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米州向け市場でミラーレスが好調に。国内は落ち込みが激しく。CIPAの4月統計より

一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)は、2022年4月のデジタルカメラ生産出荷実績(同工業会統計)を6月1日に公開した。

過去2年のグラフは3月~4月にかけて下降しているが、2022年は横ばいとなった。世界全体では、出荷台数が前月から減少しつつも金額は伸長するといった傾向が見られた。地域別にみると、米州や中国向け市場では好調な結果を見せた一方、日本国内向け市場では不調が目立つ結果となった。

概況

2022年4月のデジタルカメラ総出荷台数は54万4,054台(前月比99.0%)、金額は508億7,070万3,000円(前月比142.8%)だった。前月比で出荷台数はほぼ横ばいだったのに対して、金額が大きく伸長した。昨年同月比においては台数72.0%・金額114.0%を記録。台数で3割近く減少したにもかかわらず、金額では上回る結果となった。

内訳を見ると特に好調だったのがミラーレスカメラ。台数が28万1,599台(前月比125.2%)、金額が397億8,561万2,000円(前月比161.4%)を記録。昨年同月比でも台数104.0%・金額142.8%と、カメラ種別で唯一、昨年を上回った。

一眼レフカメラは台数が14万5,437台(前月比80.4%)、金額が69億8,801万3,000円(前月比102.5%)だった。台数が約2割減だったものの、金額では微増。昨年同月比は台数64.5%・金額70.9%を記録している。

レンズ一体型カメラは台数が11万7,018台(前月比81.4%)、金額が40億9,707万8,000円(前月比98.6%)を記録。昨年同月比では台数45.0%・金額59.5%と大幅に減少した。

国内の状況

国内向け市場におけるデジタルカメラ全体の出荷台数は5万4,543台(前月比71.1%)、金額が34億7,159万9,000円(前月比77.2%)だった。昨年同月比は台数42.3%・金額67.8%を記録。台数においては6割近い大幅な減少となった。

カメラ種別で一番好調だったのが一眼レフカメラ。台数6,830台(前月比86.5%)、金額が3億9,292万円(前月比115.3%)を記録。台数では前月を割り込んだものの、金額では唯一伸長した。昨年同月比では台数68.8%・金額53.3%でともに大きく落ち込んだ。

ミラーレスカメラは台数が2万2,381台(前月比72.2%)、金額が24億4,687万9,000円(前月比73.0%)だった。昨年同月比は台数71.1%・金額93.7%を記録している。

レンズ一体型カメラは台数が2万5,332台(前月比67.0%)、金額が6億3,180万円(前月比78.7%)を記録。昨年同月比では台数28.9%・金額35.6%と、国外の各地域向け市場と比較しても最も大きな下げ幅となった。

国外の状況

国外向け市場では、デジタルカメラ全体の出荷台数は48万9,511台(前月比103.5%)、金額は473億9,910万4,000円(前月比152.3%)と好調な結果となった。昨年同月比では台数78.0%・金額120.1%と、台数では落ち込んだものの、金額では大きく伸長した。

地域別にみると特に好調だったのが米州向け市場。前月は一眼レフカメラが好調を見せていたが、今月はミラーレスカメラが出荷8万963台(前月比171.5%)、金額124億7,148万円(前月比278.7%)と大きく伸長。デジタルカメラ全体でも出荷16万7,108台(前月比116.8%)、金額158億8,746万8,000円(前月比201.4%)と好調を見せた。

中国市場も好調。デジタルカメラ全体の出荷台数は8万9,931台(前月比128.4%)、金額が112億5,509万3,000円(前月比155.6%)を記録した。特にミラーレスカメラが好調で、出荷6万3,228台(前月比150.4%)、金額94億3,082万6,000円(前月比161.6%)だった。

本誌:宮本義朗