イベントレポート

愛機の清掃・点検に加え、シグマ本社ツアーも楽しめた「Sigma製品無料点検会」

予約制・少人数で実施する初の取り組み

会場のシグマ本社

シグマは11月22日(土)、「Sigma製品無料点検会」を神奈川県川崎市の本社で開催した。同社として本社で製品点検を行うのは初めての試みということで、当日の模様をお伝えする。

ユーザー所有のシグマ製カメラ1台またはレンズ1本を無償で点検するほか、新製品のタッチ&トライや社屋の見学ツアーもできるというイベントになっている。

定員は24人で、4人ずつ6回に分けて行われた。10月31日にWebサイトで募集したところ、3時間ほどで定員に達するほどの人気ぶりだった。

同社によると、カスタマーサービス強化の一環として本イベントを企画したとのこと。本社には一般の人は入れないが、ユーザーからは本社を見学したいという要望が多く、この機会に社内ツアーも併せて実施することにしたという。

シグマ代表の山木和人氏は、「普段シグマのスタッフが、ユーザーと直接接する機会はなかなかありません。そこで、直接話ができる場としてこうしたイベントをずっとやりたいと考えていました。それが今回ようやく実現できました。われわれがユーザーから学ぶことも多く、できる限り継続したい」と話す。

会津工場から専門スタッフがやってきた!

同社では、点検や修理品を会津工場に送ってメンテナンスしている。今回は、会津工場で修理を担当している専門スタッフ2名が修理ブースを作り、メンテナンスを行った。

まずはメンテナンス品の受付からスタート

内容は点検と簡易メンテナンスで、カメラはセンサークリーニングも行われた。センサークリーニングも含めて通常は日数のかかるメンテナンスが、即日完了するのも参加者には大きなメリットになっている。

メンテナンスブースはホコリよけの囲いを作ったほか、会津工場で使っているメンテナンス器具などのツール一式を持ち込んだ。

メンテナンスブース
センサークリーニングも実施
ファームアップなどを行う器具も携えてきた

メンテナンス品は「Sigma fp」シリーズや「Sigma BF」などカメラが多いとのこと。一方で使い込まれた愛用のレンズを持ち込む参加者も見られた。

メインイベント!? の社屋見学へ

メンテナンスをしている間に本社の見学ツアーが行われた。シグマの本社は2022年に完成した。新製品発表会も行われメディア関係者などは入る機会があるが、ショールームなどは無く一般のユーザーが内部を見る機会はこれまでほとんど無かった。

まず向かったのは「ライブラリー」と呼ばれる書庫。オフィスにつながる階段の壁面にぎっしりと写真集が並ぶエリアだ。約4,000冊が収蔵されており、社員は自由に閲覧することができる。定期的に入れ替えも行いながら冊数は増えつつあるそうだ。

歴史的に重要な写真集を年代順に並べてある。CP+といったイベントで展示する写真集も、ここから取り出している。ライブラリーに収めきれない写真集が旧社屋にも保管されているとのことだ。

続いてはカンファレンスルームに向かった。プロジェクターを備えた大きな部屋で、160人ほどを収容できる。180〜200人というシグマの社員全員でのミーティングも可能とのこと。並べられている椅子は、シグマのプロダクトデザインを担当しているデザイナーの岩崎一郎氏によるもの。

次に訪れたのは、落成時にも話題になった「レンズセラー」。シグマのほとんどの現行製品が壁面に並んでいる空間で、部屋全体をカメラに見立て、製品一つ一つを画素になぞらえているという。製品と部屋はガラスで仕切られているが、今回はガラスの内側に入って、製品を間近で見せてくれる配慮もあった。

レンズセラーを抜けた参加者は、社員食堂として使われるカフェテリアを見つつエレベーターで屋上に向かった。

屋上は庭園になっており、近隣と生態系を合わせた数々の植物が植えられている。花も咲いており、同社製品での撮影にも使われるとのこと。

少人数の贅沢なタッチ&トライ

見学ツアーの後は新製品のタッチ&トライとなった。シグマのスタッフもおり、購入に関する相談をする参加者の姿もあった。

タッチ&トライの部屋では軽食や飲み物も用意された
製品を試せるカウンターが用意された
直近の新製品も展示

Sigma BFはもとより、なかなか触れる機会がないであろう「Sigma 200mm F2 DG OS|Sports」や「Sigma 300-600mm F4 DG OS|Sports」といったレンズも並んでいた。

Sigma BF
Sigma 200mm F2 DG OS | Sports
Sigma 135mm F1.4 DG|Art
Sigma 300-600mm F4 DG OS|Sports

今回は少人数制ということで待ち時間も無く、かなり自由に製品を体験できた様子だった。

タッチ&トライが終わるとメンテナンス品の返却が行われた。なかには修理が必要と判断された個体もあり、修理についての案内を受ける参加者もいた。その場で修理の必要性がはっきりするのはユーザーにとっては安心できることと思う。

参加者にはカタログのほか、ステッカー、クリーニングクロス、オリジナルデザインの水などがノベルティとして手渡された。ステッカーには、同社のサポートページに登場する新しいネコのキャラクターが! 名前はまだ無いそうだ。

イベントでは山木社長と記念写真を撮る参加者もいるなど、シグマファンには嬉しいイベントになったことだろう。次回の開催スケジュールは未定だが、定期的な開催にも期待がかかるイベントだった。

1981年生まれ。2006年からインプレスのニュースサイト「デジカメ Watch」の編集者として、カメラ・写真業界の取材や機材レビューの執筆などを行う。2018年からフリー。