SHIN “7” RULE——EOS R7の魅力を7人の写真家が探る

第6回:矢野明日香[ポートレート]

モデルの表情に集中して撮影できる高速・正確な瞳AF

RF16mm F2.8 IS STM/16mm(26mm相当)/絞り優先AE(F2.8、1/2,500秒、±0EV)/ISO 100/WB:オート

話題の新製品「EOS R7」の使いこなしについて、7名の写真家が解説する「SHIN “7” RULE」。

今回は抒情的かつ爽やかな作風で人気の矢野明日香さんに、ポートレート撮影におけるEOS R7の感想やテクニックなどを披露いただいた。

矢野明日香

東京都生まれ、東京都在住。独学で写真を学ぶ。国内外を問わず旅行が大好き。カメラを持って旅をするのが趣味。色彩が鮮やかな写真、ロケーションを生かした写真が得意。現在は商品やイベント、ホテルのPR撮影のほか、観光局・ホテル・旅行関連の撮影も行っている。@sherry_1113

EOS R7


SPECIFICATION

撮像素子:CMOSセンサー
有効画素数:約3,250万画素
記録画素数:6,960×4,640画素
記録媒体:SD/SDHC/SDXCメモリーカード(UHS-II、UHS-I対応)
レンズマウント:キヤノンRFマウント
有効撮影画角:レンズ表記焦点距離の約1.6倍に相当
EVF:0.39型、約236万ドット、約1.15倍
アイポイント:約22mm
AFエリア:スポット1点AF、1点AF、領域拡大AF(上下左右)、領域拡大AF(周囲)、全AF、フレキシブルゾーンAF(AF1、AF2、AF3)
自動選択時AFエリア分割数:最大651分割
被写体検出:人物/動物/乗り物
測光輝度範囲:EV-2~20(静止画撮影)
ISO感度(常用):100~32000
最高シャッター速度:メカ/電子先幕1/8,000秒、電子1/16,000秒
最高連続撮影枚数:メカ/電子先幕15コマ/秒、電子30コマ/秒
連続撮影可能枚数:RAW約46枚、JPEG約184枚
手ブレ補正:8段(協調)
動画記録サイズ:4K UHD Fine(30P)、4K UHD(60P)、4K UHDクロップ(60P)、フルHD
背面モニター:3.0型、約162万ドット
撮影可能枚数:約380枚(EVF、なめらかさ優先)
大きさ(W×H×D):約132.0×90.4×91.7mm
重量:約612g(バッテリー、カードを含む)

※本企画は『デジタルカメラマガジン2022年9月号』より転載・再構成したものです。


モデルの表情に注力できる高速かつ軽快な1台

【PICKUP】
握りやすいグリップ
しっかりと握り込めるグリップのおかげで、片手で撮影するようなシーンも安心。小型の大口径レンズと組み合わせると軽快に使用できる

顔が見えているときは瞳検出、顔以外にピントを合わせたい場合はタッチ操作でピント位置を決めた。瞳AFは速くて正確、タッチ操作は直感的なので、構図や光、モデルの表情に注力して撮影できる。

かしこまらずに撮影できるので、自然体のモデルを描けるのがうれしい。走り寄ってくる子どもにも、カメラ任せでしっかりとピントを合わせられたので、家族写真に使うにも優れた1台になるだろう。

個人的にはグリップの深さが程よく、しっかりとホールドできた点も特筆したい。カメラもレンズも軽かったため、85mmの望遠大口径レンズと組み合わせていても、片手でシャッターを切ることができた。シャボン玉や布を使った演出ができて、ひと味違うポートレート撮影にチャレンジできる。

テクニック①:AFは瞳検出に任せて表情や光の加減に集中する

RF50mm F1.8 STM/50mm(80mm相当)/絞り優先AE(F2、1/250秒、±0EV)/ISO 320/WB:オート
モデル:佐藤愛柚佳

大口径レンズを多用するポートレート撮影では被写界深度が浅くなりがちだが、瞳検出が正確で、正面はもちろん、横顔でもしっかりとピントを合わせてくれる。

モデルには自由に動いてもらいながら撮影するスタイルだが、EOS R7は瞳検出が速いので、ふとした表情や、顔にかかる光と影のバランスが良い瞬間を逃さずにシャッターが切れる。

人物を認識する設定にしてから瞳検出をオンにしておく
横顔でもしっかりとピントが合う

テクニック②:15コマ/秒のコマ速でベストな前ボケを狙う

RF85mm F2 MACRO IS STM/85mm(136mm相当)/絞り優先AE(F2、1/200秒、±0EV)/ISO 250/WB:オート
モデル:髙田明来

幻想的な雰囲気を作り出すためにシャボン玉を前ボケに使用した。風が強いので、いつどこにシャボン玉が写り込むか読めないため、15コマ/秒の高速連写で撮影。モデルの顔にはかぶらず、かつモデルの周りにはカラフルなシャボン玉が写り込むというベストの瞬間を捉えることができた。

撮影者自ら左手でシャボン玉を作りながら、右手のみでカメラを操作して撮影できたのは、EOS R7の軽さと瞳検出AFの精度のおかげでもある。

シャボン玉を使って前ボケを作り出す
上の写真のように前ボケが顔にかかることが多いが、連写しているコマから、顔にかからない瞬間の写真をセレクトする

EOS R7|SHIN “7” RULEギャラリー

森の中でモデルに自由に動いてもらいながら撮影。一瞬だけ吹いた風にスカートがなびいた瞬間を収められたのは、EOS R7のAFの速さのおかげだ
RF85mm F2 MACRO IS STM/85mm(136mm相当)/絞り優先AE(F2、1/200秒、±0EV)/ISO 160/WB:オート
構図を決めたら、瞳検出にピントを任せてシャッターを切る。街中でも時間をかけずに、直感的に撮れるのは魅力的だ
RF16mm F2.8 STM/16mm(26mm相当)/絞り優先AE(F3.2、1/80秒、±0EV)/ISO 400/WB:オート
コンパクトな中望遠レンズRF85mm F2 MACRO IS STMを使用。モデルの仕草が浮かび上がった大きなボケ味を生かして、被写体とクローバーが浮き立つよう撮影。背景はとろけるようにぼけるが、ピント面はシャープ。この描写がこの軽さで手に入るのはうれしい
RF85mm F2 MACRO IS STM/85mm(136mm相当)/絞り優先AE(F2、1/160秒、±0EV)/ISO 500/WB:オート

制作協力:キヤノンマーケティングジャパン株式会社

矢野明日香