特別企画
星空風景に便利な機能を備えた「究極の星レンズ」が新登場…SIGMA 20mm F1.4 DG DN|Art
2022年8月22日 17:00
星空風景を撮影するのにベストなレンズが登場
同様のスペックとして一眼レフ用の20mm F1.4 DG HSM | Artが存在していたが、20mm F1.4はフルサイズミラーレス用としては唯一のスペックだ。
さらにこのレンズは、星空風景の撮影をかなり意識している。結論から言うと、予想を上回る性能と機能に辛口の筆者も「新・神レンズ」と認定せざるを得なかった。
まず気になる点としては星空風景での撮影で問題になる開放絞りでの各種収差、特に気になるのはサジタルコマフレア。超広角大口径レンズの周辺部で出やすい収差だが、これが驚くことにほとんど出ない。20mmのF1.4開放でしっかり使えるレンズはまさに星空風景に最適だ。
描写だけではなく、20mm F1.4 DG HSM | Artと比較してかなりコンパクトになっている。しかもフード一体型からフードが取り外し可能になった。
さらに星空撮影に便利なギミック(リアフィルターホルダー、MFLスイッチ、レンズヒーターリテーナー)などを搭載。特にリアに装着可能なホルダーがあるのは大きなメリットだ。フロントフィルターも使用可能なので、フロントで光害カットフィルター、リアでソフトフィルターというような使い方もできる。
MFLスイッチはピント位置を固定できる機能で、せっかく合わせたピントが狂う心配がない。
レンズヒーターリテーナーは、レンズヒーターがレンズ前面にずれて画面周辺にケラレが発生することを防いでくれる。まさに星空風景の決定版と言えるだろう。
CHECK 01:サジタルコマフレアを抑制し、開放から高い点像再現性
サジタルコマフレアとは、画面周辺の点像が放射状に伸びるだけでなく同心円方向にも伸び、鳥のような形状に写る収差。特に超広角大口径の周辺部で出やすく、星のような点像ではとても目立って問題になる。
開放F1.4で撮影した写真の周辺を見てみると、開放絞りでもサジタルコマフレアはほとんど気にならない。さらに少し絞れば完全になくなるが、この程度であれば積極的に開放を使いたい。
CHECK 02:リアフィルターの装着で多彩な星空表現が可能に
ソフトフィルターはフロントに付けると周辺の輝星が楕円形に伸びてしまうが、リアに装着すると下の写真のように美しい円形のにじみを保つことができる。
リアには市販のシートタイプのフィルターを使用できるフィルターホルダーがあり、フィルターをカットするテンプレートも付属している。20mm F1.4 DG HSM | Artでは装着できなかったフロントの通常のねじ込み式フィルター(φ82mm)も装着可能。
CHECK 03:レンズヒーターリテーナーがヒーターのずれを抑制
星空撮影では特に湿気の多い場所や長時間露光の場合、レンズが曇るのを防ぐため、レンズヒーターを使用することが多い。フード一体型では引っかかりがあるが、レンズフードが取り外し可能なため、フロント部に段差を設けることでヒーターがずれて外れたりケラれたりする心配がない。
20mm F1.4 DG HSM | Artはフード一体型だったため、結露防止用のレンズヒーターを装着する際に引っ掛かりがあり、ズレを防いでいてくれた。本レンズはフードが外せるようになったため、代わりに「レンズヒーターリテーナー」という段差を設け、ヒーターがズレてケラレないように配慮されている。
CHECK 04:小型・軽量設計で大口径ながら抜群の携行性
20mm F1.4 DG HSM | Artと比べると、長さはかなり短く、質量も6割程度とかなり小型・軽量化されている。このスペックを考えるとかなりの重量級レンズを覚悟していたが、驚くほど取り回しが良く、常に持っていたいと思える素晴らしいサイズだ。