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ニコン、53台の「D5」をNASAに納入

市販品のまま 国際宇宙ステーションなどで使用予定

株式会社ニコンは8月25日、米航空宇宙局(NASA)にデジタル一眼レフカメラ「D5」を53台納入したと発表した。

今後、国際宇宙ステーション(ISS)内外での撮影や、地上でのトレーニング用として使用される。

NASAから改良の要請は無く、市販のD5を納入した。ニコンでは、2009年にもD3Sを無改良でNASAに納入しており、同社では「ニコン製品の信頼性や厳しい環境にも耐えうる耐久性の高さが認められた証」としている。

なお、8月26日から開催されるイベント「NIKON 100TH ANNIVERSARY FAN MEETING 2017 -TOKYO&OSAKA-」では「宇宙事業とNikon」と題した特別展示が行われる。

ニコン100周年ファンミーティングの一部情報が公開会場限定オリジナルグッズが登場 「ニコンファンクイズ」もhttp://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/event/1074645.html

NASAに関するニコンの主な歴史は次の通り。

  • 1971年、アポロ15号でNASA仕様の「ニコンフォトミック FTN」と「NIKKOR」レンズが使用される
  • 1980年、フィルム一眼レフカメラ「ニコンF3」をベースとしたモータードライブ付き「F3“スモールカメラ”」と長尺フィルム用「F3“ビッグカメラ”」を納入。スモールカメラは翌年打ち上げられたスペースシャトルコロンビア号に搭載される
  • 1999年、フィルム一眼レフカメラ「ニコンF5」、「AF NIKKOR」レンズがスペースシャトルディスカバリー号に搭載され、船外活動(EVA)の撮影機材として活躍する
  • 2008年、デジタル一眼レフカメラ「ニコンD2XS」を納入。点検・整備など、記録用に宇宙空間での撮影で活躍
  • 2009年、デジタル一眼レフカメラ「ニコンD3S」を11台、NIKKORレンズ「AF-S NIKKOR 14-24mm f2.8G ED」を7本納入。スペースシャトルに搭載され、ISS内の撮影機材として使用される
  • 2013年、デジタル一眼レフカメラ「ニコンD4」を38台、「AF-S NIKKOR 800mm f/5.6E FL ED VR」など計64本のNIKKORレンズ、その他アクセサリー類を納入。ISSの外側からソーラーパネルや外壁のチェックに使用
  • 2016年、デジタル一眼レフカメラ「ニコンD4」を10台納入。ISSの外側からソーラーパネルや外壁のチェックに使用される

ニュースリリースより

D5は、同社のプロ向けデジタル一眼レフカメラ。35mmフルサイズの有効2,082万画素CMOSセンサーを搭載し、AF追従で最高12コマ/秒の連写が可能。拡張時の最高感度はISO3280000。対応記録メディアの違いでXQD-TypeとCF-Typeがある。発売は2016年3月。実勢価格は税込65万円前後。

本誌:武石修