特別企画

フィルムカメラ感覚のスナップ一眼レフ PENTAX KPの魅力

写真好きこそ使ってほしい…基礎が身につく「まじめな」カメラ

同じPENTAXのカメラでも、フルサイズのK-1と違って若干地味な印象を受けるのがPENTAX KP。しかし、その扱いやすいサイズと機能に惹かれる人がいるのも確かなのです。

写真教室の講師などで活躍中の、こばやしかをるさんもその一人。「どんなカメラがいいの?」と聞かれたとき、まず勧めるのがPENTAX KPだとか。

今回はそんなこばやしさんに、PENTAX KPの魅力を語ってもらいました。(編集部)

こばやしかをるさん

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PENTAX KP ファーストインプレッション

PENTAX KP(以下KP)。KPと出会った瞬間、一眼レフとは思えない小さくてスタイリッシュなボディに「わ、私のカメラ!」と思ったほど一目惚れ。

最近の一眼レフカメラにありがちなデザインではなく、フィルムカメラのようにカメラらしいデザイン。コンパクトさがとても好き。

街歩きスナップ撮影なら「KP+単焦点レンズで」というくらいスマートなスタイルで臨んでもらいたい。

エントリークラスでもミドルクラスでもない「まじめなカメラ」。

これから写真をはじめたいなら、このKPがおススメ。

小さなミラーレスカメラや一眼レフカメラのエントリー機よりもしっかりとした重量感があり、ホールディングしたときにブレの心配がない安定感。

すべてのレンズが恩恵を受けるボディ側の5軸・5段分の強力な手ブレ補正は、暗所や望遠ズームレンズでの撮影でも安心できます。

ファインダー内も見やすく、AF動作もシャッターも軽快で心地よい感触。

ストラップは、しっかりとしたボディを支えてくれる幅広のものチョイス。伝統工芸品の会津木綿と尾瀬鹿革のコラボで生まれたもの。木綿生地なので柔らかく首も痛めません。会津若松市内の写真店で購入したもの。

多機能なデジタルカメラだからこそ、操作感は重視したい。ボディ上部のふたつのダイヤル「スマートファンクション」にはいつも使うお気に入り機能をダイヤルにセット。このダイヤルはK-1から装備されたもので、ファインダーをのぞいていても親指でカンタンに操作が可能。

わたしの場合は、C1に露出補正、C2にカスタムイメージ 右側の設定ダイヤルを動かして調整しています。

ファインダーを覗いて構図を決める。それ以外の操作がシンプルであればあるほど、基本の撮影スタイルが保てます。無駄な操作を必要としないのがKPのいいところ。とってもカメラらしいまじめなカメラなのです。

チルト液晶モニターも今やデジタルカメラには必須。このモニターのおかげでアングルバリエーションが増えることは間違いなし。

KP+単焦点レンズならこれ!

スナップ撮影での愛用の1本を挙げるとしたら、間違いなくsmc PENTAX-DA 21mmF3.2AL Limited。わたしの常用レンズです。

写真展「PENTAX KPの世界」に展示していただいた作品もこのレンズで撮影したもの。

絞りリングを省いたシンプルなレンズで厚さ25mm。KPと合わせて使用した際の見た目のコンパクトさもお気に入り。

F値3.2が暗い、ボケにくいとの意見もありますが、単焦点の広角レンズらしく寄りと引きを生かし、フットワーク軽く被写体に近寄ることで回避できます。最短撮影距離は20cm。

PENTAX KP / smc PENTAX-DA 21mmF3.2AL Limited / 絞り優先(1/100秒・F4.0・+0.3EV) / ISO 200 /21mm(32mm相当) / デジタルフィルター:トイカメラ

広すぎず狭すぎず自然な画角。情緒的なニュアンスのあるボケ味がこのレンズの良さ。大好きな1本。

ボディ側のディストーション補正をONにすると、周辺の歪みをほどよく修正してくれます。

カタログの「数字」ではなく、質感描写重視で。

最高ISO感度819200という数値について聞かれることが多いですが、常用感度(ISO6400程度まで)でも画像処理エンジンPRIME IVの素晴らしさは「確実にしっかりとした画」として表れるので、気持ちがよいのです。

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いつも目にしているものが美しく引き立つリアルな質感描写。白の表現域も美しい。

PENTAX KP / HD PENTAX-DA 16-85mmF3.5-5.6ED DC WR / プログラム(1/100秒・F4.5・+0.7EV) / ISO 800 /53mm(79mm相当)

見た人が「何このキラッとした質感すごい!」と声を上げた1枚。

PENTAX KP / HD PENTAX-DA 16-85mmF3.5-5.6ED DC WR / 絞り優先(1/100秒・F8・-1.3EV) / ISO 6400 / 85mm(127mm相当)

