デジカメアイテム丼

飛行機や野鳥の撮影で活用したい、一脚に特化した“チルトのみ”対応の雲台

Leofoto MPG-01

一脚用ジンバル雲台「MPG-01」

超望遠レンズを使った撮影では大きいレンズを支えるために一脚が欠かせないアイテムだ。

しかし、飛行機や野鳥を撮影する場合に一脚を使うと、カメラの上下移動に対応しづらく、被写体を追いきれないことがある。そのため超望遠レンズを使う際は一脚ではなく、手持ちで撮影することが多い。

そんな一脚の上下移動に対応できるのが、レオフォトから発売された一脚用ジンバル雲台「MPG-01」だ。

製品概要

本体の外形寸法は106×63×80mm。重量は325g、耐荷重料は10kgとなっている。手のひらに乗る大きさながら、各部の強度は高いという。

一脚への取り付けは、アルカスイス互換シュー、または3/8インチネジ穴(太ネジ)の2パターンで使える。

本体のほか付属品として、レンズ側に取り付けるアルカスイス互換プレート「QP-70N」と、アルカスイス互換シューに取り付ける落下防止用ネジ2個、六角レンチが付属している。

アルカスイス互換シュー使用時に効力を発揮する落下防止用ネジ(上下の2個)を取り付けたところ

この雲台には三脚座の付いたレンズを取り付けるのが適している。プレートを付けた三脚座を横にして雲台に取り付け、ロックノブを回してセットする。カメラを直接取り付けてしまうと縦位置のみの撮影しかできなくなるので注意してほしい。

可動部は上下へのチルト回転になり、360度回転も可能。チルト回転は大型のノブを軽く回すだけで締めたり緩めたりできる。

実際に使ってみる

まず雲台本体を一脚の太ネジに取り付ける。次にレンズの三脚座に付属のアルカスイス互換プレートを付けて、それを雲台に取り付ける。

MPG-01に超望遠レンズをセット

その際に三脚座を横にして取り付けるため、一脚を立てた状態だと大きいレンズは取り付けにくい。地面などにレンズを置いて取り付けると良いだろう。装着さえしてしまえば、大きいレンズでもしっかり支えられ、滑らかなチルト回転が可能になる。

実際に撮影してみると、飛行機が上空を通過していくところをスムーズに追いかけながらシャッターが押せた。縦方向360度の回転が可能で、しかも滑らかなチルト動作のおかげでフレーミングがしやすい。

MPG-01のおかげで安定して飛行機を追い続けられた
MPG-01を使わないとこの通り。この時点でバランスを崩してしまう

一番利点に感じたのは、一脚を垂直に立てたまま、上昇していく飛行機をどこまでも追いかけられることだ。一脚にレンズを直付けすると、一脚を傾けむけるにつれて自分のバランスも崩れてしまい、ファインダーが覗けなくなってしまう。

一脚を利用する際、一般的な自由雲台を介して一脚に取り付けるケースも考えられるが、その場合は上下以外の動作が邪魔になる。その点、上下動だけに対応した「MPG-01」は、今回のような飛行機の撮影に適していると感じる。

なお、手持ちのズームレンズに持ち替えて使うなど、一脚につけたレンズから手を離すケースがある。その場合、「MPG-01」側のチルトロックを閉めておかないと、自重でレンズが下に垂れ下がってしまう。急いでいるときなどはチルトロックの締め忘れに注意したい。

またレンズを雲台に付けたまま持ち運ぶ場合、一脚とレンズのウエイトバランスがずれているので、一脚よりレンズ側のほうをしっかり持って移動したほうが良いだろう。

まとめ

今回は「MPG-01」に「EF400mm F2.8L IS II USM」(3,850g)を付けて撮影してみたが、「MPG-01」の強度に問題はなく、滑らかなチルト回転によるスムーズな撮影を楽しめた。飛行機の他、野鳥などの撮影にも適しているだろう。

撮影:高橋学
EOS R3/EF400mm F2.8L IS II USM/マニュアル露出(1/1,000秒、F8.0)/ISO 200
撮影:高橋学
EOS R3/EF400mm F2.8L IS II USM/マニュアル露出(1/1,000秒、F8.0)/ISO 200

希望小売価格は3万5,640円(税込)となっているが、チルトだけでなく、雲台によるスムーズなパンは動画撮影にも対応する。単焦点の超望遠レンズ、大口径の超望遠ズームレンズを使う方にお勧めのアイテムだ。

高橋学

1975年、福島県福島市生まれ。父が新聞社のカメラマンをしていた影響で物心付いたころからカメラが好きになり、父と鉄道などを撮り始めた。高校卒業後は専門学校東京ビジュアルアーツ写真学科でスポーツフォトを専攻。1996年より有限会社ジャパンスポーツでスポーツカメラマンの仕事に就き、実績を重ねてフリーランスへ。現在はフィギュアスケート、フットサル、サッカー、陸上などの様々なスポーツ取材をしている。また、小さいころから好きな鉄道や飛行機なども撮影を続けている。日本スポーツプレス協会、国際スポーツプレス協会会員