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5.4K動画撮影に対応した小型ドローン「DJI Air 2S」

1型センサーを搭載 障害物検知など安全飛行性能も強化

DJIは4月15日、障害物センサーを刷新し、自立飛行性能を改善したというドローン「DJI Air 2S」を発売した。同社オンラインストアでの販売価格は税込11万9,900円から。

モデルの位置づけ

DJI Air 2Sは、展開時のサイズが同寸(183×253×77mm)となるMavic Air 2の後継に位置づけられるモデル。Mavic Air 2と比べて重量は微増(570g→595g)しているものの、カメラ部のセンサーサイズが1型(有効画素数は20MP)に大型化している。

撮影性能

カメラ部に20MPの1型センサーを搭載したことで、5.4K 30fps記録が可能になった。最大150Mbpsのビットレートで撮影できるという。また、静止画ではRAW記録も可能。ダイナミックレンジは最大12.6ストップ。

HDR表現面も強化されており、複数枚の撮影画像を自動的に合成することでダイナミックレンジを拡大する「インテリジェントHDR技術」を搭載。ハイパーラプスやパノラマ撮影にも対応する。

また新しい撮影機能として、近距離、ランドスケープ、ポートレートといった3種類のプログラマブル撮影機能「マスターショット」を搭載。同機能を起動し、被写体を選択すると、機体が自動で飛行経路を計画し、対象となる被写体をダイナミックな演出で撮影してくれる。撮影後はアプリ「DJI Fly」でテーマを選択するだけで動画が生成されて、即座にSNS等へ配信できるという。

ランドスケープ

また、選択した被写体を追尾・旋回して撮影できるフォーカストラック機能も搭載。被写体のまわりを自動で旋回するPoint of Interest 3.0やActiveTrack 4.0(被写体をフレーム内に捉えたまま、機体がシームレスに自動追尾する)、Spotlight 2.0(機体制御は操縦者が行い、被写体は機体側が自動で捉え続けてくれる)といった、被写体追従を機体側に任せた撮影にも対応している。

また、同種の演出撮影機能であるクイックショットも引き続き搭載。ロケット、サークル、ドローニー、ヘリックス、ブーメラン、アステロイドといった撮影モードを利用することもできる。

映像の最大伝送距離は12km。

安全な飛行体験のために

本モデルの最大飛行速度は、19m/秒(Sモード時:従来の飛行制御にマニュアル操作の自由度がプラスされた飛行モード)となっている。障害物検知といった飛行制御が組み込まれているNモードでは15m/秒に速度がある程度制限される。

無風条件での最大飛行時間は約31分で、最大飛行距離は18.5km(巡航速度が13.5m/秒の場合)。運用限界高度は海抜5,000m。

機体には障害物検知センサーも搭載。上下方向および前後方の計4方向にセンサーを備える事で空間を認識。機体が障害物を検知すると安全システムが警告を発して知らせてくれるという。

操縦支援システム「APAS 4.0」は、アルゴリズムが進化しており、障害物の多い状況でも安定した回避飛行が可能だとしており、自動操縦システムを有効にした場合、障害になる物体を回避しながら自立飛行してくれるという。製品説明Webページ上では樹木が林立している状況下で、それらを避けるようにして飛行している様子が紹介されている。

このほか、周囲を飛行する航空機やヘリコプターから発信される放送型自動位置情報伝送信号(ADS-B)を受け取り、アプリDJI Fly上に各飛行機の位置情報を表示。音声および視覚面で警告を操縦者に伝える事で、それらの進路を妨害することなく機体を離すことができるという。

製品展開

製品は、スタンダード版とWorry-Free Fly Moreコンボキットの2種類で展開している。

スタンダード版

機体本体のほか、送信機、バッテリー1個、ケーブルおよび部品一式で構成されている。同社オンラインストアでの販売価格は税込11万9,900円。

Worry-Free Fly Moreコンボ

スタンダード版の内容に加え、バッテリー2個、NDフィルター、充電ハブ、ショルダーバッグ、DJI Care Refresh(1年版)が含まれる。同社オンラインストアでの販売価格は税込16万5,000円。

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本誌:宮澤孝周