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ニコン、「Z 9」をNASAに納入。市販品にカスタムファームウェア搭載

ニコン Z 9

株式会社ニコンは2月7日(水)、ニコン Z シリーズのフラッグシップ機「Z 9」をアメリカ航空宇宙局(NASA)に納入したと発表した。NASAの宇宙飛行士が地球や宇宙を鮮明に撮影できるよう支援するという。

13台のZ 9ボディと、超望遠からマイクロレンズまで合計15本のNIKKOR Zレンズ、15個のFTZ IIアダプターがSpaceX社の「ファルコン9ロケット」に載り、1月30日(火)に米国フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地40番発射台から打ち上げられ、国際宇宙ステーション(ISS)に送られた。

今回送られた機材は現在ISSに装備されているデジタル一眼レフカメラ「D6」「D5」を置き換えるもので、Z 9はISSの乗組員によって使用される初のニコンのミラーレスカメラとなる。カメラ本体のハードウェアは市販品と同じだが、宇宙飛行士と宇宙環境に適したカスタムファームウェアを開発したという。

ファームウェアの変更点は、ISSで乗組員や機材が常に浴びる宇宙放射線を考慮し、ノイズリダクションの適用範囲を高速シャッターにも拡張したほか、カメラが保護カバーで包まれた状態での使用への最適化、ファイル名の付与ルールや初期設定の変更、地球への画像送信時の効率を高めるためのFTP通信制御の変更などがあるという。

これまでにもニコンの機材はNASAの様々なミッションやスペースシャトルでの宇宙探査に使われたといい、1999年からフィルム一眼レフカメラの「F5」がISSと宇宙空間で使われ、2008年にはデジタル一眼レフカメラ「D2XS」が、2013年には13台の「D4」と64本のNIKKORレンズがISS乗組員に届けられたという。

本誌:鈴木誠