特別企画
シーズン到来!三脚が必要な紅葉撮影とは?
動感表現やライトアップなど、一味違う紅葉写真に挑戦してみよう
2017年11月9日 14:52
秋が深まる中、赤やオレンジ、黄色と彩り豊かに色づく紅葉の季節がやってきました。すでに多くの読者が紅葉の撮影に挑戦しているかと思いますが、私も晴れあり、雨あり、曇りあり、そして夜のライトアップと、様々なシーンで紅葉を撮影してきました。
テーマは「三脚が必要な紅葉写真」。
最近はデジタルカメラの高感度画質が良くなったため、三脚の必要性が薄れています。また、手ブレ補正の効きも良くなり、手持ちでの撮影範囲が広がっているのはご存知でしょう。
しかし、手持ち撮影にも限界があります。三脚を使うことで手持ち撮影とは一味違う表現が可能になったり、低感度でブレのない美しい作品に仕上げられるのです。
望遠やマクロ撮影で……
三脚が欲しいと思う撮影のひとつに、望遠レンズやマクロレンズでのクローズアップ撮影があります。被写体が近いほどブレが目立ちやすくなるからです。紅葉の場合は、望遠レンズで一部を切り出したり、マクロレンズで1枚の葉をクローズアップする表現があります。
このとき、背景をすっきりさせたいので、絞りは開放付近で撮ります。そのぶん被写界深度が浅くなるので、ピント合わせがシビアになりがち。ピント位置が数mmずれただけで作品が台無しになるので、三脚に固定することで、前後のぶれによるピントのずれを抑えましょう。
赤い葉の背景に緑の葉を、逆に緑の葉を主役に色づいた葉をぼかして、色の対比を楽しむのもいいですね。1枚1枚の葉を目立たせるため、葉の重なりの少ない、枝先を狙うのがポイントです。
これは雨の日のカット。曇天時は色が濁りやすいので露出を明るめにし、ホワイトバランスをカスタムで調整して青みを加えています。水滴がつき、幹が濡れ、しっとりとした雰囲気があります。
このときのシャッター速度は1/8秒。高画質な低感度での撮影にこだわると、ここまでシャッター速度は下がるのです。三脚の必要性を感じた瞬間でした。
日の出前に起き出して足元を見ると、落ち葉に霜が付いていました。マクロレンズで近接撮影をするときはブレが目立ちやすく、ピントもずれやすいもの。三脚の出番です。
ピントを確認するためにライブビュー画面の拡大機能を使っていますが、カメラを固定していると安定して画面が見られます。日が差し込むとキラキラと輝いて綺麗でしたが、撮影しているうちに、あっという間に霜が溶けてしまいました。
滝・渓流でも……
滝や渓流を絡めた動感表現も紅葉撮影のひとつです。水が美しく流れているように見せるには、1秒以上の低速シャッターにしたいところ。中途半端に遅いシャッター速度では流れが細切れに写るからです。こういった場面は三脚がないと撮影が難しいでしょう。
そのとき、PLフィルターで葉のテカリを抑えたり、水面や岩場の反射も除去するのも定番のテクニック。PLフィルターを使用するとシャッター速度が下がるので、やはり三脚があったほうが有利です。
ライトアップでも……
ライトアップされた紅葉は、日中とは違った美しさがあります。下からの光に照らされるので、木自身が発光しているかのようです。基本的な撮影テクニックは夜景と考えて良いので、三脚があったほうが良いでしょう。
日の入りの頃にスタンバイし、日の入りから20分ぐらいに撮影をスタート。ちょうど薄暗くなってライトアップが目立ちつつも、空のトーンが残っています。その後、空は真っ黒になりますが、黒の中に照らされた木々が浮かび上がるのも妖しげで魅力的です。
設定としては、黒の占める面積が多いので露出補正はマイナスにし、ホワイトバランスは晴天で、見た目の色合いを出しています。
水面が揺らぐと写り込みにシャープ感がなくなってしまいます。絞りは開け気味にしてシャッター速度を速めにしています。それでも手持ちではブレが心配なので三脚を使用しました。2秒セルフタイマーを使うとシャッターボタンを押したときの振動も防げます。
まとめ:天候が悪くても撮れる!そのためには三脚がポイントに
撮影に出かけても、なかなか思い通りの天候に恵まれることはありませんが、悪天候でもそれが自然の表情と捉え、カメラの設定や三脚を上手に活用してみましょう。雨の良さ、日陰の良さが見つかるはずですし、また、晴れれば、心地の良い気持ちが写真に現れるかもしれませんね。ぜひ、紅葉を撮影に出かけてみてください。
今回使った三脚は……
ベルボンの「ジオ・カルマーニュE645M II」です。望遠レンズでの撮影でも安心感が高い中型4段カーボン三脚。ベルボンのロングセラー600番台のうち、最新のレバーロックタイプになります。サイズといい、使い勝手といい、定番中の定番といったカーボン三脚です。
エレベーターを伸ばしたときの全高は1,640mmと、一般的な撮影では余裕の高さを持っています。
脚部はカーボンファイバーで軽量。4段伸縮なので、遊歩道や沢を歩るくときも持ち運びに便利です。
雲台はPHD-65Qが付属。カメラの取り付けが簡単にできるクイックシュータイプです。薄く軽量なカメラ台も特徴(雲台なしモデルもあります)。
実施中の「2017ベルボンカーボン三脚祭」の対象製品になっています。対象製品を購入すると、もれなくシュープレートやカメラカバーなどがもらえるキャンペーンです。購入期間は12月31日まで。(編集部)
制作協力:ベルボン株式会社