私はこれを買いました!

写真を撮る楽しさ・喜びを忘れずにいられた

ライカQ2(大村祐里子)

今年も年末恒例のお買い物企画「私はこれを買いました!」が始まります。写真家・ライターの皆さんに、2020年に購入したカメラ関連製品をひとつだけ挙げていただきました。(編集部)

「ライカ ズミルックス f1.7/28mm ASPH.」が生み出す質感描写

師匠が使っているのを見て、ずっと欲しかったカメラでした。しかし、レンズが28mm固定なので、人物撮影が多い自分は仕事だと使えるシーンが少ないだろうなと思っていました。ゆえにその欲を1年くらい眠らせていました。

2020年、緊急事態宣言が発令され、突然時間ができてしまったあのとき、「今こそ私にはライカQ2が必要だ!」と思い立ち、勢いで購入してしまいました。

結論から言うと、最高です。レンズ交換はできませんが、なによりもこの「ライカ ズミルックス f1.7/28mm ASPH.」が良いです。広角ですが歪みは少なく、線はスッキリとしていて、コントラストは高め。質感描写には眼を見張るものがあり、柔らかいものは柔らかく、硬いものは硬く描いてくれます。何を撮っても「わ〜いいな〜」と純粋な子供のような感想が口から漏れてしまいます。私は視野が28mmくらいなので、画角も大変使いやすいです。

ライカQ2のお値段を伝えると「えっ、高い!」とよく言われるのですが、この性能のレンズにボディがついていると考えれば妥当なお値段なのでは、と思ってしまいます。

また、ライカだけどもAFとMFの両方が使えてありがたいです。「MACRO」に切り替えれば0.17mまで寄れるところも大好きなポイントです。そして、ボディは防塵防滴なので、悪条件の中でも心配せずに使えます。デザインもシンプルでかっこよく、プロダクトとしての魅力も十分あるライカQ2を持ち出さない理由が見当たりません。

最初はプライベートのスナップ用に使おうと思っていたのですが、近頃は仕事でも使用しています。特に旅関連のお仕事では大活躍! 情景を切り取るのはもちろんですが、4,730万画素という高画素を生かし、75mmの画角にクロップすればお料理なども撮れるので重宝しています。

今年は何かと暗い気分になりがちな一年でしたが、ライカQ2のおかげで写真を撮ることの楽しさ・喜びを忘れずにいられました。来年も、ライカQ2と一緒にたくさんの時間を過ごしたいです。

海辺を散歩する人と犬を撮りました。あふれるほどの光に包まれた一人と一匹がとてもあたたかく目に映りました。写真を確認すると、自分の感じた以上にその空気感が写っていて「いいな」と思いました。
LEICA Q2 / SUMMILUX 1:1.7/28 ASPH. / マニュアル露出(F5.6・1/400秒・補正なし) / ISO 100
水たまりに沈んでいる落ち葉を真上から覗き込んでみました。茶色の中にときどき混じっている赤やオレンジ、緑の色がきれいだなと思いました。濡れた葉の質感、主張しすぎない色表現、地味ですがライカQ2の良さが出ている一枚で気に入っています。
LEICA Q2 / SUMMILUX 1:1.7/28 ASPH. / マニュアル露出(F2.8・1/2,000秒・補正なし) / ISO 100

近況報告

今年の夏以降は、男性モデルの作品撮りに力を入れました。結果、自分の表現もお仕事の幅も広がったような気がしています。来年は「人間」を写せるように努力したいです。

大村祐里子

1983年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒。有限会社ハーベストタイム所属。雑誌・書籍での執筆やアーティスト写真の撮影など、さまざまなジャンルで活動。