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シグマ、山木社長がマウント追加に言及。SIGMA STAGE ONLINEより

愛好家に捧ぐ“愛の賛歌“ムービーも公開

株式会社シグマは2月9日、オンライン配信による新製品プレゼンテーション「SIGMA STAGE Online」を開催した。新製品のミラーレスカメラ用交換レンズ「20mm F2 DG DN|Contemporary」を発表。また、配信の最後には、登壇した同社代表取締役社長の山木和人氏が“マウント追加”に言及する場面もあった。

Iシリーズ7本目の広角単焦点

20mm F2 DG DN|Contemporaryは、同社がミラーレスカメラ用の交換レンズとして「コンパクト」「優れた光学性能」「優れたビルドクオリティ」で“プレミアム・コンパクト・プライム”を謳うIシリーズの7本目となるレンズ。本レンズの登場により、20mm~90mmまでの焦点域をカバーする単焦点レンズが揃った。レンズの詳細は既報のとおり。

「SIGMA STAGE Online 新製品プレゼンテーション」より

Iシリーズのレンズラインアップが7本に増えたことを受け、改めて山木氏より同シリーズのコンセプトが語られた。レンズを選ぶ際に、優先事項としてサイズ感と高性能のどちらか一方を選択しなくてはいけない製品が多い中で、「プレミアム・コンパクト・プライムとは、コンパクトだけど、高性能であり、高品位である」ことを追求すると山木氏は話す。

コンセプトを実現するために、Iシリーズではすべてのレンズで、外装にアルミニウムを採用している。鏡筒だけでなく、フード、マグネット式キャップにおけるまで素材にこだわることで、Iシリーズ独特の質感や風合いが表現されているという。さらに、見た目だけでなく、実際に人の手で触れた際に“製品の良さ”が伝わるように設計しているのだと山木氏は強調した。

レンズフード
マグネット式レンズキャップ

20mmの歴史

また、山木氏は同社における“焦点距離20mmの歴史”にも触れた。同社は2002年に、当時20mmレンズとしてはじめてF1.8を実現した「20mm F1.8 EX DG ASPHERICAL RF」、2015年にはそれをさらにアップグレードさせたという「20mm F1.4 DG HSM|Art」を発売している。しかし、このほど発表された20mm F2 DG DN|Contemporaryは、これらのレンズとはコンセプトが異なるという。

20mm F2 DG DN|Contemporaryで目指したのは「パームサイズ 大口径超広角レンズ」だと語る山木氏。つまり、小型のサイズで大口径を実現するということ。最大径70×全長72.4mm、重量370gに抑えた本レンズは取り扱いやすく、ストリートスナップにも活用しやすいと、山木氏はその利点について言及した。

さらに、“コンパクトサイズながら高性能”を実現した秘密は光学設計にあると山木氏は説明をつづける。11群13枚のレンズ構成には、3枚の非球面レンズ(両面2、片面1枚)、蛍石と同じ性質を持つというFLDガラス1枚、さらにSLDガラス1枚を採用しており、それらがサイズ・性能の両立に寄与しているという。このほか、20mm F2 DG DN|Contemporaryではサジタルコマフレアやゴーストの抑制に注力した点も合わせて紹介された。

追加マウントの予定は?

配信の最後に、山木氏は「私どもはこうしてカメラやレンズを作って楽しく仕事をさせていただいております。こうした事業をさせていただいているのは、日頃から写真やカメラ、レンズを愛好していただいている皆様のおかげと感謝しております」と語り、写真・カメラ・レンズ愛好家に向けた感謝のムービーを放映した。軽快な曲調にアレンジされた愛の賛歌をBGMに、写真を愛する人たちの姿をIシリーズのレンズを通して見るという構成。同社からユーザーに向けた“Iの(愛の)賛歌“となっていた。

また、ライブ配信で定番となった質問コーナーでは、“対応マウントの追加”について山木氏が言及。同社のミラーレスカメラ用交換レンズは、これまでソニーE、ライカL、キヤノンEF-M、マイクロフォーサーズを展開してきたが、毎度ユーザーから他マウントへの対応に関する要望が寄せられていた。

山木氏は「なるべく多くのマウントをサポートしたい。どのマウントかは申し上げられないが、今年は最低でも一つのマウントを追加したい」とコメント。同配信中ではXマウントを要望するユーザーが多かったというが、果たしてどのマウントが追加になるのか。時期はいつなのか。「同社公式発表をお待ちください」と山木氏は締めくくった。

本誌:宮本義朗