ミニレポート
ロモグラフィー「DigitaLIZA+」
スマホ・デジカメで手軽にフィルムスキャン ロモらしい仕組みも魅力
2022年4月12日 09:00
現像したフィルム、みなさんどうやってデジタル化しているのでしょう。SNSに写真をアップしようというとき、もっと手軽にスキャンができたら……。長年フィルムスキャンに悩んでいたわたくし、「DigitaLIZA+」を発売とともに購入、早速使ってみました。
この「DigitaLIZA+」、ぜひおすすめしたいのは、以下のような方です。
・とにかく手軽にスキャンしたい人
・部屋にこれ以上、物を増やしたくない人
・フィルムカメラ好き。特に中判フィルム(120フィルム)でも写真を撮る人
このたび発売となったロモグラフィーの「DigitaLIZA+」は、機能はシンプル、カメラバッグの隅に入れても持ち運べるくらい、コンパクトなフィルムスキャナーです。スキャン自体にはスマートフォンのカメラ、もしくはデジタルカメラを使用します。
パッケージングには「DigitaLIZA MAX」と「DigitaLIZA+」の2種類があり、「DigitaLIZA MAX」の方にはスマートフォンスタンドが付属し、三脚なしでも、フィルム面と水平にスマートフォンのカメラを固定できます。スマートフォンのカメラでスキャンを考えている人には「DigitaLIZA MAX」がおすすめです。
筆者は、スマホ・デジカメとも三脚を使って固定するか、手持ちで撮影し、多少の歪みは後から画像処理で直そうと考え、スマートフォンスタンドなしの「DigitaLIZA+」の方を入手しました。
どうやって使うの?
「DigitaLIZA+」は大きく分けて、バックライト部分と、水準器付きのフィルムホルダーの、2つの部品から構成されています。あと、135フィルムの24×36mmエリアのみをスキャンするための標準フィルムマスクと、127フィルムマスクも同梱されています。
機能はいたってシンプル。言ってみればライトボックスの上にフィルムを載せて、それを上から撮影するのと理屈は同じなのですが、この「DigitaLIZA+」の強みは、フィルムホルダーの完成度にあります。
バックライト部分とフィルムホルダーはマグネットで連結されるようになっており、赤いノブでフィルムをライトボックスの上まで送って使用します。
特筆すべきはフィルムの平面性です。今まで数台、簡易スキャナーを使ってきた経験から言うと、フィルムキャリアにフィルムを挟み込んでから、スキャナーの中に差し込むタイプの簡易スキャナーは、手軽な反面、フィルムキャリア自体に多少の遊びがあるものもあって、フィルムの反りがそのままスキャン結果の歪みとして反映されてしまうこともありました。
「DigitaLIZA+」は、ホルダーの細い溝に沿うようにフィルムが送られていくので、反りは綺麗に伸び、フィルムは平面を保ちます。本格的なフラットベッドスキャナーと同レベルとまではいきませんが、簡易スキャナーにして、この平面性は“買い”ではないでしょうか。
中判フィルムに関しては対応しているスキャナーが少なく、筆者も長年頭を悩ませてきましたが、「DigitaLIZA+」は極めてシンプルなやり方で、中判フィルムのスキャン(複写)を可能にしました。
バックライト上の、35mmパノラミック・ディフューザー部分を外すと、そのまま中判フィルムを挟み込めます。四隅近くに強力な磁石がついており、フィルムの四隅をしっかりと張ることで、平面を出す仕組みです。あとは真上からお手持ちのデジタルカメラやスマートフォンで撮影するだけ。6×4.5、 6×6、 6×7フォーマットのスキャンが可能です。
DigitaLIZA+はあくまで簡易スキャナーのため、ネガのスキャン後には、自分で色を反転しなければなりません。本格的にやろうとすれば画像編集ソフトを扱う必要がありますが、お手軽な方法としては、iOS/Android用の「NEGAVIEW PRO」アプリで好みの色調に反転し、カメラロールに保存してから、iOSであれば「写真」アプリで台形補正やトリミングを行うのが簡単そうです。
さすがロモ、パーフォレーションまでスキャン可能
付属の35mmフィルムホルダーには、実にロモグラフィーらしい利点があります。フィルムホルダーの開口部が24×36mmの撮像範囲より幅広く作られており、パーフォレーションの部分までスキャンできるのです。ロモグラフィーの「スプロケットロケット」など、スプロケット穴まで撮影できるカメラをお持ちのユーザーは、ぜひこの「DigitaLIZA+」を試してほしいです。
スキャン時にパーフォレーションまで写しこむと、いかにも「フィルムで撮りました!」という雰囲気が出せるので、新しくフィルム撮影を楽しむようになったフィルムカメラユーザーにもおすすめですし、手軽にデジタル化できるという点ではベテランユーザーにも便利なはず。フィルムカメラユーザーが幅広く使えるアイテムではないでしょうか。
ありそうでなかった新スキャナー「DigitaLIZA+」は価格も7,980円とお手頃。(「DigitaLIZA MAX」の方も9,980円)。今回は一目惚れで買ってみましたが、1台持っておいて損はないと思いましたので、フィルムカメラライフのお供にぜひどうぞ。