写真家が監修したフォトグラファー向けPCが登場!
最強のフォトグラファーPC「礒村浩一プロデュース マスターズモデル」が4thバージョンに!
高性能パーツをゴージャスに使用 ついにケースも一新!!
2019年6月28日 10:48
Project Whiteから発売されている「eX.computer写真編集(RAW現像)向けPC」シリーズは、プロ写真家の監修により写真編集用に最適化されたPCを生み出すことを目標にスタートした用途別特化モデルシリーズのひとつである。写真編集向けとして、処理速度の高いCPUやパワー重視のグラフィックカードなど、厳選されたパーツで構成したオリジナルPCとなっている。2015年に初代モデルが発売、以来、代を重ねながらハイパフォーマンスなモデルを販売している。基本構成をベースに、ユーザーが自身の重視するパーツ構成に変更できるセミオーダーシステム(BTO)を採用していることも特徴のひとつだ。
写真編集向けPCとは?
「eX.computer写真編集向けPC」は、企画の立ち上げタイミングから写真家である私が、自らのワークフローに最適なパフォーマンスと日々のハードな使用に耐えうる耐久性を望み、PCベンダーであるツクモと一緒に創り上げてきたものだ。
また並行して多方面で活躍する写真家の方々にも企画に参加していただき、エントリーおよびスタンダード向けモデルも発売してきた経緯がある。そして2019年6月、第4世代目のマスターズモデルがついに発表されたのである!!
今回の第4世代モデルをプロデュースするにあたり、重要視した点は新世代アーキテクチャーへの対応と安定性の向上、そしてPCケースデザインの刷新である。
写真編集向けPCの最上位シリーズ
eX.computer写真編集向けPCの最上位シリーズとなるマスターズモデルでは、マザーボードに第9世代の「インテル® Core™ i9 プロセッサー」が搭載可能な「インテル® X299 Express」チップセットを採用した。また4Kディスプレイの普及に伴いグラフィックカードもNVIDIA Quadroシリーズを標準構成とするなど、ディスプレイ出力の高解像度化にも対応している。
さらに新モデルでは見た目にもこだわり、ついにデザインを一新した新設計のPCケースを採用することができた。もちろん見た目だけでなく、効率的な排熱構造や将来に向けた拡張性などがしっかりと考えられている。
このように新モデルでは新世代のハイパフォーマンスPCとするべく、積極的に上位グレードのパーツを採用している。とはいえ、なんでもかんでも無闇に刷新しているわけではない。前モデルでも好評であった、UHS-II対応SDカードリーダーを採用した前面のマルチカードリーダーやUSB3.0ポート、オンラインでのやりとりが主流となった現在でも、あると便利でないと不便な光学ドライブの標準搭載などは、カメラマンのワークフローには欠かせないものとして、これまでのマスターズモデルと同様に搭載している。
ケースのデザインが一新
刷新されたタワー型PCケースはダークブラウンを基調とし、一部にゴールドメタリックを配した高級感のある配色となった。フロントパネルには指で触れると立体感を感じ取れるヘアラインテクスチャが施されており、電源スイッチ部のゴールド色のメタルプレートと併せて高級オーディオ機器のような趣もある。
フロントパネル下部にはケース内に外気を取り入れるための金属メッシュ構造の吸気口が設けられている。吸気口は磁石で着脱ができる付属パネルカバーで隠すこともできる。パネルカバーを装着しても側面のスリットから吸気するため冷却性にはほぼ影響しないとのことだ。
PCケース前面最上部のメタルプレート部にはスライド式の電源スイッチ、USB3.0ポート×2、マイク端子、ヘッドホン端子がレイアウトされている。電源スイッチはスライド式を採用した。本体を足元に設置した際に誤って押してしまうことがないように配慮した構造だ。
前面の5インチベイにはブルーレイディスクドライブと、USB3.0接続のマルチカードリーダー+USB3.0ポート×1が用意されている。
また、5インチベイ部は下部吸気口と同様に付属パネルカバーで隠すことができる。ただしパネルカバーは下部吸気口用と兼用なので、どちらかのみに装着することになる。
天面には金属メッシュ構造の大きな排気口が備えられ、ケース内の熱気が上昇気流となり自然に外部に放熱される。
なお、付属のカバーを天面に取り付けると、軽量なアイテムならケース上部に置くことも可能。その場合、排気はカバーの隙間から行われる。
ケース底面にも外気の吸気口が備わっている。この吸気口では電源ユニットの強制吸気用のファンを臨むことができる。吸気口前にはフィルターが備わっているので、ケース内へのゴミやチリの侵入を防いでくれるので安心だ。
ケース背面も黒基調の配色。自作PCケースにありがちな全面銀色の配色とは趣が異なる。大型ファン付きの排気口も備え付けられている。
