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光学機器の要「光学ガラス」に迫る企画展。ニコンミュージアムで開催
2022年8月9日 14:00
株式会社ニコンが運営するニコンミュージアムは、企画展「光学ガラスの軌跡」を8月30日から2023年2月25日まで開催する。
ニコンの光学ガラスの製造技術とその変遷を解説するとともに、多種の光学ガラスや、合成石英ガラスの実物を一堂に展示するという。カメラなどの最終製品ではなく、各光学製品の要である光学ガラスをテーマにした展示である点が特徴。
ニコン(当時:日本光学工業)の設立目的のひとつが、光学ガラスの製造技術確立による工業化だった。「現在でも光学ガラスの製造から、カメラ、顕微鏡、双眼鏡、半導体露光装置などの最終製品までを手がける、世界的にも限られた総合光学機器メーカーです」としている。
同社は創立翌年の1918年からガラスの製造の研究を始め、多種の光学ガラスの製造を可能とし、ニッコールレンズや各種光学機器用レンズの製造方法を確立。1987年には「史上最も精密な装置」といわれる半導体露光装置の投影レンズに用いる合成石英ガラスの製造に成功し、半導体産業の発展を支えたという。
主な展示(説明文を引用)
光学ガラスと一般ガラスの比較
来館者が光学ガラスと一般的なガラスの断面から対象物をのぞいて見て、光学ガラスが無色透明であることを体感していただきます。また、13世紀から始まったといわれる光学ガラスの歴史とその特徴もパネルで解説します。
昭和50年代の光学ガラスとガラス原材料
ニコンが昭和50年代までに開発した光学ガラス115種類とその主原材料を展示。それらの光学ガラスの光学性能を数値化したグラフも展示します。1960年代と2020年代を比較展示し、光学ガラスの進化をたどります。
光学ガラスの製造工程の解説
・るつぼ熔解
ニコンは1923(大正12)年に4種類の光学ガラスの熔解に成功したと記録があり、その伝統的な製造方法である「るつぼ熔解」を模型で解説し、製造された光学ガラスも展示します。
・連続熔解
1972(昭和47)年に導入され現在も行われている最も安定した製造方法である「連続熔解」をパネルで解説。製造工程中の加工途中の製品も展示します。
合成石英ガラスの製造
合成石英ガラスの製造工程の解説とともに、1987(昭和62)年にニコンで初めて製造したインゴットを展示。合成石英ガラスは半導体製造装置の投影レンズに用いられ、ICやLSIの集積回路の微細化に貢献しています。