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中国向け市場が好調に。ミラーレス・レンズ一体型が伸長

国内では一眼レフカメラが回復傾向に 8月のCIPA統計より

デジタルカメラ【Worldwide】出荷数量月間推移 出典:一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)

一般社団法人カメラ映像機器工業会(CIPA)は10月1日、2021年8月のデジタルカメラ生産出荷実績(同工業会統計)を公開した。前月好調だった日本国内向け市場は、前月比および昨年同月比で出荷台数・金額ともに減少傾向となった。一方で国外向け市場では概ね好調を見せる地域が多く、特に中国向け市場の好調ぶりが目立つ結果となった。

概況

8月のデジタルカメラ総出荷台数は65万4,746台(前月比99.3%)、金額が369億95万8,000円(前月比109.2%)で、前月比でほぼ横ばいとなった。昨年同月比では台数95.7%・金額115.1%を記録している。3月以降で4カ月連続となっていた減少傾向は概ねストップした。

カメラ種別ごとに見ていくと、ミラーレスカメラの台数が25万1,796台(前月比102.8%)、金額は239億2,277万7,000円(前月比109.1%)を記録。昨年同月比では台数112.3%・金額124.8%で、前月比とともに上昇傾向を見せている。

一眼レフカメラは台数が15万3,146台(前月比112.8%)、金額が68億2,761万6,000円(前月比124.7%)で、前月比では他のカメラ種別と比較して一番の伸びを見せた。昨年同月比は、台数では88.1%と沈んだものの、金額では103.5%とほぼ横ばいとなった。

レンズ一体型カメラは台数が24万9,804台(前月比89.7%)、金額が61億5,056万5,000円(前月比96.2%)を記録。昨年同月比は金額87.4%・台数97.8%だった。

国内の状況

国内向け市場では。デジタルカメラ全体の出荷台数は8万5,702台(前月比74.5%)、金額が33億6,888万6,000円(前月比80.8%)で、前月比から大きく減少した。昨年同月比でも、台数82.1%・金額92.2%と振るわない結果となった。

内訳を見ると、ミラーレスカメラは台数2万7,515台(前月比87.3%)、金額が20億5,156万2,000円(前月比80.7%)で、前月比で減少傾向を見せた。一方で昨年同月比では台数117.1%・金額108.7%と回復傾向となっている。

一眼レフカメラは台数が7,566台(前月比125.4%)で金額が3億6,908万6,000円(前月比105.0%)を記録し、国内向け市場で唯一の好調となった。昨年同月比でも台数108.3%・金額99.4%となっている。

とくに不調だったのはレンズ一体型カメラ。台数が5万621台(前月比65.4%)、金額が9億4,823万8,000円(前月比74.3%)で、前月が好調だった分、下げ幅が大きくなっている。昨年同月比でも台数68.5%・金額67.9%と大きく減少している。

国外の状況

国外向け市場では、デジタルカメラ全体の出荷台数は56万9,044台(前月比104.5%)、金額が335億3,207万2,000円(前月比113.2%)だった。前月比からは好調で、日本国内向け市場の不調をカバーした結果となっている。昨年同月比でも台数98.2%・金額118.1%と概ね好調となっている。

とくに好調ぶりが顕著だったのは中国向け市場だった。デジタルカメラ全体の出荷台数は10万8,095台(前月比124.2%)、金額が95億6,205万9,000円(前月比136.4%)を記録している。内訳ではミラーレスカメラとレンズ一体型カメラがとくに好調。ミラーレスカメラの台数は7万2,014台(前月比134.7%)、金額が76億5,991万8,000円(前月比149.1%)を記録。レンズ一体型カメラの台数が2万1,685台(前月比123.9%)・金額が8億2,962万3,000円(前月比125.4%)となっている。

米州向け市場も概ね好調をキープ。とくにレンズ一体型カメラは台数6万3,213台(前月比103.6%)、金額15億7,399万(前月比106.0%)を記録しており、昨年同月比からは金額が140.0%と大きな伸びを見せた。

欧州向け市場では一眼レフカメラが好調だった。台数が6万2,667台(前月比139.1%)で金額が23億615万8,000円(前月比139.9%)を記録。昨年同月比でも台数117.6%・金額117.9%と好調をキープしている。今月のミラーレスカメラの出荷台数は5万4,623台で、一眼レフカメラが上回る結果となった。

本誌:宮本義朗