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ありそうでなかった?「RAW+JPEG派」のための写真編集アプリ
カメラデフォルトのJPEGを大切にする「Filmator」
2026年8月8日 12:00
アプリ開発スタジオのJUNO Tokyoが7月19日にリリースした「Filmator」は、RAW+JPEG記録に含まれる“撮って出しJPEG”を生かして、クイックに作品を仕上げられるMac用アプリだ。累計100枚まで書き出せる無料版と、買い切り3,000円のPro版がある。
Lightroom Classicユーザーで「RAWを記録するけど、“撮って出し”のJPEG画像も活用したい」と考える人のために作られている。
どんなことができて、どんな使い勝手が得られるのか。日頃からLightroom Classicで写真を管理している筆者が試用してみた。
どんなワークフローなのか?
使い方の手順としては、まず普段通りに撮影画像をLightroom Classicへ読み込み、めぼしい写真にレーティングする。もしトリミングや傾き補正が必要なら、この段階で施しておく。これらの情報はLightroom Classicのカタログに書き込まれる。
そして「Filmator」アプリを起動すると、そのLightroom Classicのカタログをもとに写真が一覧表示される。先ほど付けたレーティングで写真を絞り込み、それぞれの写真に応じて編集を行えばよい。
Filmatorは元の写真データに影響を与えず、Lightroom Classicのカタログファイルも読み取り専用で扱う仕組みだ。
Filmatorで編集できる項目は、現時点では以下の通り。
- ホワイトバランス(色温度/色かぶり補正)
- トーン(露光量/コントラスト/ハイライト/シャドウ/白レベル/黒レベル)
- 色(自然な彩度/彩度)
- フレーミング(左右90°ずつ回転)
腰を据えた作品づくりはRAWに任せ、撮って出しJPEGに最低限の仕上げを施すためのシンプルな作りだ。
編集が完了したら「書き出し」を行う。複数枚の一括処理に対応しており、例えば「長辺1,920ピクセルで、ファイル名は01.jpgから02.jpg、03.jpg……と連番。透かしで撮影者名を入れる」といった指定も可能だ。
なぜ「Filmator」が生まれたのか?
このアプリの背景には、Webサイトの言葉を借りると「RAWとJPEGは、主従ではなく目的の違う二つの記録」という考えがある。例えばLightroom ClassicのUIは“RAW重視”といえる構造だが、目的に合わせてJPEGをメインに使いたいシーンもあるということだ。
理解を助けてくれたのは、製作者が富士フイルムのXシリーズを愛用しているという事実だった。Xシリーズには「フィルムシミュレーション」という人気の画作り機能があり、写真フィルムを選ぶような感覚で色味の変化が楽しめる。フィルムシミュレーションを使いたいがために富士フイルムのカメラを選ぶ人も少なくないと言われている。
もちろん、他社カメラのユーザーにも、撮って出しJPEGこそが“メーカー純正”であるとして好む人は存在する。カメラのデザイン、レンズの描写と同じように、メーカーの思想のひとつとして楽しめるものだからだ。RAWとJPEGはあくまでその人の用途や好みで適宜選択されるものであり、どちらが上、どちらが正しいということはない。
そう考えた時に、RAWファイルを主として扱うLightroom Classicでは、RAW+JPEGで同時記録されたJPEGファイルを活用するのがやや面倒。そこで、Lightroom Classicで写真を管理し、腰を据えたRAW現像を行うワークフローはそのままに、撮って出しJPEGも活用すべく製作されたのがFilmatorアプリなのである。
多様化する写真ワークフロー
このアプリの便利さは、人によって感じ方が全く違うと思う。どんなカメラで撮っても自分の作風にRAW現像する人は、そもそも使い所がないかもしれない。何台かのカメラを使い分けて、そのカメラ自体にも触発されながら写真を撮る人なら、わりと活用できるシーンが多いかもしれない。
例えば筆者はRICOH GR IIIで試してみたが、スナップ撮影であればカメラ内の「イメージコントロール」を使った撮って出しのJPEGを人に見せたい。しかし、記事に載せる説明的な写真なら、RAWデータから高画質を引き出したい。そのため、カメラの設定は常時RAW+JPEGにしてある。こんな人には、既存ワークフローのままJPEGだけをピックアップできるFilmatorが加わると便利だろう。
このアプリには編集機能も備わっているけれど、特に写真には手を加えず、アップロード用にリサイズとリネームだけを一括処理するツールとして使うのもアリだと思う。アプリの動作は起動から編集、書き出しまで軽快だった。気になった人はMac App Storeから無料版をダウンロードして試してみてほしい。









