気になるデジカメ長期リアルタイムレポート
PENTAX Q10【第5回】
Q10 vs Qの兄妹対決――ホワイトバランス編
(2013/1/18 00:00)
今回は、前回の「ISO感度編」で予告したようにホワイトバランスについて「PENTAX Q10」と「PENTAX Q」を比較してみたいと思います。
最初に両機のホワイトバランスの違いに気が付いたのは、この連載の第1回目でピンク色の花を逆光で撮影したときでした。このときはAWBで撮影したのですが、Q10のほうがQよりも赤味がかった色合いになったのです。それでも不自然な赤味ではなく自然な温か味のある色合いだったのでそれほど気にせずにいたのですが、前回のISO感度比較でとても分かりやすく色合いが違ったので、これはぜひ比較してみようと思いました。
撮影設定は、感度はQの最低感度に合わせてISO125に、レンズは「01 STANDARD PRIME」を使用して絞り優先AEで開放絞りで撮影しました。撮影条件は、太陽光の入る窓辺でレースのカーテン越しの逆光に近い斜光、一番強い光は左前の金平糖の入っているグラスに当たっています。白レフを右前方に置いて、ピントは一番手前のドーナツに合わせています。
- 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
結果、「オート」、「太陽光」、「日陰」、「曇天」、「CTE」の設定では全体に白さが強いのがQで、1枚“温か味ベール”を被せた色合いがQ10となりました。「白色蛍光灯」、「電球色蛍光灯」、「白熱灯」では差はほとんどありませんでした。
色味の違いが分かりやすい部分は、画像中央近くのドーナツの下に敷いた白いレース模様のペーパーです。Qでは真っ白なペーパーがQ10ではクリーム色っぽくなっています。実際のペーパーはほんの少しクリーム色がかった色味なので、見た目に忠実なのはQ10のほうだと言えるでしょう。
ところが、「昼白色蛍光灯」ではその結果が反転しました。パッと見た目で分かるくらいQは全体が赤く、Q10は「太陽光」に近いナチュラルな色合いになったのです。また、「昼光色蛍光灯」も太陽光の光源で撮影しているので全体に赤くなるのは当然として、ドーナツの下のペーパーの赤みが強いのがQで、それよりも白い色合いになったのがQ10と、今までとまったく逆の結果になりました。
「きっと全部の設定でQは白っぽく、Q10は赤味がかかるだろう」と思っていたので、「昼白色蛍光灯」と「昼光色蛍光灯」のテスト結果は驚くほど意外でした!
撮影状況やカメラの個体差もあるとは思いますが、これだけ違いが出ると面白いとともに他の設定でも違いは無いか……探したくなってしまいますね(笑)。