暗い室内でガラス越しに撮影した展示物はスタジオ撮影と見間違うほど。細部まできちんと再現されています。もちろん、手持ちで撮影。

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感触がわかるかのような流線型ボディの滑らかさ、立体感。階調の美しさにも歓心。撮った時「この写りは確か!」と心の中で叫んでいました。

PENTAX KP / HD PENTAX-DA 21mmF3.2AL Limited / シャッター優先(1/50秒・F6.3・-0.7EV) / ISO 200 / 21mm(32mm相当)

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動く被写体も難なく撮れます。イルカのボディもスッキリシャープな印象に。

PENTAX KP / smc PENTAX-DA 50mmF1.8 / シャッター優先(1/500秒・F2.8・+0.3EV) / ISO 200 / 50mm相当(75mm相当)

一言でいえば「キラリ透明感、滑らかな質感、精密でリアルな表現」これが、私の感じているKPで撮れる写真のイメージ。カメラを選ぶ基準はいくつかあると思いますが、好きなメーカーやカタログ上の数値・スペックではなく、「好きな画なのか。」で選んでもいいはず。KPの画質にはその選択肢になり得る自信が感じられます。

こだわりの色設定。抜けのよい描写をしたいなら

私が好んで使う基本設定です。抜けが良く透明感があり、元気な色味でピュアビビッド。ぜひお試しを。

・WB太陽光/(B+1)
・カスタムイメージ/ナチュラル(彩度+2)
・ハイライト補正/ON
・ISO感度オート/100-3200

露出補正は被写体のイメージに合わせています。基本的にハイキーなら+1.5EV以上が目安。

PENTAX KP / HD PENTAX-DA 35mmF2.8 Macro Limited / 絞り優先(1/160秒・F4.0・+1.7EV) / ISO 200 / 35mm(52mm相当)

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夜景やイルミネーション撮影におススメなのは、きらめく色が強調されるカスタムイメージ「ポップチューン」。人工的な光によく似合い、濁った色も鮮やかに変化させてくれます。多重露出で撮影。

PENTAX KP / HD PENTAX-DA 16-85mmF3.5-5.6ED DC WR / 絞り優先(1/100秒・F5.0・+0.7EV) / ISO 200 / 43mm(64mm相当)

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路面にきらめく鮮やかな街の色。質感と色を一緒に表現してくれる。これも「ポップチューン」雨の日のツヤが美しい。

PENTAX KP / HD PENTAX-DA 21mmF3.2AL Limited / プログラム(1/50秒・F3.2・-2.0EV) / ISO 800 / 21mm(32mm相当)

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PENTAXが得意なデジタルフィルターも健在。ミニチュア+ソフトフォーカスでふんわりと。デジタルフィルターは何重にもかけることができます。トリミング機能もあるので、4:3、3:2、16:9、1:1も自在。こうした機能も作品作りに活かしてもらいたいです。

PENTAX KP / smc PENTAX-DA 50-200mmF4-5.6ED WR / 絞り優先(1/160秒・F7.1・+2.0EV) / ISO 400 / 80mm(120mm相当) / 16:9

必要なものがしっかりと備わっていてシンプル。

写真を始めたいのだけど、初心者向けのモデルではちょっと……。なんて思っているなら、まずはKPからはじめてみては?

見た目のデザインもよく主要なスペックはフラッグシップ機と大きな差がない上に、画づくりにこだわりが感じられ、シンプルな操作感で純粋に撮ることに集中できます。デジカメは操作が難しいと思っている人やまじめに写真撮りたいなと思っている人にこそピッタリ。

ファインダーを覗いて、構図を決めてシャッター切る。モードダイヤルに頼ることなく、一つ一つの操作を覚えながら確実に基礎を身に付けられる。どこをとってもカメラらしいカメラ。

初心者モデルではないけど、女性にも初心者にも使って欲しい。自信を持って「写真はじめました」といえるカメラです。

ただ特にライブビューを良く使うときは、電池の消耗が早いことに注意。寒冷時期に限らず、予備電池は必ず忘れずに持って出かけましょう。また、グリップが浅めなので男性ならMサイズに交換するのがおススメ。

ともかく、「身近な瞬間も丁寧にしっかりと」。

街中で被写体に出会うことを期待してしまう、写真を撮ることの楽しさを改めて教えてくれる。それがPENTAX KPなのです。

制作協力:株式会社リコー

こばやしかをる

写真家/クリエイター。写真教室「エンジョイフォトルーム」主宰。デジタル写真の黎明期よりプリントデータを制作する現場を通じて写真を学ぶ。写ルンです~一眼レフカメラの撮影、プリントアドバイスまで写真のことを幅広くサポート。メーカー講師も務め、企業とのコラボ企画も手がけるなど活躍中。 共著に「ご近所フォトのススメ」(日本カメラ社刊)がある。