特別企画
納得価格で手に入る全部入り高性能カメラ—— OM SYSTEM OM-1
2022年4月20日 12:00
OMデジタルソリューションズのフラッグシップ機OM SYSTEM OM-1。今回は曽根原昇氏に、OM-1でのスナップや夜景の撮影で感じた魅力、そして曽根原氏が愛してやまない猫の姿を追うことで感じた被写体認識性能の魅力について語ってもらった。
※本企画はデジタルカメラマガジン2022年5月号より転載・加筆したものです。
ハイパワーなAF性能を小型ボディに搭載
OM-1は、ハイパワーで被写体認識AFを持つOM-D E-M1Xを凌ぐスペックが、機動性に優れたOM-D E-M1 Mark IIIと同等のサイズ感に収められているのが特徴。
そしてその被写体認識AFに新たに「動物」が加わった。これには猫大好きな筆者も思わずニッコリ。しかし、動物という何だか平和な印象とは裏腹に、認識精度の高さ、認識するスピード、認識してからの捕捉力など、その性能の高さにはハッキリいってすさまじさすら感じる。
おかげで、こちらがやることといえばアングルや構図を考えるばかり。瞳を検出すれば確実に瞳にピントを合わせてくれるから、通常のAFのように、瞳でなく動物の鼻や耳に合焦してしまい、せっかくのチャンスを台なしにしてしまうといった失敗もほとんどない。
ちなみに、すべての動物に対応するものでないとのことだが、猫以外でもかなり広範な種類の動物を認識した。動物が横顔でも「人物」と同じくキッチリ瞳を認識する。
数字だけの進化にとどまらない高感度画質
もうひとつOM-1の進化でうれしい点が、高感度の耐性が大きく向上したこと。前2つのモデルは、共に常用最高感度がISO 6400だったところ、2段上がってISO 25600となっている。
単に数字での常用高感度が上がっただけでなく、実際には高感度でもノイズの少なさや質感の維持具合に、数値以上の画質の向上を確認できる。
強力な5軸手ぶれ補正や、充実の大口径レンズのラインアップと併せて使えば、これほど心強い進化はそうそうあるものではないだろう。
TOPIC 2: センサーの高感度耐性
裏面照射積層型センサーとTruePic Xの新搭載により、常用最高感度はISO 25600へと大幅に向上した。これまで使うのがややためらわれたISO 6400も、これで完全に実用の範囲内である。SNSに上げる程度ならISO 12800や25600でもまったく問題ないだろう。
これに強力な手ぶれ補正機能を組み合わせると、大抵の低照度下での撮影は、手持ちであってもぶれる気がほとんどしないので頼もしい。
すべて手持ちで撮影。ISO 6400は従来機の常用最高感度とは思えないほどノイズが少なく、ディテール再現や色乗りも良好だ。12800や25600に上げてもディテールが残っていて、立体感も損なわれていない。
納得の価格で手に入れる充実機能の高性能カメラ
これだけ充実した高性能カメラを、十分な納得価格で出してくれるのだから、OM SYSTEMは本当に良心的だ。昼間の猫の日常から、夜の手持ちスナップまで、抜群の機動力と充実の機能性でサポートしてくれる。
新しい撮像センサーと画像処理エンジンが影響しているのだろうか、OM-1は階調性を重んじた深みのある画作りに変わっている。個人的には繊細さと良好な質感が好ましい。
AI被写体認識AF「鳥」もOM-D E-M1Xから引き続き優秀。AF/AE追従50コマ/秒の連写性能も相まって、野鳥撮影メインの撮影者にとって無視できない機材のはず。
EVFの解像は前モデルの約2.5倍となる約576万ドット。非常にリアリティーが高く表示の遅延もほとんど気にならない。近接撮影時のピント合わせもこれまでになく容易だ。
類まれな高機動性に最高スペックを収める、というコンセプトはスナップ撮影にも最適。一瞬を逃さない高性能と秀逸な高画質が、いままでにない世界をモノにしてくれそう。
制作協力:OMデジタルソリューションズ株式会社