズが4枚使用されています。

これだけのレンズ構成と、F1.2の大口径にもかかわらず、すでにラインアップされている50mm F1.4 DG DN | Artとほぼ同じ大きさ、重さであることに驚かされます。各レンズは極限まで薄く研磨されており、その様子はレンズ構成図を見るとよく分かります。

また、リニアモーターによって2つの離れたレンズ群を移動させるフローティング機構を採用し、近距離から無限に至る対象で高画質が維持されているのも特筆すべき点です。

さて、無限遠の点光源である星空でのパフォーマンスですが、絞り開放から全面にわたって素晴らしい画質を示してくれます。暗い対象である星空の撮影では、開放性能がとても重要ですが、F1.2での周辺部のコマフレアは非常に軽微で、その画質は50mm F1.4を上回っています。開放での色のにじみも極めて良好に補正されており、来たるべき大彗星を迎え撃つには最適のレンズの1つではないかと感じます。

かんむり座T星に注目
はくちょう座と同じ設定で撮影したかんむり座です(部分トリミング)。ここにあるT星は、普段は非常に暗いのですが80年周期で爆発的に増光し、α星と同じくらいの明るさになります。予想されている増光のタイミングが今年の夏~秋ごろです。50mmレンズは、このようなイベントを記録するのにも適しています
SIGMA 50mm F1.2 DG DN | Art
発売日:2024年4月18日
実勢価格:24万2,000円前後(税込)

●SPECIFICATION
対応マウント:ソニーE、ライカL
レンズ構成:12群17枚
絞り羽根枚数:13枚
最小絞り:F16
最短撮影距離:0.4m
最大撮影倍率:0.16倍
フィルター径:φ72mm
外形寸法(最大径×全長):約81.0×110.8mm
質量:約740g
※数値はEマウント用

絞り開放から素晴らしい画質を示す標準レンズは、刻々と変化する彗星の姿を記録するのに最適のレンズです
レンズ構成図
沼澤茂美

(ぬまざわ・しげみ) 天文宇宙関係のイラスト、天体写真を中心に、内外の写真雑誌、天文雑誌、書籍の執筆、NHK天文宇宙番組の取材を行う。パラマウント映画社「スタートレックDeepSpace9」のポスター制作を担当。『夜の絶景写真 星空風景編』(インプレス)など著書多数。