特別企画
CrucialのSSD「MX500」でNASを構成すると作業が超快適になる
大量の写真を扱うなら…HDDをSSDにするだけで高速・安定環境に
2022年8月23日 07:00
インターバル撮影や連写を多用する人にとって撮影後の大量の写真データをサクサクと処理できることはとても重要だ。最近ではデータ管理にNASを使用するユーザーも増えてきているが、大量のデータを扱う場合はSSDをNASに使用するというのも選択肢の1つとして考えてみたい。
一般的な2.5インチタイプのSSDであればHDDと接続方式が同じなため3.5インチへの変換ブラケットを用意するだけで市販のNASにそのまま使用できる。
SSDのメリットは何といってもそのスピードだ。特にランダムアクセス性能はHDDを圧倒的に凌駕する。実際の使用環境でも実感として「速い!」と感じられるはずだ。
また、HDDのようなカリカリ音が発生しないため静かな環境で作業に集中できるというのも実際に使ってみると大きなメリットとなる。
今回、使用したCrucial MX500シリーズは高速性能だけでなく、データ保護と耐久性を向上させるさまざまな技術も搭載。世界でも5社しかない、NANDチップ製造が可能なメーカーとして、自社製造のフラッシュメモリーを使用した強みを生かし高いコストパフォーマンスを実現していることもポイントだ。
今回使用した製品
QNAP TS-464の実勢価格が市場と乖離していたため修正しました(2022年8月25日)
テスト環境
SSD:RAID 5(500GB×4)
HDD:RAID 5(3TB×4)
作業スピードCHECK ① ベンチマークでは読み出しとランダムアクセスが高速!
ストレージの速度が十分反映されるよう、超高速な10GbEの拡張カードを取り付けた状態でテストを行った。
大容量ファイルの転送を想定し、テストサイズを大きく設定して計測したところ、MX500(SSD)使用時はシーケンシャル(連続)読み出しがLANの転送速度上限に近い約1,150MB/sの圧倒的な速度が出た。ランダム性能も向上しているためサイズの小さく多数のデータをやりとりする作業にも強い。書き込み性能も圧倒的に速いため、大量のデータ移行もHDDよりも快適に行える。
作業スピードCHECK ② RAW+JPEGのファイルコピー時間は2倍速い!
より実際の作業環境に近い状態での使用を想定してRAW+JPEGデータ(13.8GB、1,478ファイル)のデータコピーにかかった時間を計測した。
MX500(SSD)ではHDDの2倍以上の431.5MB/sでデータ転送を行えた。転送中も極めて安定した速度が出ていたことも見逃せないポイント。HDDの平均速度が約190MB/sだったことを考えると、多くのNASで採用されている2.5GbE(上限約300MB/s)のLANを使用してもSSDの高速性能を体感できそうだ。
SSDのNASなら撮影後のカードからのデータ移行はもちろん、RAW現像や合成時に作業用データを別途用意するといった場合も気持ちよく編集作業できるようになる。
環境設定効率スピードCHECK ① セットアップ時間が速い!
QNAPのNASでは使い始めに初期セットアップのほかに、ストレージプールの作成、ボリュームの作成という3段階の作業をする必要がある。パソコンのストレージでパーティションを分けるようなイメージだが、これらの作業時間もMX500(SSD)の方が速くて快適だ。
セットアップは頻繁に行う作業ではないが、多くの人にとっては慣れない作業のため早く終わることは使用体験の向上に直結する。実際に使ってみると数字以上に快適に作業できたという実感があり、安心してセットアップを行えた。
環境設定効率スピードCHECK ② 故障したときのリビルド速度も圧倒的に速い!
NASは複数のストレージを束ねて、そのうち1つが故障してもデータを守れるRAID環境を簡単に構築できる。故障した場合は新しいものに交換し一般に数時間~数日かかるリビルド作業を行うのだが、この間に残りのストレージに万が一のことが起こるとデータ喪失してしまう。
MX500(SSD)ではリビルド速度はHDDに比べて約2.6倍と圧倒的に速かった。リビルド時間そのものはストレージの容量にも依存するが500GB×4の構成ではリビルドにかかった時間は28分と驚くほど早く終了した。MX500(SSD)には危険なリビルド時間を大きく短縮できるメリットもある。
大量の写真や動画撮影をする人にはおすすめ
今回の検証ではすべての項目でHDDよりもSSDのCrucialMX500を使用した方が快適に作業できた。実際の体感スピードも速く、安定して作業ができたこともポイントだ。あらゆる写真、動画編集の作業性が向上するため撮影枚数の多いユーザーは導入の価値がある。
実際に導入する場合は直近1年くらいの作業頻度が高いデータはSSD NASを使い、過去のデータやバックアップはHDDを使うというように賢く使い分けるのもおすすめだ。
また、SSD NASは速過ぎるためエントリーからミドルクラスのNASに搭載される低速な1GbE(上限速度約120MB/s)ではLANの速度がボトルネックとなり性能を十分発揮できない可能性がある点にも注意しよう。SSDの高速性能を味わうには最低でも2.5GbE搭載か、拡張LANカードを増設できるNASを使うのがおすすめだ。
制作協力:マイクロンメモリ ジャパン株式会社