写真展告知
「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2024」が4月13日(土)に開幕
テーマは「SOURCE」 京都市京セラ美術館で川田喜久治氏の展示など
2023年12月19日 07:00
2024年に開かれる「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2024」の概要が12月12日(火)、東京・広尾のフランス大使館で発表された。会期は2024年4月13日(土)〜5月12日(土)。計12会場で13の展覧会を開く。
毎年恒例となった「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」。会期中、京都市内各所で複数の写真展が開催される。昨年は23万9,676人の来場者を集めた。前年比21%の増加だ。
今年のテーマは「SOURCE」。源、始まり、起源を探求し、オルタナティブ(新た)な未来の姿を見つめるきっかけとなる作品を集めた。
川田喜久治
日本人写真家では川田喜久治氏を取り上げる。1965年に発表した「地図」は、敗戦という歴史の記憶を記号化するメタファーに満ちた作品だった。以来、予兆に満ちた硬質で新しいイメージを提示し続けている。
「今も日々、1枚以上の写真をInstagramに上げている。そのビジュアルセンスは今なお刺激的だ」とディレクターの仲西祐介氏。
京都市京セラ美術館 本館 南回廊2階で、過去から現在までの氏の作品を展観する。
川内倫子 潮田登久子
昨年からKERING’S WOMAN IN MOTIONに賛同し、世代の違う2人の女性写真家が共通のテーマで対話するような展示空間を作り上げるプログラムを始めた。今回は川内倫子氏と潮田登久子氏が展示を行なう。
展示内容はこれからセレクトされるが、テーマは家族を設定。川内氏は近年、娘など家族を被写体に選んでおり、潮田氏は2022年、写真集『マイハズバンド』を出版した。40年ほど前、家族やプライベートな時間を写した写真で構成されている。
「この企画を川内さんに話すと、潮田さんを指名された」(仲西氏)。
柏田テツヲ
柏田テツヲ氏は「Ruinart Japan Award 2023」受賞者。KYOTOGRAPHIEインターナショナルポートフォリオレビューの参加者から1名が選ばれ、フランスにあるルイナールのアート・レジデンシー・プログラムに招かれる。
森や自然に囲まれた場所であり、そこで約2週間、滞在し制作した作品を発表する。
「柏田さんは旅の中で感じた疑問や違和感に目を向け、作品を制作してきた。フランスで温暖化が進む環境を肌で感じたようだ」(仲西氏)。
クラウディア・アンドゥハル
クラウディア・アンドゥハルは50年以上、ブラジルのアマゾンに住む先住民グループの一つであるヤノマミ族を撮影してきた。彼らの思想や生活、文化、芸術表現などを広く伝えることで、彼らの権利や存在を確かなものにしてきた。
「人間の大切な原点がそこにはある」と仲西氏。
アンドゥハルは90歳を超えた年齢なので、来日は叶わないことから、ディレクターである仲西氏とルシール・レイボーズの2人でブラジルに渡り、展示案などを話してきたそうだ。
会場は京都で最も歴史のある京都文化博物館 別館を使う。ここは日本銀行京都支店だった場所だ。
Birdhead
Birdhead(バードヘッド)は2004年から活動を始めた中国の2人組ユニット。都市再開発を記録するプロジェクトなど、現代の問題に取り組んでいる。近年は光と時間の関係に立ち返った創作を行ない、伝統的な写真技法とその実践の限界を探求する。
「撮影はフィルムで行ない、漆を塗布し新しい表現を試みている。今回、京都でさまざまな種類の漆を入手し、現在、制作を続けている」(仲西氏)。
ルシアン・クレルグ
ルシアン・クレルグはピカソに認められ、長く彼の生活を撮影したほか、ジプシーと呼ばれたロマ族コミュニティーと親密な関係を持ち、その姿を記録した。1969年、アルル国際写真フェスティバルを立ち上げた写真家の一人でもある。
彼の展示は、アルル国際写真祭の元ディレクターであるフランソワ・エベル氏がキュレーションを行なう。
このほかヴィヴィアン・サッセン、気鋭のモロッコ人写真家であるヨリヤス(ヤシン・アラウイ・イスマイリ)らが参加する。
若手を発掘し支援する「KG+2024」も開く。公募は2023年12月31日(日)まで受付中。
昨年、スタートした音楽祭「KYOTOPHONIE」も「KYOTOGRAPHIE2024」の会期に合わせて週末に開催予定だ。
KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2024
会場
京都市内各所
開催期間
2024年4月13日(土)〜2024年5月12日(日)
開催時間
会場により異なる
入場料
有料