デジカメアイテム丼

カジュアルで使い勝手の良い巾着型3Wayバッグ「FLEX STRING BAG」

形状保持ワイヤー内蔵で“開口キープ”

FLEX STRING BAG(カラー:KHAKI/MUSTARD)

巾着型のカメラバッグ「FLEX STRING BAG」の試用レポートをお届けする。小さなサイズ感や、その生地感から得られる爽やかさで、ちょっとしたお散歩にとてもマッチするアイテムになっている。

デジカメ Watch Channelでも同製品の紹介動画を公開している。本稿を読んで製品について気になったら、ぜひ動画の方でも確認してみてほしい。

形状保持ワイヤーを内蔵した小さなバッグ

FLEX STRING BAGは、株式会社ヌルが展開する「MOUTH(マウス)」というカメラバッグブランドに属するアイテムだ。6月6日に発売済みで、直販価格は税込7,700円となっている。7色の本体カラーを用意する。

製品の開発コンセプトは「撮影中に欲しかったポケット以上、バッグ未満」。軽装に交換レンズを1本程度持ち歩きたい、スナップ用にサブカメラを持ち歩きたい、レンズ交換する時の収納スペースが欲しい、といったニーズに応えるとしている。「散歩中に使える小さな(存在感の薄い)バッグが欲しいな」とちょうど思っていた筆者にとって、このバッグの登場はまさにタイムリーだった。

FLEX STRING BAGの最大の特徴は、樹脂製の形状保持ワイヤーを本体に内蔵していること。これにより、バッグを自立させたり、開口部を開いた状態でキープすることが可能となっている。MOUTHブランドにラインアップされているマルチラップ「Flex Multi Wrap」と、帽子「Flex Multi Cap」も同様にワイヤーが内蔵されている。

形状保持ワイヤーにより、開口部の取り扱いに幅が効いている。開口部を円状に開いておけるため、中身の視認性がとても高い。また、指で軽くつまむことによって、簡易的に“フタ”をすることも可能だ。必要なものを取り出したらキュッと素早く閉じられるという軽快さを持っており、利便性の高さを感じた。

大きく開口してキープ。内部が見渡しやすい
軽くつまんで閉じるのもOK

元々が“巾着型”のため、もちろん紐でギュッと縛ることも可能だ。きちんと結んでしまえば、機材保護の観点からも安心感を担保できるカメラバッグといえるだろう。

巾着のようにギュッと締められる

製品には2枚の中仕切り(大・小)が付属している。これにより、内部を3つの部屋に分けるなど必要に応じて使い勝手をアレンジできる。大サイズの仕切りにはポケットもついており、ちょっとした小物を分けて収納できる。

2枚の中仕切りが付属
大サイズにはポケットを備えている

筆者のお散歩のお供「LUMIX GX7 Mark II(LEICA DG SUMMILUX 15mm F1.7 ASPH.装着)」を収納してサイズ感を確認してみた。コンパクトなマイクロフォーサーズカメラだが、仕切りで半分に分けたスペースに余裕ですっぽりと入る。小サイズの中仕切りで1/4程に分けたスペース×2も、ちょっとした小物を入れておくのに十分な広さとなっている。

バッグの外形寸法は約160×180mm(コードを絞りこんだ時140mm)。紹介動画ではα7R Vなどフルサイズカメラを入れてみた様子も収録しているのでご覧いただきたい。

LUMIX GX7 Mark IIと並べたところ。
中仕切り無しで入れてみた様子
中仕切りで内部を3つの部屋に分割。カメラに加えて、小物類の収納にも十分なスペースがある
α7R Vと並べたところ(デジカメ Watch Channel紹介動画より)

底面にはクッション材を使用して機材の保護性を確保。このクッション材は2分割されており、バッグをコンパクトに折りたためるようになっている。出番待ちしているバッグは部屋の中で置き場に困るものだが、これならば引き出しに入れておけたりと、スペースを取られる心配も減りそうだ。

底面のクッション材が半分に折れることで、バッグ自体をコンパクトに折りたたむことができる

バッグのフロント側にはジッパーポケットがついている。レンズキャップやメモリーカードなどちょっとしたものを入れておける便利なスペースだ。引手もオシャレでかわいい。背面側にもフリーポケットを備えている。

フロント側のジッパーポケット
引手もかわいらしいデザイン
背面側のポケット

表地には、東レの“スタナータッサー”というナイロン100%素材を使用している。特殊な糸を使用した撥水性のある合成繊維で、防水性・防風性・透湿性があるという。ツルッとしていないシワ感がカジュアルさを演出しており、気軽に使える製品に仕上がっているように感じた。

本体カラーは7色を用意。ラインアップはNATURAL、BLACK、KHAKI、CHARCOAL、MUSTARD、KHAKI/MUSTARD、MUSTARD/NATURAL。紹介動画ですべてのカラーを公開しているので、気になるカラーをチェックしてほしい。本稿で使用しているのは「KHAKI/MUSTARD」。

撥水性のある合成繊維を使用
カラーバリ―ション(デジカメ Watch Channel紹介動画より)

このバッグは、インナーケース、ポーチ、ショルダーの3WAY仕様となっている。“巾着”として使うときは、コロッとしたかわいらしいデザインが目を引く。

巾着型

お散歩の用途としてこのバッグを手にした筆者は、ショルダースタイルで使うことが多かった。バッグ本体が小ぶりなため、身体の前方にバッグをポジショニングしておくのにも勝手が良い。身体の前位置にキープして移動し、そのまま開口して機材を取り出す、といった一連の流れもスムーズでストレスが少ない。

ショルダーストラップも、バッグに取り付ける側が細紐仕様となっており、持ち歩きの軽快性を損なわないよう配慮されている。紐を引っ張ることで全長を短くできるので、使い勝手も良い。

ショルダースタイル
ストラップのバッグ側半分は細紐タイプとなっている
ストラップの長さ調節にも対応

インナーバッグとしての使い方にも可能性を感じた。中仕切りにより整理しやすくなっている点、クッション素材などの採用により機材の保護性を確保している点など機能も充実している。いわゆる一般的なカメラ用インナーケースのように角ばっていないため、バッグへの出し入れもしやすいように感じた。

インナーバッグとしてバッグ内の整理にも活用できる。バッグへの出し入れのしやすさもポイント

オシャレさと機能性の両立

少ない荷物で気軽に出歩くのに、良い選択肢となるバッグだと思う。最初はカジュアルな見た目に興味を惹かれたが、使ってみると細部に“気の利いた”仕掛けがあるのがわかる。

形状保持ワイヤーは、当然だが、動きながらもその形状を1mm違わずキープするというものではない。“開口部を大きく開けられる”というところにその効用があり、普通の巾着バッグであれば手で押さえないと開口部がクシャッと潰れてしまうところ、両手をフリーにした状態で中身の視認性が確保される点が素晴らしい。デスクの上に小物入れとして置いておくのもアリだなと感じた。

小さいバッグだけど、ポケットや中仕切りで細かく荷物の整理が出来る点も良い。見た目だけでなく、機能性にもこだわって開発されたことがうかがえる。

カジュアルな見た目に、カメラバッグとしての機能性にも妥協がない「FLEX STRING BAG」は、新たなお散歩のお供になりそうだ。

本誌:宮本義朗