イベントレポート

伝統ある洋館で開かれた「FUJIKINA 2017 TOKYO」レポート

X-E3が初披露 トークショー、ワークショップも盛況

東京港区の綱町三井倶楽部において9月7日、富士フイルム製品のタッチ&トライイベント「FUJIKINA 2017 TOKYO」が開催されたので、その模様をお伝えしよう。

FUJIKINAは、富士フイルムのミラーレスカメラ「X」および「GFX」シリーズをテーマにしたファンミーティングイベント。前回は京都で行われたが、今回は東京の綱町三井倶楽部に舞台を移しての開催だ。

豪華な会場にびっくり

会場の綱町三井倶楽部は、三井家の迎賓館として1913年に竣工したルネサンス様式の洋館。設計はジョサイア・コンドル博士。終戦後は米軍将校クラブとしても利用された歴史がある。

通常は一般公開はされておらず、会員のみが立ち入ることができる。会員になれるのは、三井系会員会社における管理職以上の役職者および役員OB。富士フイルムは三井系のため、今回、会場としての利用が可能になったそうだ。

滅多に入れない上に貴重な建築物とあって、会場では撮影に勤しむ来場者が数多く見られた。こうした場でのタッチ&トライイベントは、珍しいのではないだろうか。

大人気の貸出&メンテナンスサービス

イベントの当日はX-E3の発表日であり、タッチ&トライコーナーは、イベント告知時(8月7日)には未発表だったX-E3のお披露目の場となっていた。多数のX-E3が用意され、開場後はあっという間に列ができていた。

ハンドグリップ「MHG-XE3」付きのX-E3もタッチ&トライコーナーにあった。薄いボディのX-E3だけに、グリップの存在感が印象的。

協賛企業のプロフォトは、イベント当日に発表されたAir Remote TTL-Fなどを紹介していた。

新東京物産は、キポンのGFX用マウントアダプターをずらりと並べていた。

タッチ&トライコーナーと同様に長蛇の列をなしていたのが、GFXシステムおよびXシリーズ製品の貸し出しサービスだ。会場がフォトジェニックな洋館だけに、撮るものにはことかかないだろう。

富士フイルムのイベントでおなじみのクイックメンテナンスサービスも来場者を集めていた。外観クリーニングや簡易動作チェックなどを無料で受けられるサービスで、3名体制でフル稼働の状態だった。

ギャラリーコーナーには、Xシリーズで撮影された作品が並ぶ。イベント同日にXシリーズとマグナムの提携が発表されたが、今後はこうした場で、エリオット・アーウィットをはじめとしたマグナム所属フォトグラファーの作品に出会えるのだろうか。

トークショー&ワークショップも大盛況

イベントではトークショーも盛んに行われていた。

X-E3を持ってボストンに赴いた内田ユキオさんは、旅するカメラマンに寄り添うような軽量スリムなボディの心地よさを紹介。軽快な撮影感が伝わってくるようなトークショーだった。X-E3ならではの機能や新しい操作性についてもしっかりと解説。大広間を埋め尽くす来場者に加え、立ち見も出るほどの盛況ぶりだった。

伊勢丹写真室の岩村佳宏さんが担当したのは、GFX 50SとコメットのモノブロックストロボDm-360TTLの組み合わせの紹介。モデル撮影を通じてライティングを解説した。

Dm-360TTLはバッテリー式でかつワイヤレスコントロールに対応。おかげで岩村さんのスタジオも、すっきりとしたセッティングになったそうだ。来年3月には、GFX 50Sでハイスピードシンクロが可能になるファームウェアが公開されるという。

洋館の庭では、ストロボを使った撮影会が開かれていた。講師は浅岡省一さん。東京カメラガールの撮影会として設定されたもので、もちろん参加は女性のみだ。

18時からスタートし、夜22時まで続いたFUJIKINA 2017 TOKYO。小雨降る平日の夜にもかかわらず、多くの来場者が詰め掛けたことに驚く。事前登録者は約1,700名とのこと。タッチ&トライイベントとしては意外な会場の選定と、Xシリーズのファンの熱心さが印象に残ったイベントだった。

本誌:折本幸治