私はこれを買いました!

過酷な現場でも力強い仲間

ニコン Z 9(佐藤拓)

年末恒例のお買い物企画として、写真家・ライターの皆さんに、2023年に購入したアイテムをひとつだけ紹介していただきました。(編集部)

ミラーレスに本格移行

色々な買い物をした年でしたが、やはり一番影響があったのは「ニコン Z 9」です。

入社当時、取材カメラに「ニコンD5」を愛用していましたが、誕生日前日に思い切って購入ボタンを押したのを覚えています。

特段フラッグシップ機にこだわっているわけではありませんが、趣味で動き物を撮る自分にとって、ブラックアウトフリー撮影に対しては強く引きつけられるものがあります。それにスポーツカメラマンをやっていたこともあり、縦位置グリップ一体型がしっくり来ます。あとは、Fマウントのレンズ資産が活かせるのも選んだ理由のひとつです。

機能は言うまでもなくフラッグシップ機なので申し分ありません。直近のアップデートではZ 8に搭載した被写体検出設定の種類を追加するなど、元から性能を高く確保していたフラッグシップ機だからこそではないでしょうか。シャッター音が選べるようになったのもいいですね。

ミラーレスカメラにしてから撮影方法も変わりました。デジタル一眼レフカメラを使用していたときは、親指でAF-ONボタンを押しながら被写体を追い続けて、よきタイミングでレリーズする「親指AF」を使用していました。最近ではカスタムワイドエリアAFを設定して、シャッターボタン半押しで被写体を追尾してシャッターを切るようにしています。こちらが大まかなフォーカスエリアを指定しておけば、迷うことなく被写体を追従してくれるのでとても便利。

ちなみに使わなくなったAF-ONボタンには「撮像範囲選択」を登録しています。少し望遠がほしいなと思った時にもEVFを覗きながらすぐに変更できるのでおすすめです。

購入当時はミラーショックがない点や、EVFの見え方にも若干の違和感を感じて苦戦するときもありました。が、いまではそのようなこともなく、出来上がる写真に感心しています。酷な現場でも撮りたい写真に挑戦をさせてくれるカメラとでも言いましょうか。とても力強い仲間を手に入れた気持ちです。

レインカバーを忘れ、雪まみれになりながら撮影した「SL冬の湿原号」です。カメラとレンズは無事でしたが、本人は風邪を引きました
Z 9/AF-S NIKKOR 400mm f/2.8G ED VR/マニュアル露出(1/800・F2.8)/ISO 400/WB:5400K

近況報告

毎年、冬は北海道に撮影旅行へ行くと決めているのですが、今年は下調べをほぼせずにシマエナガの撮影に行き、結果坊主で帰京しました。シマエナガの伝道師と呼ばれる山本光一さんの本を購入するなどして、情報を仕入れましたので、来年こそはフレームにその姿を収めて帰ってきたいところです。

本誌:佐藤拓