私はこれを買いました!

20年越しの探求で辿り着いた、ジャストフィットなカメラバッグ

thinkTANK Urban Access 8 Sling Bag(大和田良)

年末恒例のお買い物企画として、写真家・ライターの皆さんに、2024年に購入したアイテムを1つだけ紹介していただきました。(編集部)

カメラバッグ沼からの解放

日々使うカメラバッグですが、ベストな1個を追い求めて沼にハマり続けているという方は多いのではないでしょうか。

レンズやヘッドホンなどと同様、なぜかもっと良いものがあるのではないかという幻想に取り憑かれるものですが、今年導入したthinkTANKのUrban Access 8 Sling Bagは、日常使いや山歩き、スナップショットにおいては今の所文句なしといったところです。

小さく軽く、最適な容量で、身体にもしっかりフィットするため、嵩張らず無駄な負荷を感じさせないように思います。普段はニコン Z8とGR IIIを入れて持ち歩いていますが、交換レンズを持つこともできますし、小さい三脚をプラスすることもできます。

何より私にとって便利なのが、iPad miniがちょうど収まる専用の収納部がある点です。メモ帳やスケジュール帳として最も重要な携帯デバイスであるiPad miniに最適な大きさであることが、まさにこのカメラバッグが自分にとっての最適解である理由だと言っても良いくらいです。この収納部があるだけで、日常使いだけでなく取材に使えることにもなります。

これまでは、結局何を買っても、学生時代(20年以上前)に買ったテンバのPシリーズに戻ってきてしまっていたのですが、このバッグは今の所、完璧な快適性を維持しています。

サイドポケットも十分に収納力があり、モバイルバッテリーやSDカードなどのメディア、フィルター類などを入れておくことが可能です。また、それ以上の余分な収納力がないことも私にとって重要な点です。

余計なスペースがあると、どうしてもその分使うかどうかもわからない機材を詰め込んでしまい、結果バッグは重くなります。「入らない」ことはカメラバッグにとって、携帯性を高める機能でもあると思います。

その点で、アーバンアクセスシリーズには一回り大きな10インチ対応のものがありますが、私のおすすめはより収納容量の少ない8インチタイプです。

この日の機材は、ニコン Z8+APO-LANTHAR 50mm F2、GR III、iPad miniとサングラス。サイドポケットにはモバイルバッテリーなどが入っています。必要十分で、これ以上もこれ以下もなく最適な装備に最適な収納力だと感じられます。
大和田良

(おおわだりょう):1978年仙台市生まれ、東京在住。東京工芸大学芸術学部写真学科卒業、同大学院メディアアート専攻修了。2005年、スイスエリゼ美術館による「ReGeneration.50Photographers of Tomorrow」に選出され、以降国内外で作品を多数発表。2011年日本写真協会新人賞受賞。著書に『prism』(2007年/青幻舎)、『五百羅漢』(2020年/天恩山五百羅漢寺)、『宣言下日誌』(2021年/kesa publishing)、『写真制作者のための写真技術の基礎と実践』(2022年/インプレス)等。最新刊に『Behind the Mask』(2023年/スローガン)。東京工芸大学芸術学部准教授。