フォトコンテスト
「生きもの写真リトルリーグ2016」最優秀賞は中学3年生の佐藤匠馬さん
全国各地区の代表が小諸高原美術館に集結 授賞式には海野和男さんも
2016年8月26日 15:21
生きもの写真リトルリーグ2016の授賞式が、長野県の小諸高原美術館で開かれた。全国の各地区から勝ち残った小中学生が現地に集合し、最優秀作品賞の発表を固唾を飲んで見守った。
生きもの写真リトルリーグは、「生きもの」をテーマとした写真コンテスト。小中学生を対象とし、自然や生きものを見つめ、写真の表現力を高める機会として設けられた。単写真、または最大5枚の組写真で応募できる。
審査員は海野和男さん、安珠さん、石田立雄さん、伊知地国夫さん。小諸高原美術館の他、日本自然科学写真協会、日本写真協会が後援を務めている。
2度目の開催である今回は、前回の倍となる300点以上の応募があったという。審査委員長の海野和男さんによると、写真の質も大きく向上し、「このままプロを目指して欲しい人も2、3人いますね(笑)」とのこと。
授賞式の小諸高原美術館には、各地区賞代表の親子2名が招待された。実際には祖父・祖母を加えて一家総出で来場する家族も見られ、会場は大いに賑わいを見せた。
授賞式に入る前に行われたイベントが、海野さんと安珠さんがパーソナリティを務める「生きものサミット」。海野さんと撮影者が応募作品について語り合い、写真に写った生きものについて学ぶトークイベントだ。
「この鳥の名前は知っている?」「なにをしているところでしょうか」「これは珍しいところを撮ったね」といった感じで、海野さんと子どもたちの会話が弾む。子どもたちの生きものに対する知識と思い入れは深く、その上で上級生ともなると「どう写真に撮れば一番良いか」ということも考慮して撮影していることに感心した。
撮影された生きものは多彩のひとこと。北は北海道から南は沖縄まで、昆虫からシャチまでの多彩な作品が並んだ。日本の自然の多様さがうかがえる。
生きものサミットと授賞式の合間は、会場に展示してある海野さんのギャラリートークに当てられた。深度合成による撮影方法や、珍しい昆虫の写真を解説する海野さん。
授賞式ではまず、各地区の地区賞7作品が応募者とともに発表され、その後、最優秀作品賞の発表へ。
見事、最優秀作品賞を射止めたのは、中部・東海地区の佐藤匠馬さん(中学3年)の「2羽でつなぐ命の話〜近所に住むハヤブサを追って」だった。
ハヤブサのつがいを4ヶ月もの間追った組写真で、時間をかけたことによる貴重なシーンの数々や、高速なハヤブサを的確に構図に収めるテクニックが評価された。