コネクタパネルにはUSB3.1 Gen1ポート×4(Type-A)、USB3.1 Gen2ポート×各1(Type-A/Type-C)、USB2.0 ポート×2(Type-A)、オーディオ端子、1000BASE-T有線LANポート×1が備わる。
グラフィックカードにはDisplayPortが4つ搭載されている。無線LANカードにはアンテナ端子が備わる。
側面パネルを取り外したところ。ケース内も黒塗りとなっている。大容量のタワー型ケースはレイアウトにも余裕がある。
CPUとSSDから発する熱を排熱するために、大型の放熱板とファンが2基ずつ備え付けられている。ファンとマザーボードの一部は青や紫に変化するイルミネーションが常に輝く。ケース内が派手に輝く仕様は、最近のゲーミングPCなどの流行りらしい。
マザーボードのPCI ExpressスロットにはNVIDIA Quadro P2000と、無線LANカードが装着されている。
マザーボードはインテル® X299 Expressを搭載したASUS PRIME X299-A。
グラフィックスのNVIDIA Quadro P2000は、Adobe Photoshop CCおよびLightroom ClassicのGPUアクセラレーションに対応。いずれも4Kディスプレイへの出力をサポートしている。
高速な書き込み・読み出しが可能なDDR4メモリを装備。標準で32GB(最大128GB搭載可)が搭載されている。
システムディスクには高速データ転送が可能なNVMe接続のM.2 SSDを採用。容量は500GB。
CrystalDiskMarkでSSDの読み書き速度を計測した。読み込みは3GB/s以上、書き込みも2GB/s以上の速度がでている。
無線LANカード(IEEE802.11ac/n/a/g/bに対応)が標準搭載されており、外部アンテナと組み合わせて無線LANにてインターネット接続が可能。
ストレージ用HDDは3.5インチを最大4基搭載できる。標準構成では4TBのHDDが搭載されている。こちらもBTOにてカスタマイズが可能。HDDの固定はトレー式のため、ドライバーレスで着脱できる構造だ。
大量の画像をスムーズにセレクト
ところで、私が仕事で使うPCに望むことは、RAW現像処理の速度もあるが、むしろ撮影後の画像セレクト時に多数の撮影画像を、いかにサクサクと切り替え表示できるか、という点になる。
具体的にはLightroom ClassicやBridgeで表示した撮影画像を、1コマずつ送りながらベストなショットをセレクトしていく。この際に画像のプレビューが遅れることなく表示されることが必須条件だ。いくらRAW現像が速くとも、その前段階のセレクトに時間を取られてしまうのでは、作業の効率を上げることができないし、直感的な判断が必要となる大量の画像セレクトにおいて、プレビューが遅いとフラストレーションが溜まってしまうからだ。
この点でも今回のマスターズモデルは条件をクリアしている。起動ディスクに高速な書き込みと読み出しが可能なNVMe接続のSSDを採用しており、スムーズな画像表示を可能としている。またグラフィックスにNVIDIA Quadro 2000をセレクトしたことで、GPUアクセラレーションに対応しているAdobe製品で、その恩恵を受けられる。
高性能なPCは撮影機材としても十二分に力を発揮する。スタジオ撮影などでカメラとPCをケーブルで接続し、撮影データをリアルタイムに転送させるテザー撮影は、シャッターを切るごとに撮影画像をすぐにPC上で確認する手法だ。撮影を進めながらその場でディレクターやクライアントと画像確認を行えるメリットがある。ただしそのためにも、撮影画像が遅滞なくスムーズにPCに転送され表示されるスペックが求められる。
最新のカメラの多くはPCとの接続がUSB3.0/3.1ケーブルで行われているので、データサイズの大きなRAWデータでも数秒で転送が完了する。さらに画像表示も速いため転送された画像をサクサクと確認することができた。撮影スタジオに常設するPCとしても最適だといえるだろう。
まとめ
「eX.computer写真編集向けPC」は、初代の企画段階から写真撮影と編集作業の現場に特化したPCとして、その時々に最適なパーツをセレクトし組み上げてきた。そのなかでユーザーからよせられた多くの声は、PCベンダーのツクモや、監修者である私のもとにも届いている。これらの声を第4世代となったマスターズモデルとプレミアムモデルにも積極的に反映させている。そのおかげで、このシリーズは4thバージョンにして、かなり成熟度の高いマシンになっていると自負している。とにかく高性能なPCを探している人、長く使いたい人にオススメしたい。
協力:株式会社Project White(TSUKUMO)
取材撮影:関一也(Plus ONE Film Works)
モデル:MANA
撮影スタジオ:スタジオIG