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日本カメラ博物館「小説のなかのカメラ『谷中レトロカメラ店の謎日和』より」展レポート

作中に登場するカメラなど約80点を展示 10月13日から

日本カメラ博物館は、ミステリー小説「谷中レトロカメラ店の謎日和」(柊サナカ著・宝島社)とのコラボレーション展示「小説のなかのカメラ 『谷中レトロカメラ店の謎日和』より」を10月13日(火)から開催する。

同作品は、東京の谷中を舞台に繰り広げられる日常に起こる問題や人間関係のもつれなどを、“カメラ”を糸口に紐解いていくミステリー小説。2015年からこれまでに全3巻が発売され、作中に登場するカメラの確認を行うために、日本カメラ博物館が刊行当初より関わっていたことからコラボレーション展示が実現した。

柊サナカさん。企画段階から協力を得ていた“心の故郷“である日本カメラ博物館に、こうした形で戻ってこられて嬉しいと挨拶

本展示は、作中に登場したカメラ約80点を、小説の一節とともに紹介。ライカIIIfや、ローライ35、ニコンFの元箱、デザイン検討用のクレイモデルなど、バラエティに富んだアイテムが展示されている。

作中に登場するカメラの一例、写真はライカIIIf
トロピカルリリー(左)、フォクトレンダー ベッサ II(中)、フォクトレンダー ベッサ(右)
ドリュー2-16
柊サナカさんが執筆中に使用したノートやポメラも展示されている
柊サナカさんが愛用するカメラや、それらで撮影した作品も展示。このほかにもプラウベルマキナ67やニコンF3などのフィルムカメラが並ぶ。

この特別展のために柊サナカさんが書き下ろしたショートストーリー「勇者のなりかた、教えます」を同館限定で発売。作中には、館内に展示中のカメラをヒントにした謎解きも掲載されているという。

なお会場には「小説のなかのカメラ」コーナーとして、同作以外の著名な小説に登場するカメラを展示するコーナーも設けられている。「国際ゾルゲの真実」(下斗米伸夫著・角川書店)、「世界でいちばん長い写真」(誉田哲也・光文社)、「硫黄島の星条旗」(ジェームズ・ブラットニー、ロン・パワーズ著・文芸春秋)などの作品と、作中に登場するカメラが紹介されている。

特別展概要

開催地:日本カメラ博物館(東京都千代田一番町25 JCIIビル)
開催期間:2020年10月13日(火)~2021年1月31日(日)
開館時間:10時00分~17時00分
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日の火曜日)、年末年始(2020年12月26日~2021年1月4日)
入館料:一般300円、中学生以下無料、団体割引(10名以上)一般200円

本誌:宮本義朗