SHIN “7” RULE——EOS R7の魅力を7人の写真家が探る

第7回:三吉勇基[鉄道]

AF、連写、画素数、高感度性能…“7”に欲しかったものが詰まった1台

RF15-30mm F3.5-6.3 IS STM/15mm(24mm相当)/マニュアル露出(F13、1/800秒)/ISO 1600/WB:オート

話題の新製品「EOS R7」の使いこなしについて、7名の写真家が解説する「SHIN “7” RULE」。

第7回は鉄道写真家の三吉勇基さんに担当いただいた。高速で動く鉄道車両に対し、EOS R7の実力はどのように発揮されたのだろうか。

三吉勇基

週末などを利用し、主に四季折々の鉄道を絡めた風景を撮影し、S N Sで発信している。企業依頼撮影やカメラ誌、写真集、カレンダーなどさまざまな出版物へのデータ提供を中心に活動している。@7djet

EOS R7


SPECIFICATION

撮像素子:CMOSセンサー
有効画素数:約3,250万画素
記録画素数:6,960×4,640画素
記録媒体:SD/SDHC/SDXCメモリーカード(UHS-II、UHS-I対応)
レンズマウント:キヤノンRFマウント
有効撮影画角:レンズ表記焦点距離の約1.6倍に相当
EVF:0.39型、約236万ドット、約1.15倍
アイポイント:約22mm
AFエリア:スポット1点AF、1点AF、領域拡大AF(上下左右)、領域拡大AF(周囲)、全AF、フレキシブルゾーンAF(AF1、AF2、AF3)
自動選択時AFエリア分割数:最大651分割
被写体検出:人物/動物/乗り物
測光輝度範囲:EV-2~20(静止画撮影)
ISO感度(常用):100~32000
最高シャッター速度:メカ/電子先幕1/8,000秒、電子1/16,000秒
最高連続撮影枚数:メカ/電子先幕15コマ/秒、電子30コマ/秒
連続撮影可能枚数:RAW約46枚、JPEG約184枚
手ブレ補正:8段(協調)
動画記録サイズ:4K UHD Fine(30P)、4K UHD(60P)、4K UHDクロップ(60P)、フルHD
背面モニター:3.0型、約162万ドット
撮影可能枚数:約380枚(EVF、なめらかさ優先)
大きさ(W×H×D):約132.0×90.4×91.7mm
重量:約612g(バッテリー、カードを含む)

※本企画は『デジタルカメラマガジン2022年9月号』より転載・再構成したものです。


AFと連写性能だけでなく解像感の高さも心強い

【PICKUP】
RF15-30mm F3.5-6.3 IS STM
EOS R7に付けると24~48mm相当の軽量な広角~標準ズームになり、鉄道と風景を絡めるときに使いやすい。このレンズと望遠ズームを手に入れれば、かなりの広範囲をカバーできる。キヤノンオンラインショップ価格:8万5,800円前後(2022年8月26日発売予定)

かつてはEOS 7Dを愛用していた。7の数字を冠したキヤノンのカメラといえばAFと連写性能だと連想するファンは少なくないだろう。連写速度は30コマ/秒に増え、AF精度や速度も増した。

雄大な鉄道風景を撮るようになり、当時は解像度でフルサイズ機には及ばないと感じて乗り換えたが、久しぶりにAPS-C機で撮影して、高感度性能と描写力に驚いた。

車両を写し止める場合、ISO感度を上げて対応するか、画質の破綻を気にして絞りを開けることがあるが、EOS R7では高感度でもノイズが少なく、絞りを変更することなく撮影できた。

7Dに欲しかったものが期待をはるかに超えて詰まった1台。信頼のAFと連写、3,250万画素の解像感。7の系譜はいつの時代も鉄道写真家に心強い。

テクニック①:30コマ/秒連写で画面ギリギリまで新幹線を追い込む

RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM/18mm(29mm相当)/マニュアル露出(F7.1、1/2,000秒)/ISO 1600/WB:オート

通常は15コマ/秒のメカシャッターでも十分だが、車両の配置箇所に明確なイメージがあるなら、30コマ/秒の電子シャッター連写に頼りたい。

柱寸前を狙って6車両で2種の連写を試したが、電子シャッターでは、どれも柱寸前のコマを押さえられていた。

電子シャッター(30コマ/秒)
柱の直前まで新幹線が入る
メカシャッター(15コマ/秒)
柱までの間に隙間が空く

テクニック②:EOS R7とベストバランスな軽量超望遠ズームを活用

RF100-400mm F5.6-8 IS USM/400mm(640mm相当)/マニュアル露出(F9、1/2,500秒)/ISO 6400/WB:オート

APS-C機は焦点距離が35mm判フルサイズ機の約1.6倍相当になる望遠域の優位性が特徴。EOS R7とマッチする望遠ズームにリーズナブルかつ軽量なRF100-400mm F5.6-8 IS USMがあるが、このレンズなら160~640mm相当で撮影でき、望遠域で撮りたい鉄道風景のほぼすべてをカバーできる。制限のある撮影地で遠くの車両や背景を配置する場合にも、トリミングに頼らず高画素のまま撮影可能だ。

RF100-400mm F5.6-8 IS USM
軽量ながら640mm相当までの画角をカバーする。キヤノンオンラインショップ価格:9万500円

EOS R7|SHIN “7” RULEギャラリー

高速鉄道が橋梁の柱から顔を出すのはほんの一瞬だが、30コマ/秒の電子シャッター連写なら狙った位置で車両を捉えてくれる。雲の表情に合わせて構図だけに集中できた
RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM/28mm(45mm相当)/マニュアル露出(F13、1/2,500秒)/ISO 1600/WB:オート
市街地を抜けて走る鉄道を俯瞰撮影。奥行きを出すために絞り込み、ISO 400としたがシャープな描写で立体感もある
RF100-400mm F5.6-8 IS USM/100mm(160mm相当)/マニュアル露出(F13、1/160秒)/ISO 400/WB:オート
真夏の日差しに陽炎が出る中、踏切を過ぎた車両をAF追従で撮影したが、輝度差があるにも関わらずAFに迷いはなく、ハイライトからシャドウ部に浮かび上がる線路までを見事に描写した
RF100-400mm F5.6-8 IS USM/100mm(160mm相当)/マニュアル露出(F6.3、1/200秒)/ISO 640/WB:オート
焦点距離が約1.6倍となるAPS-C機は望遠レンズの圧縮された表現の魅力を存分に引き出してくれた。EOS R7で高精細に描かれた町並みや鉄道もしっかりとディテールが見てとれる
RF100-400mm F5.6-8 IS USM/373mm(597mm相当)/マニュアル露出(F8、1/320秒)/ISO 200/WB:オート

制作協力:キヤノンマーケティングジャパン株式会社

三吉勇基