気になるデジカメ長期リアルタイムレポート

PENTAX Q7【第4回】

Q10とISO感度を比較

 この連載の第2回目で「PENTAX Q7」の画質が「PENTAX Q10」よりも断然良くなっているとの感想を述べさせて頂きましたので、今回は、Q7とQ10の画質をISO感度別に比べてみたいと思います。

 両機の最低感度は同じくISO100ですが、Q10ではISO6400だった最高感度がQ7ではISO12800まで上がりました。こんなに小さいのにISO12800まで撮れるって……デジタルカメラの高感度競争はどこまで行ってしまうのでしょうか!?

 使用したレンズは「01 STANDARD PRIME」です。1/1.7型センサーのQ7に装着すると35mm判換算で約39mm相当の画角に、1/2.3型センサーのQ10に装着すると同約47mm相当の画角になります。今回のテストでは両機のすべての感度を同条件で撮影していますが、前述のように画角の違いがありますので構図に違いが出てしまうことはご了承下さい。

 絞りは開放で、ピントは左手前のウサギのオブジェの顔部分ですので、オデコの明暗のある辺りを見て頂けるとわかりやすいと思います。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
  • サムネイルは画像の一部分を等倍で切り出したものです。クリックでオリジナル画像を表示します。
四角で囲った部分を作例のサムネイルとして切り出しています。
PENTAX Q7
PENTAX Q10
ISO100
ISO125
ISO160
ISO200
ISO250
ISO320
ISO400
ISO500
ISO640
ISO800
ISO1000
ISO1250
ISO1600
ISO2000
ISO2500
ISO3200
ISO4000
ISO5000
ISO6400
ISO8000
ISO8200
ISO12800

 まずISO100の画像ですが、ここでQ7の画質の良さがわかって頂けると思います。全体にシャープな画になっています。拡大したウサギのオブジェの質感がくっきりと表現されているのもQ7の方です。実は今回、Q10ではAFを使ったりMFで調節したりと何度も撮り直しをしましたが、これ以上シャープな画を得られませんでした。

 ノイズですが、Q10ではISO800からうっすらとしたノイズが乗って来てISO1000ではそのノイズが目立って来ましたが、Q7はまだ滑らかな画像を保っています。ISO1600になるとQ7にもノイズが見られて来ました。Q7はISO3200になるとさすがにノイジーと言わざるを得ませんが、その間のISO2000~2500は随分とがんばっています。少々のノイズを許せる範囲の使用でしたら、ISO2500まで常用できるでしょう。

 Q7もISO5000からは明らかなノイズで普段使いには厳しいレベルですが、写ることが重要なストロボの使えない暗いシーンでの記念撮影などを考えると、やっぱり“あると嬉しい高感度”ですね。

 ISO感度の比較は撮影状況やピントを合わせる被写体などによってノイズの出方などに多少なりとも違いは出ます。今回の結果がすべてではないですしこれだけで画質向上についての議論を終わらせるつもりはありませんが、今回のテストの結果としては……「Q7買って良かった!!」。

水咲奈々

(みさき なな)東京都出身。知り合いの写真家の作品撮りにモデルとして関わったことがきっかけで写真に興味が沸き独学で写真の勉強をし、作品を持ち込んだ出版社に編集として入社。2010年独立。現在はカメラ雑誌の編集やWebでのカメラレビュー、写真講座の講師として活動中。「Pentax+」でも記事を連載。 Twitter:@cosaruruブログ:http://misakinana.com